【編集興記】近ごろシニア期のペットの話題を多く目にします。正しい「介護」と「終活」を考える

ちょっと気になったペット関連のトピックスを、編集スタッフが持ち回りで紹介する“不定期”コーナーです。

日本では、これまで4度のペットブームがありました。記憶に新しいのが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大時期の第4次ペットブームです。行動制限等により自宅で過ごす時間が増えるなか、癒しを求めてペットを飼う人が増加しました。

第1次ペットブームは、1960年代から1970年代の高度経済成長期に起こったとされています。経済成長と暮らしの変化やテレビをはじめとするメディアの影響などから、動物を飼うことへの関心が急激に高まりました。この時期は、ドッグフードが発売されるなどペット産業も急速に成長しました。まさに、その後のペット文化やペット飼育の基盤を築いたといえます。

その後、1980年代から1990年初頭に第2次ペットブームが起こります。ブームの火付け役は大型犬で、映画『南極物語』のシベリアンハスキーやテレビ番組や広告などで登場する機会が増えたラブラドール・レトリーバーでした。

続いて2000年から2010年にかけて、第3次ペットブームが訪れます。このブームの中心は小型犬でした。きっかけは、消費者金融会社のCMに起用されたチワワ(くぅ〜ちゃん)です。つぶらな瞳とかわいい表情が大人気となりました。記憶されている方も多いのではないでしょうか。

この時期から、ペットを家族の一員とする考え方が定着するようになり、屋内でペットと一緒に過ごすことが一般的になり、室内飼いが広まったと考えられます。ペット飼育が可能住宅などもこの需要の高まりに対応した動きだったともいえます。

いま、この第3次ペットブームで飼われた犬や猫たちがシニア期になっています。昨今は、獣医療の進歩、良質なフード、そして生活環境の向上などにより、ペットが長生きするようになりました。そして、動物愛護の観点から、介護などシニア期の過ごし方が注目されています。

何の準備もなしに介護の日を迎えることは飼い主にとって、大変なストレスになります。愛犬・愛猫がシニア期を迎える前に、飼い主がペットの老化についてしっかりと学んでおくことが大切です。また、すでにシニア期に入っている場合には、すぐに実践する必要があります。

ペトハピでは、「無理しない」をテーマに、12回に渡ってペットの介護に必要な心構えや準備、実際の介護から介護サービスの活用まで、介護のすべてを網羅したコンテンツを掲載しています。

飼い主が明るく前向きに考えることで、愛犬・愛猫も生き生きと生活を送ることができるのです。無理をせず、手を抜くところは手を抜いて。介護をしながらも、日々を楽しく過ごしましょう。きっと、愛犬・愛猫の笑顔がそこにあるはずです。



また、シニア期以降の犬や猫の生涯の終焉に重きをおく活動として「ペットの終活」についての話題も増えてきました。

ペトハピでは、すでに7年前から“理想的な”ペットの終活についてのコンテンツを掲載し、必要な情報を整理してまとめておくことのできるツール「ライフノート」を販売しています。

ペトハピの考える終活は、「最後の過ごし方」や「見送り方」といった「死」ではなく、「生」がテーマになっています。犬や猫は人間の約4倍のスピードで年を重ねていきます。時の流れのまま暮らしていると、あっという間にペットは旅立ってしまいます。だからこそ、愛するペットとともに生きる時間を「どう生きるのか」を真剣に考えていただきたいのです。

愛するペットの限りある命を意識し、だからこそ今を楽しく生きる。そんな満ち足りた時間が多ければ多いほど、悲しみは深くても、少しだけ穏やかに、「ありがとう」という感謝の気持ちを添えて見送ることができると思うのです。愛するペットとあなた自身のために、「ペットの終活」を始めてみませんか?