Lesson 6

無理しない愛犬・愛猫介護のススメ 第6回「犬の歩行の介護」

[2020/06/12 6:01 am | 編集部]

思うように歩けなくなった愛犬の介助で、悩んでいる飼い主も多いことでしょう。しかし、ほどよい散歩や外出は外の空気や日差しに触れることができるので、犬にとってとてもよい刺激になります。「血行がよくなる」「筋力が維持できる」「気分転換になる」「食欲増進になる」など、よい効果がたくさんあります。フラフラするからと家に閉じこもってしまうのではなく、できる限り外へ連れ出してあげましょう。ただ、犬のペースや体調、状態に合わせて散歩の距離やコースを考えることが大切です。けっして無理はしないように注意をしましょう。

歩行の介護について

愛犬の状態や症状により、歩行には見合った飼い主の手助けが必要になります。飼い主の負担が大きくならないように、介護に役立つ用品を上手に利用しましょう。

■ハーネスを使う

歩いていてふらつく場合には、犬が転倒する可能性があります。首輪を使用していると首にかなりの負担がかかるだけでなく、飼い主が体を支えることも困難です。体の大きい大型犬であればなおさらです。その場合は、体の広範囲を支えることができるハーネスを使いましょう。また、リードを短めに持つことで、より確実にサポートができるようになります。初めてハーネスを装着する場合は、慣れていないので嫌がる犬もいます。室内などで徐々に慣らしてから使用するようにしましょう。

■ウォーキングベルトを使う

足腰が弱って自力で立てない犬の場合は、後ろ足を支えることができるウォーキングベルトや胴輪を使います。飼い主が犬の体を持ち上げるので、犬の負担が軽くなります。立ち上がりやすくなったり、歩きやすくなったりするので、「歩きたい」と思う気持ちを高めてあげることができます。そして、歩くこと自体がリハビリテーションになります。ただ、歩くときに持ち上げすぎないことが大切です。地面から足が浮いてしまうと歩きにくいだけでなく、犬の腰にも負担がかかります。体の大きい大型犬の場合は、飼い主もかなりの体力を使いますので、休憩できる場所があったり、家から近い散歩コースを選びましょう。

■車椅子を使う

犬の下半身が麻痺している場合は、犬用の車椅子を使う方法もあります。少し動かせる場合には車椅子を使うことで、リハビリテーションになります。最近では、犬の介護用品の開発も進み、後ろ足用だけでなく、前足用や四肢用も制作されています。サイズやデザインなど犬に合うようにオーダーメイドも可能です。犬の状態などに合わせて最適なものを選択するとよいでしょう。

外出前には筋肉をほぐすマッサージを

急激に体を動かすことは、犬にとって大きな負担となります。屈伸などの軽い運動や筋肉をほぐすマッサージなどをして、動かしやすくしてあげましょう。筋肉をほぐしておくことや体を温めておくことは、転倒防止や怪我の予防にも繋がります。ただ、マッサージをする場合には力を入れ過ぎないことが大切です。

■足の運動とマッサージ

各足をゆっくりと曲げ伸ばしします。犬の関節は縦方向にしか動かないため、縦方向に動かします。各足を20回程度ずつ動かします。その後、やさしくマッサージをします。

■肉球のマッサージ

各足の肉球をやさしく押して、マッサージしてほぐします。指先の肉球から順番に行います。肉球が温かくなるまで続けます。

室内の床も滑りにくい素材に

足腰が弱くなると力が入らないため、踏ん張れなくなります。滑りやすい床の場合は、怪我をしないように注意が必要です。天気が悪い日が続いた場合には、家のなかで歩かせてあげることも必要です。滑り止めのシート等を敷いて、室内でも滑らないように工夫をしてあげましょう。

まとめ

歩くことは愛犬の生きる力になります。自力で歩けるように飼い主が補助をして、愛犬の「歩きたい」という気持ちを応援してあげましょう。きっと愛犬も笑顔になることでしょう。

次回は「排泄の介護」についてお伝えする予定です。

[編集部]