ヒョウのような美しい被毛が際立つベンガル

[2019/12/09 6:01 am | 編集部]

ペトハピ編集部が実際に取材し、自信をもって紹介できる “健全なブリーダー” です。 掲載基準はこちらからご覧いただけます。

猫種:ベンガル
猫舎名:LIBERTYBELL(リバティベル)
ブリーダー/動物取扱責任者名:石澤 浩
登録情報:北信保健所指令29第88-10004901号(販売)、第88-10005002号(保管)
繁殖歴:3年
住所:長野県飯山市
電話:070-4813-5335
メール:libertybellbengalcat@gmail.com
Webサイト:https://www.libertybellbengalcat.com

長野県飯山市の田園風景が美しい丘の上にある「LIBERTYBELL(リバティベル)」。ここは、野性味溢れるベンガルを繁殖しているキャッテリーです。自宅兼猫舎という一般家庭のなかでの繁殖で、猫たちは自由にのびのびと暮らしています。数年前のある日、ペットショップでベンガルの子猫に出会います。「こんなヒョウ柄の猫がいるなんて今まで知らなかった」という驚きとともに、一瞬でその姿に魅了されたのでした。飼うからにはベンガルという猫を知る必要があると考え、いろいろ調べ始めました。そのなかであるブリーダーに出会い、ベンガルについて学ぶうちにブリーダーになることを考え始めます。

そんなとき、TICA(The International Cat Association)傘下のクラブで開催されたベンガルの勉強会に誘われ、キャットショーにも出陳する機会を得ました。しかし、その際に出陳した猫への評価は散々なものでした。前日に行われた他団体のショーでは高い評価であっただけに、世界規模のクラブとの大きな差を知ることになりました。その悔しさから「いつかTICAのショーで高い評価をされる猫を産出したい」と、さらにベンガルについての知識を深めていきます。そこから本格的にTICAのスタンダードに沿ったブリーダーとしての道がスタートしました。

「まだTICAのブリーダー歴が長くはないので、わが家の猫のタイプについては探究し続けていますが、細かいロゼットを持つ美しいベンガルの産出を目指しています」と石澤ブリーダー。ブリードに対する高い意識と熱意を持ったブリーダーです。
TICA(The International Cat Association)は純血種および家庭猫(ハウスホールドペットキャット)の世界最大の血統登録機関であり、かつキャットショー公認機関としても世界最大の団体のひとつです

ベンガルの特徴と魅力

ベンガルは1960年代にアジアンレパードと家猫の交配から始まりました。しかし、この研究は成果を見せたものの、一代限りで途絶えてしまいます。その後、1970年代の後半に猫の白血病の研究のためにアジアンレパードと家猫を交配させたことをルーツとして、さまざまな交配が繰り返えされました。

その努力により、1980年代にベンガルが確立されました。この交配にはロゼット模様の野生の猫も含まれていました。また、同じころにエジプシャンマウとレパードキャットからの交配でもベンガルが確立されました。美しいブラウンスポットの被毛を持ったベンガルは、こうして誕生したのです。TICAで公認されたのは1991年のことでした。以来、ベンガルの野性味溢れる容姿と穏やかな性格は、そのアンバランスさから世界中で愛される猫種となっています。

野生の血を脈々と受け継ぐベンガルは、容姿はとてもワイルドです。とりわけ注目されるのは、被毛が持つ美しい模様です。それはスポット、ロゼット、マーブルの3つに分類されます。ゴージャスな被毛はとても柔らかく、シルクのような光沢があります。ボディや四肢は筋肉質でバランスがよく、首も長くてがっしりしています。

頭部は体に対して小さめで、丸みのあるくさび形をしています。強固な顎と幅広の長い鼻を持っています。目はほぼ円い卵型で、やや傾いて、離れてついています。野生の猫に見られるようなマスカララインが特徴的です。耳は中くらいで短く、根元が広く、先端は丸みをおびています。体重は個体差があり、平均的に3.5~7kgといわれています。動きは機敏で、強固な四肢から並外れたジャンプ力を持っています。野性的な外見から人に懐かないのではと思われがちですが、性格は愛らしく、温厚で人懐っこい猫です。

「わが家のベンガルは“超”が付くほど人懐っこく、甘えん坊なのが自慢です。初めて会う人にも全員ですり寄っていきます。猫の性格はつくることができると考えているので、誰にでも人懐っこくなるよう日々触れ合うこと、また生活音とともに過ごさせることがその形成に役立っています。つねに人の傍にいるような愛らしいベンガルを育てています」と石澤ブリーダー。

確かに、リビングにいた成猫はみんなで出迎えてくれました。つねに人に近い位置にいて、性格の穏やかさを感じました。石澤ブリーダーが手塩に掛けて育てていることが伺えます。

飼育環境

自宅兼猫舎は、大自然に囲まれた田園風景のなかにあります。なだらかな丘の上部に位置し、窓からの眺めが素晴らしい穏やかな環境です。1Fの広々としたリビングが猫たちの主な生活空間です。リビングの横には女の子の部屋、2Fには男の子の部屋があります。基本的に家のなかは自由に行き来できるようになっているので、猫たちはのびのびとストレスフリーで過ごしています。

リビングにはキャットタワーやキャットウォークが設置されていて、充分な運動ができるように工夫されています。各部屋にはケージがいくつか設置してあり、必要に応じて使用されています。床はフローリングにクッションフロアが敷かれていて、掃除がしやすく工夫されています。空調はエアコン、空気清浄機、ファンヒーターを各部屋に完備し、季節に応じて使用しています。除菌・消臭は次亜塩素酸水を使用。ニオイ対策として脱臭機も稼働させています。

「このあたりは冬場には雪が深いので、窓は2重サッシでペアガラスにしています。さらにプラダン(プラスチック製の段ボール)を窓に貼って寒さ対策をします」と石澤ブリーダー。ときには電気毛布も使用するそうです。乾燥する季節には加湿器も稼働させます。逆に、夏場は涼しいので、窓を開けるなど自然に近い環境づくりを心がけています。室内は嫌なニオイはまったくなく、清潔な環境が保たれています。猫たちが安心して暮らせる快適な飼育環境です。

ブリードの考え方

「わが家が目指しているのは、性格がよく、細かい美しいロゼットを持つベンガルの産出です。現在はすべてアウトブリード(異系交配)です。ラインブリード(系統交配)するのは、もう少し深く学んでから挑戦したいと考えています。いつかは、ひと目見て“LIBERTYBELLのベンガル”とわかるような猫を産出したいです」と石澤ブリーダー。

健全であることはもちろんですが、TICAのスタンダードに沿ったベンガルの魅力の一つである体の模様と性格に強いこだわりをもった繁殖をしています。キャットショーや勉強会に定期的に参加し、国内はもとより海外のブリーダーと交流を持ちながら、つねに知識を高めるよう努めています。ブリーダー歴は長くはありませんが、深い知識、熱意と向上心をもった信頼できるブリーダーです。

遺伝的疾患についての対応

「ベンガルは比較的新しい猫種であるため、現在のところ特有の遺伝子疾患はありません。稀に進行性網膜萎縮症(PRA)が症例がありますが、わが家の血統では発症していません。現状では、多くの猫種で必要とされているピルビン酸キナーゼ欠損症の検査を全頭に行い、問題ないことが証明されています。また、わが家はアウトブリード(異系交配)が中心なので、より遺伝的疾患を継承しにくい繁殖です」と石澤ブリーダー。

しかし、今後、特有の疾患が表れる可能性はゼロではないので、遺伝的疾患については注意深く見守る必要があると考えています。そのほか、毎年のワクチン接種時にしっかりとした健康診断を行っています。もちろん、その時点で問題があれば交配はしません。飼い主にとって、とても信頼できる対応をしています。

引き渡しまでの生活環境

母猫の出産が近くなると、好きな場所を選んでもらえるように、産箱をいくつか部屋に置きます。母猫は自分の好きな産箱を選んで、石澤ブリーダーに見守られながら安心して出産をします。その後、子猫たちは離乳の時期までその産箱のなかで過ごし、すくすくと育っていきます。生後1カ月を過ぎて足腰がしっかりとしてくると、1Fの女の子の部屋に移動します。そこで自由に動き回り、母猫や兄弟姉妹と楽しく過ごします。

成長とともに行動範囲もリビングまで広がり、ほかの猫たちとも交流を持つようになります。人懐っこく育つように、できるだけ人と接し、触れられることにも慣らします。テレビや掃除機の音など、さまざまな生活音のなかで過ごすことで社会性を身に付けていきます。

離乳食は生後1カ月からスタートします。初めはペースト状のフードを与えます。その後、成長とともにドライフードに切り替えていきます。1回目のワクチン接種は生後60日。2回目のワクチン接種は3週間後に行います。お引き渡しは体重が1キロを超えていることを目安にしています。すでにオーナーが決まっている場合は、3回目のワクチン接種をしてから迎えるか相談をしながら決めています。こうして、しっかりと社会性を身に付けた子猫たちは、新しい飼い主のもとへ巣立っていきます。

しつけ・お手入れ・アフターフォロー

「わが家では毎日、すべての猫に触れるようにしています。親の性格は子猫にも引き継がれるので、まずは親猫たちの性格形成を徹底しています。人に慣らすこと、生活音に慣らすこと。人の出入りも気にしないほど慣れてくれることが望ましいです」と石澤ブリーダー。

オーナーが困ることがないように社会性を身に付けてからお引き渡しをしています。お引き渡し時には、一緒に暮らしていくうえでのポイントを説明をしています。お引き渡し日から6カ月後、1年後には必ず連絡を入れ、近況を聞くようにしています。また、LINEのグループで日々のさまざまな相談に応じています。生涯に渡ってきめ細かいサポートをしています。

猫舎トピックス

小さなキャッテリーで、常時子猫が産まれているわけではありません。興味のある方はお気軽にお問い合わせください。ベンガルについて知りたい方も大歓迎です。

[編集部]