短い足で一生懸命走る姿がキュートなマンチカン

[2016/09/30 9:00 am | 編集部]

ペトハピ編集部が実際に取材し、自信をもって紹介できる “真の優良ブリーダー” です。
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猫種:マンチカン
猫舎名:Cattery Ammycrystal(キャッテリー アミ―クリスタル)
ブリーダー/動物取扱責任者名:田口明美/田口紀孝/田口紀美江
登録情報:第11-1-14号(販売)
繁殖歴:40年
住所:千葉県柏市大津ヶ丘
電話:047-191-0171 FAX:047-191-0171
メール:akemi27@jcom.home.ne.jp
Webサイト:http://ammycrystal.ciao.jp/

千葉県・柏市の閑静な住宅地の中にある「Cattery Ammycrystal(キャッテリー アミ―クリスタル)」。一般家庭の中での繁殖で、猫たちはリビングを中心に暮らしています。「つねに人と一緒に過ごしているので、自然に人懐っこい、甘えん坊になっていきますね」と田口ブリーダー。約40年前に、知人より純血種の子猫を譲り受けたことをきっかけに、その美しさに魅了され、その子猫が見たいという自然の流れで、ブリーダーとしての道がスタート。その後、マンチカンに出会い、キャットショーに参加し、評価を受けた猫を中心に繁殖。マンチカンロングヘアーとショートヘアの繁殖で、よりスタンダードに近い子猫の産出に努めています。長年の経験と知識を生かした繁殖は、多くの飼い主から信頼を得ています。リピーターの多い猫舎です。

マンチカンの特徴と魅力

マンチカンという猫種はほかの猫種に比べると歴史が浅いのですが、突然変異として産まれた短足猫は、古くからその存在が知られていました。しかしながら、本格的な繁殖が始まったのは1983年のこと。1頭の短足の猫が発見され、さまざまな研究の結果、短足であっても遺伝学上において健康体であることが確かめられたからです。その後も健康体であるかどうかの論争は巻き起こりましたが、1995年ザ・インターナショナル・キャット・アソシエーション(TICA)によって新種と認定されました。その特徴は何といっても短い足。一生懸命に歩く姿は本当に愛らしく、多くの人を魅了し続けています。短い足はハンディキャップではなく、むしろスピードとコーナリングにすぐれた威力を発揮。動きは機敏で、好奇心旺盛に動き回ります。

「走るときにバランスをとるために尻尾をフリフリする様子がたまらなく可愛いです。性格も明るく、外交的なので多頭飼育にも向いています」と田口ブリーダー。体は筋肉質で、肩幅ががっしりとしています。その歩く後姿は確かに「キュート」という表現がぴったりです。身体能力はふつうの猫と変わらないため、高いところにも平気で飛び乗るのには驚きます。容姿からは想像できない身体能力を持つマンチカン。とても人気の高い猫種です。

飼育環境

自宅兼猫舎は静かな環境の住宅街にあります。玄関から続く廊下には、キャットショーで評価された盾やリボンが数多く並んでいて圧巻です。猫たちは人とともに生活する1Fのリビングと、2つの飼育部屋で過ごしています。リビングには猫のために工夫を凝らしたキャットタワーなどが設置され、短い足でも活発なマンチカンも満足できる楽しい空間になっています。

エアコンは部屋ごとに設置され、季節により快適な温度に調整されます。大型の多機能空気清浄機も設置され、除菌・消臭も考えられています。また、玄関からリビングに入る扉は開けなくても換気ができるようなリフォームがなされています。2つの飼育部屋にはケージが設置されていて、必要に応じて使用しているそうで、猫が過ごしやすいように改良されているケージもあります。長年の繁殖経験を十分に生かした飼育環境となっています。

ブリードの考え方

「わが家では母猫の健康面を考えて、出産から出産まで最低7カ月は間隔をあけるようにしています。帝王切開した場合には10カ月~1年です」と田口ブリーダー。猫舎では雌猫だけを保有しているため、交配はすべて外交配になります。お相手となる雄猫を探すのはとても難しいそうです。スタンダードにより近くなるような交配を望んでいるため、雌猫はすべてキャットショーで評価を受けた猫。そのお相手の雄猫にも同じような条件を望んでいます。

「TICAではキャットショーに参加するためにはナンバーの取得が必要です。しかし、その資格を得るためには、3世代にわたりマンチカン同士の繁殖で産まれたマンチカンにしか認められていません。お相手を探すのは本当にたいへんですが、マンチカンという種の保存を考え、健康でタイプのよい子猫を産出するために、妥協をせずに探しています」と田口ブリーダー。ほかにも、各種の勉強会やブリーディングシンポジウムに参加したり、ネットで情報を検索したりするなど、猫の繁殖に必要な最新情報をつねに収集しています。約40年のベテランブリーダーであっても、なお学び続ける姿勢には頭が下がります。その熱意が素晴らしい子猫の産出につながっているのでしょう。

※TICAはほかの純血種との交配を認めていません。それは、ほかの猫種の骨格などに関する遺伝因子との交雑や、遺伝的疾患の遺伝因子の危険を避けるためと言われています。たとえば、TICAはマンチカンの耳のスタンダードとして「立ち耳」と定めています。マンチカンとスコティッシュフォールド、マンチカンとアメリカンカールを交配させた折れ耳やカールした耳の短足猫が「マンチカン」という血統猫で販売されていることがありますが、TICAは公認していません。たとえ血統書が発行されていたとしても、世界的にはミックス猫と判断されます。そして、もっとも懸念されるのが、健康的にも問題のある子猫が産まれるリスクが高いということです。マンチカンの交配はしっかりとした知識がなければ難しく、不幸な子猫を産出しないためにも、素人の繁殖は絶対にしてはいけません。

遺伝的疾患についての対応

マンチカンは遺伝的疾患の少ない猫と言われています。正しい認識のもとで繁殖して産まれた子猫であれば、遺伝的疾患において大きな心配はいらない猫種と言えます。「わが家では今まで遺伝的疾患を持つ子猫は出ていませんので、特に親猫の遺伝子検査はしていません。万が一、問題があればすぐに対応します」と田口ブリーダー。その分、毎年のワクチン接種時には、血液検査を含めた健康診断を受けて、親猫の万全な状態を保ちながら繁殖をしています。

引き渡しまでの生活環境

出産が近くなるとリビングに産室が設置されます。母猫はそこで田口ブリーダーに見守られながら出産をします。子猫が自分で動けるようになると、産室の入口を開放して、リビングに出て自由に遊べるようにします。子猫たちに危険がないように、家具の隙間や下には入れないように工夫がなされています。出産日から朝晩2回体重測定を行い、成長を完全管理。体重の伸びが少ない場合には哺乳をしていきます。

そして、飼い主が決まった時点で名前をつけてもらい、以降は田口ブリーダーと家族全員で名前を呼んで育てています。生後50日で1回目のワクチン接種。その後、2~3日後から直接のお迎えであれば引き渡しが可能。空輸の場合は生後60日以降の引き渡しです。その時期まで田口ブリーダーと家族、親猫の深い愛情を受けながら、兄弟姉妹と過ごし、社会性を身に付けていきます。また、リビングで過ごすことで、ごく自然に人間との共生に慣れていきます。人懐っこい性格も、この環境から形成されるのでしょう。こうして子猫たちはすくすくと育ち、新しい飼い主のもとへ巣立っていきます。

しつけ・お手入れ・アフターフォロー

「マンチカンはお手入れが簡単です」と田口ブリーダー。ただ、長毛・短毛により個体差がありますので、それにあわせた被毛のお手入れが必要です。スキンシップの意味も含めて、定期的にシャンプーをしてあげましょう。とても好奇心旺盛な猫種なので、飼育スペースの工夫や、飼い主が一緒に遊んであげる時間をつくるとよいでしょう。また、足が短いので太りすぎると腰に負担がかかり、まれに椎間板ヘルニアを患うことがあります。適正な体重を維持するように気を付けましょう。猫の生涯に渡って、長年の経験をいかした的確なアドバイスをしてくれるので、安心して子猫を迎えることができます。

猫舎トピックス

前述したように、母猫の健康面を考えて期間をあけて繁殖をしているため、常時、子猫がいるわけではありません。この猫舎のマンチカンに興味のある方はWebサイトをご覧いただき、こちらのメールフォームからお問い合わせください。

[編集部]