その容姿と性格から“ぬいぐるみ”と名付けられたラグドール

[2016/09/16 6:00 am | 編集部]

ペトハピ編集部が実際に取材し、自信をもって紹介できる “真の優良ブリーダー” です。
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猫種:ラグドール
猫舎名:Cattery Ammycrystal(キャッテリー アミ―クリスタル)
ブリーダー/動物取扱責任者名:田口明美/田口紀孝/田口紀美江
登録情報:第11-1-14号(販売)
繁殖歴:40年
住所:千葉県柏市大津ヶ丘
電話:047-191-0171 FAX:047-191-0171
メール:akemi27@jcom.home.ne.jp
Webサイト:http://ammycrystal.ciao.jp/

千葉県・柏市の閑静な住宅地の中にある「Cattery Ammycrystal(キャッテリー アミ―クリスタル)」。一般家庭の中での繁殖で、猫たちはリビングを中心に暮らしています。「つねに人と一緒に過ごしているので、自然に人懐っこい、甘えん坊になっていきますね」と田口ブリーダー。約40年前に、知人より純血種の子猫を譲り受けたことをきっかけに、その美しさに魅了され、その子猫が見たいという自然の流れで、ブリーダーとしての道がスタート。その後、ラグドールに出会い、キャットショーに参加し、評価を受けた猫を中心に繁殖。よりスタンダードに近い子猫の産出に努めています。長年の経験と知識を生かした繁殖は、多くの飼い主から信頼を得ています。リピーターの多い猫舎です。

ラグドールの特徴と魅力

ラグドールは1960年代にアメリカ在住のベーカー氏が、ペルシャとバーマンを交配し、産まれた子猫にバーミーズを交配して誕生したと言われています。その愛らしい容姿から名付けられた名前が、“ぬいぐるみ”の意味を持つラグドール。おとなしくじっとしていることが多い性格からも、その名がふさわしい猫種です。また、美しいサファイヤブルーの目は多くの人を魅了し、高い人気を得ています。大きく丸みのあるがっちりとしたボディ、骨太の四肢、シルクのようなフワフワな毛並みが特徴的です。体重は4~7kgと大型で、ゆっくりと成長し、完全なサイズになるまで3年はかかると言われています。

「わが家のラグドールは瞳が美しく、毛量も多く、毛質がやわらかいと言われます。性格もよく、おとなしく、鳴くことはほとんどありません。長毛種の中でも、とても飼いやすい猫種なので、初心者の飼い主にオススメです」と田口ブリーダー。狩猟本能もあまりないようなので、引っかいたりすることも稀だそうです。

ラグドールの被毛のパターンは4つありますが、アミ―クリスタルでは、四肢の先、胸やお腹、顔の中央の逆さのVマーク部分が白いバイカラーにこだわりを持ち、その中でもブルーポイントバイカラーのみを繁殖しています。その姿を見ていると、「穏やか」「やさしい」「暖かい」という印象を持ち、自然に心がなごんできます。猫とのゆったりとした時間を求めている人には、ぴったりの猫種だそうです。

飼育環境

自宅兼猫舎は静かな環境の住宅街にあります。玄関から続く廊下には、キャットショーで評価された盾やリボンが数多く並んでいて圧巻です。猫たちは人とともに生活する1Fのリビングと、2つの飼育部屋で過ごしています。リビングには猫のために工夫を凝らしたキャットタワーなどが設置され、大型のラグドールも満足できる楽しい空間になっています。

エアコンは部屋ごとに設置され、季節により快適な温度に調整されます。大型の多機能空気清浄機も設置され、除菌・消臭も考えられています。また、玄関からリビングに入る扉は開けなくても換気ができるようなリフォームがなされています。2つの飼育部屋にはケージが設置されていて、必要に応じて使用しているそうで、猫が過ごしやすいように改良されているケージもあります。長年の繁殖経験を十分に生かした飼育環境となっています。

ブリードの考え方

「わが家では母猫の健康面を考えて、出産から出産まで最低7カ月は間隔をあけるようにしています。帝王切開した場合には10カ月~1年です」と田口ブリーダー。猫舎では雌猫だけを保有しているため、交配はすべて外交配になります。お相手となる雄猫を探すのはとても難しいそうです。スタンダードにより近くなるような交配を望んでいるため、雌猫はすべてキャットショーで評価を受けた猫。そのお相手の雄猫にも同じような条件を望んでいます。

「お相手を探すのはたいへんですが、健康的でタイプのよい子猫を産出するために、妥協をせずに探します」と田口ブリーダーは話します。その中で、信頼の置けるブリーダーに交配をお願いしているそうです。ほかにも、各種の勉強会やブリーディングシンポジウムに参加したり、ネットで情報を検索したりするなど、猫の繁殖に必要な最新情報をつねに収集しています。約40年のベテランブリーダーであっても、なお学び続ける姿勢には頭が下がります。その熱意が素晴らしい子猫の産出につながっているのでしょう。

遺伝的疾患についての対応

ラグドールは遺伝的疾患の少ない猫と言われています。しかしながら、近年わかったことですが、ラグドールの作出途中の祖先猫の中にペルシャがいるため、「HCM(肥大性心筋症)」という遺伝的疾患を持つ猫がいると言われています。成長とともに心臓を取り囲む筋肉が徐々に厚みを増していくため、心臓の動きが悪くなり、やがて「心不全」「貧血」「血栓」などを起こし、突然死を招くこともある病気です。ラグドールの場合は海外の検査機関にDNAを採取して送れば、その遺伝子を持っているかどうかの検査ができます。

「わが家では今までこのような遺伝的疾患を持つ子猫は出ていませんので、特に親猫の遺伝子検査はしていません。万が一、問題があればすぐに対応します」と田口ブリーダー。そのため、毎年のワクチン接種時には、血液検査を含めた健康診断を受けて、親猫の万全な状態を保ちながら繁殖をしています。

引き渡しまでの生活環境

出産が近くなるとリビングに産室が設置されます。母猫はそこで田口ブリーダーに見守られながら出産をします。子猫が自分で動けるようになると、産室の入口を開放して、リビングに出て自由に遊べるようにします。子猫たちに危険がないように、家具の隙間や下には入れないように工夫がなされています。出産日から朝晩2回体重測定を行い、成長を完全管理。体重の伸びが少ない場合には哺乳をしていきます。

そして、飼い主が決まった時点で名前をつけてもらい、以降は田口ブリーダーと家族全員で名前を呼んで育てています。生後50日で1回目のワクチン接種。直接のお迎えであれば、2~3日後から引き渡しが可能。空輸の場合は生後60日以降の引き渡しです。その時期まで田口ブリーダーと家族、親猫の深い愛情を受けながら、兄弟姉妹と過ごし、社会性を身に付けていきます。また、リビングで過ごすことで、ごく自然に人間との共生に慣れていきます。人懐っこい性格も、この環境から形成されるのでしょう。こうして子猫たちはすくすくと育ち、新しい飼い主のもとへ巣立っていきます。

しつけ・お手入れ・アフターフォロー

「ラグドールは中毛種です、と説明しています。中くらいの長さの毛が、密集して生えているダブルコートなのです」と田口ブリーダー。豪華でシルキーな被毛ですが、毛玉になりにくく、お手入れは比較的に簡単です。3日に1回程度のブラッシングでOK。スキンシップの意味も含めて、定期的にシャンプーをしてあげるいいそうです。とても甘えん坊な猫なので、飼い主が一緒に遊んであげる時間をつくるとよいとのこと。猫の生涯にわたって、長年の経験をいかした的確なアドバイスをしてくれるので、飼い主は安心して子猫を迎えることができます。

猫舎トピックス

前述したように、母猫の健康面を考えて期間をあけて繁殖をしているため、常時、子猫がいるわけではありません。興味のある方はWebサイトをご覧いただき、メールフォームでお問い合わせください。

[編集部]