大型犬でも愛らしく優雅なスタンダードプードル

ペトハピ編集部が実際に取材し、自信をもって紹介できる “真の優良ブリーダー” です。 掲載基準はこちらからご覧いただけます。

犬種:スタンダードプードル
犬舎名:Triangle Kennel(トライアングル犬舎)
ブリーダー/動物取扱責任者名:山廣暁美
登録情報:福山市指令保生 第198008号(販売)第198009号(保管)
繁殖歴:15年
住所:広島県福山市
TEL:084-991-3165
Webサイト:http://dogsalon-triangle.com

広島県福山市にある「Triangle Kennel(トライアングル犬舎)」。大通りから近い静かな住宅地に自宅・店舗・犬舎があります。ここはスタンダードプードルを繁殖している犬舎です。約15年前、トリマーを目指していた山廣ブリーダーには、トリミングの技術を習得するモデル犬を探していました。モデル犬を持つのであればよい犬をと考え、有名犬舎よりトイプードルを迎えることにしました。その後、ブリーダーとしての道を歩きますが、そのなかである出会いがありました。

「仲良くしていたブリーダーがスタンダードプードルの繁殖を始めて、子犬を見る機会があったのです。子どものころから大型犬に憧れていたので、ペットとして迎えることにしました。その愛らしさに触れて、やはり子犬を産出してみたいという思いが募り、5年前に繁殖をスタートしました」と山廣ブリーダー。スタンダードプードルは大きいぶんだけ飼育や管理は大変ですが、その存在感は格別だと話します。これからもその魅力を多くの人に伝えたいと、日々奮闘している熱意あるブリーダーです。

スタンダードプードルの特徴と魅力

スタンダードプードルは、その愛らしい外見から狩猟犬というイメージはありませんが、じつは水鳥の狩猟のために改良されたもっとも古い犬種のひとつです。一般的にスタンダードプードルはフランスが原産と考えられていますが、ほかの国々においてもいろいろな説があり、その起源ははっきりしていません。しかし、フランスにおいては使役犬として荷車を引いたり、泳ぎが得意であったので鴨猟の回収犬として活躍し、「カニッシュ(鴨を取る犬)」と呼ばれていました。プードルの独特なカットは狩猟に適するように始められたといわれています。その後、イギリスやフランスで小型化が進められ、さまざまな大きさのプードルが作出されました。

スタンダードプードルは、体長と体高がほぼ同じというスクエアの構成で、跳ねるような軽快な足運びが特徴的です。細い手足と小さな顔を持ち、とても愛らしく優雅な印象です。被毛は強い巻き毛で、抜け毛が少なく、体臭もほとんどありません。性格はとても聡明で、運動能力が高く、好奇心旺盛です。高度な訓練にも耐えられる素質があり、障害物を使用したアジリティや競技も得意です。ほぼ原型を失わずに現在まで受け継がれてきたので、健康的で丈夫な個体が多いとされています。

「スタンダードプードルは大型犬なので、小型化されたプードルに比べてエレガントさがより際立ちます。また、その大きさから存在感は半端ないです」と山廣ブリーダー。確かに、パッと見ただけで目を引くエレガントさと存在感があります。また、どの子も明朗快活で健康的です。健全性を追求しながら、繁殖に尽力していることが伺えます。

飼育環境

犬たちが生活する場所は、山廣ブリーダーの自宅のリビングを中心とした部屋になります。つねに一緒に生活をしていて、何かあればいつでも対応できるようにしています。床や壁は拭き取り可能な素材を使用していて、1日数回の清掃で清潔に保たれています。エアコンは夏・冬に関しては温度を確認しながら稼働していますが、空気清浄機等は使用せず、窓を開けて新鮮な空気を取り入れるようにしています。

「毎日の掃除は徹底していて、掃除のあとアルカリ性の水で拭き取りをしています。化学的な薬剤はあまり使用したくないので、こまめに清掃を行うことで除菌・除臭をしています」と山廣ブリーダー。

室内は気になるニオイはなく、清潔な空間となっています。スタンダードプードルに必要な被毛のお手入れも、経営するトリミングサロンのプロのトリマーが行い、犬たちはつねにキレイで清潔な状態を保っています。そのほか、トリミングサロンと自宅の真ん中には全天候型のドッグランが設置され、日々犬たちはそこで運動をし、健康的にストレスなく過ごしています。

ブリードの考え方

「ジャパンケンネルクラブ(JKC)のスタンダードに沿った骨格構成、また、顔立ちの美しさ、気性のよさを追求しています」と山廣ブリーダー。ドッグショーに自分の繁殖した犬を出陳するのも、自己評価だけでなく、第三者に客観的にスタンダードに沿っているかどうか評価してもらうためと話します。

「スタンダードプードルは手入れも管理も大変でドッグショーに簡単に出せる犬種ではありません。そのため、今はときどきしか参加できていませんが、経営しているトリミングサロンがあらゆる面で軌道に乗ってきたら、ショーに走ってみたいという夢があります」と山廣ブリーダー。

現在は親犬の頭数も少なく、繁殖はラインブリード(系統交配)が中心です。最近はフードについて勉強をし、ドッグフードだけでは不足する栄養素などを食材から取ることを推奨しています。基礎の体づくりを考えるうえで食材から栄養を取ることは重要で、繁殖に役立てるだけでなく、オーナーにも伝えて日々の健康をサポートしています。

遺伝的疾患についての対応

プードル全般に多い遺伝的疾患はPRA(進行性網膜萎縮症)で、発病すると徐々にものが見えにくくなり、やがては失明に至る眼疾患です。そして、パテラ(膝蓋骨脱臼)です。これは、膝蓋骨(膝のお皿)が本来の位置からずれ、歩行に問題が出る疾患です。

「わが家の犬たちはPRA(進行性網膜萎縮症)、vWD1(フォンウィルブラント病タイプI)、DM(変性性脊髄症)の遺伝子検査をしています。クリアな親犬だけで繁殖をして、できる限り不幸な子犬を産出しないよう努力しています。また、パテラ(膝蓋骨脱臼)については自分で見極めができるので、症状が出た場合には、その親犬はブリードラインからすぐに外します。100%とはいえませんが、わが家ではパテラは少ないと考えています」と山廣ブリーダー。

そのほか、健康状態を毎日確認すること、毎年のワクチン時に健康診断等を行うこと、最新の情報をつねに入手することを徹底しています。遺伝的疾患に対して、しっかりとした対応をしているブリーダーです。

引き渡しまでの生活環境

母犬は出産が近くなると、自宅のリビングの大きなケージに移動します。リビングに置かれたケージの産箱のなかで、山廣ブリーダーに見守られながら出産をします。その後、離乳の時期までは子犬たちはそのなかで過ごし、成長とともに、徐々に行動範囲を広げていきます。離乳食は生後1カ月から少しずつ始めていき、徐々にドライフードへと移行。生後2カ月で1回目のワクチン接種。マイクロチップも装着します。

「お引き渡しは生後2カ月の1回目のワクチン接種を終えてから可能となります。その時期までに母犬や兄弟姉妹と接することで、犬のルールを学び、社会性を身に付けていきます」と山廣ブリーダー。こうして、子犬たちはたくさんの愛情を受け、その後、新しい家族のもとへ巣立っていきます。

しつけ・お手入れ・アフターフォロー

「トリミングは1カ月に1回するのが理想的。それが無理という飼い主さんにはお譲りはしていません。スタンダードプードルは抜け毛が少ない犬種ですが、伸びすぎると毛玉ができてしまいます。美しくキレイで健康的な状態を保つにはトリミングは必要不可欠です。大型犬なので、しつけについてもしっかりと伝えています」と山廣ブリーダー。

引渡し時には、ブラッシング、しつけ、トリミングなどについて詳しく説明をし、飼い主さんに勉強してもらうそうです。引き渡し後のアドバイスやサポートはその犬の生涯に渡り行っているので、飼い主は安心して子犬を迎えることができます。

犬舎トピックス

山廣ブリーダーはトリマーA級ライセンスを持つとともに、フードや行動分析学等の知識が豊富で頼りになるブリーダーです。犬舎1Fでは、とても素敵な犬のトリミングサロン「Dog Salon TRIANGLE」を経営しており、物販もしています。詳細はWebサイトをご覧ください。