勇ましい虎の模様を持った魅力溢れるトイガー

ペトハピ編集部が実際に取材し、自信をもって紹介できる “健全なブリーダー” です。 掲載基準はこちらからご覧いただけます。

猫種:トイガー
猫舎名:LIBERTYBELL(リバティベル)
ブリーダー/動物取扱責任者名:石澤 浩
登録情報:北信保健所指令29第88-10004901号(販売)、第88-10005002号(保管)
繁殖歴:3年
住所:長野県飯山市
電話:070-4813-5335
メール:libertybellbengalcat@gmail.com
Webサイト:https://www.libertybellbengalcat.com

長野県飯山市の田園風景が美しい丘の上にある「LIBERTYBELL(リバティベル)」。ここは、トラのような容姿をしたトイガ―を繁殖しているキャッテリーです。自宅兼猫舎という一般家庭のなかでの繁殖で、猫たちは自由にのびのびと暮らしています。ベンガルの繁殖のためにさまざまな勉強をするうちに、明瞭でワイルドな縞模様をしたトイガ―に出会いました。ベンガルと家猫の間に産まれた子猫から改良が進められた猫種であったためか、何の躊躇もなく1頭目のトイガ―を迎えることになりました。

「ベンガルが好きな人はトイガ―にも必ず惹かれるはずです」と石澤ブリーダー。しかし、なかなかトイガ―を譲ってくれるブリーダーが見つかりませんでした。諦めかけたころ、女の子を譲ってもらう機会に恵まれます。その後にトラのような容姿の魅力溢れる男の子に出会い迎えることになりました。こうしてトイガ―のブリーダーとしての道がスタートします。現在はTICA(The International Cat Association)傘下のクラブのキャットショーに出陳しながら、知識の習得に努力をしています。ブリードに対する高い意識と熱意を持ったブリーダーです。
TICA(The International Cat Association)は純血種および家庭猫(ハウスホールドペットキャット)の世界最大の血統登録機関であり、かつキャットショー公認機関としても世界最大の団体のひとつです

トイガーの特徴と魅力

「トラのような容姿の猫をつくりたい」という思いは、多くのブリーダーの夢でもありました。そんな夢を叶えるがごとく、アメリカのブリーダーが開発をスタートします。しかし、トラのような縞模様を全身に施すことは容易ではありませんでした。試行錯誤を繰り返しながら、1980年代後半に現在のトイガ―が確立しました。

TICAで公認されたのは2007年のことでした。しかし、その後もよりトラの容姿に近づけるために現在もなお開発が続けられています。トイガ―という名前は、おもちゃ(トイ)のトラ(タイガー)だからということから名付けられました。

トイガ―はトラをミニチュアにしたようなリアルで迫力のある模様を持ちます。見た目がゴージャスな被毛は柔らかい短毛が密集していて、とても滑らかな手触りです。ボディや尻尾は長め、筋肉質で力強くパワフルな印象です。頭部はミディアムサイズで、パーツがはっきりとしていて丸みがあります。丸く強固な顎、長く幅広の鼻を持ちます。目はほぼ丸で、わずかに傾斜し奥まっています。丸く小さい耳は、頭の上ではなく側面に付いています。体重は個体差があり、平均3.5~5kgといわれています。動きは機敏でエネルギーが溢れています。性格は明るく従順で賢い猫です。野生の雰囲気と愛らしさの両方を満喫できます。

「わが家のトイガ―は性格がよく従順です。個体差があるとは思いますが、男の子でもスプレーはしません。飼いやすいことが自慢です。また、猫の性格はつくることができると考えているので、誰にでも人懐っこくなるよう日々触れ合うこと、また生活音とともに過ごさせることがその形成に役立っています。つねに人の傍にいるような愛らしいトイガ―を育てています」と石澤ブリーダー。

確かに、リビングにいたトイガ―は人懐っこく賢そうでした。つねに人の周りに寄ってきて、性格のよさを感じました。石澤ブリーダーが手塩に掛けて育てていることが伺えます。

飼育環境

自宅兼猫舎は、大自然に囲まれた田園風景のなかにあります。なだらかな丘の上部に位置し、窓からの眺めが素晴らしい穏やかな環境です。1Fの広々としたリビングが猫たちの主な生活空間です。リビングの横には女の子の部屋、2Fには男の子の部屋があります。基本的に家の中は自由に行き来できるようになっているので、猫たちはのびのびとストレスフリーで過ごしています。

リビングにはキャットタワーやキャットウォークが設置されていて、充分な運動ができるように工夫されています。各部屋にはケージがいくつか設置してあり、必要に応じて使用されています。床はフローリングにクッションフロアが敷かれていて、掃除がしやすく工夫されています。空調はエアコン、空気清浄機、ファンヒーターを各部屋に完備し、季節に応じて使用しています。除菌・消臭は次亜塩素酸水を使用。ニオイ対策として脱臭機も稼働させています。

「このあたりは冬場には雪が深いので、窓は2重サッシでペアガラスにしています。さらにプラダン(プラスチック製の段ボール)を窓に貼って寒さ対策をします」と石澤ブリーダー。ときには電気毛布も使用するそうです。乾燥する季節には加湿器も稼働させます。逆に、夏場は涼しいので、窓を開けるなど自然に近い環境づくりを心がけています。室内は嫌なニオイはまったくなく、清潔な環境が保たれています。猫たちが安心して暮らせる快適な飼育環境です。

ブリードの考え方

「わが家が目指しているのは、よりトラの容姿に近づけることはもちろんですが、性格がよく穏やかなトイガ―の産出です。現在はすべてアウトブリード(異系交配)です。ラインブリード(系統交配)するのは、もう少し深く学んでから挑戦したいと考えています」と石澤ブリーダー。

健全であることはもちろんですが、TICAのスタンダードに沿ったトイガ―同士での繁殖に強いこだわりを持っています。キャットショーや勉強会に定期的に参加し、国内はもとより海外のブリーダーと交流を持ちながら、つねに知識を高めるよう努めています。ブリーダー歴は長くはありませんが、深い知識、熱意と向上心をもった信頼できるブリーダーです。

遺伝的疾患についての対応

「トイガ―は比較的新しい猫種であるため、現在のところ特有の遺伝子疾患はありません。そのため、多くの猫種で必要とされているピルビン酸キナーゼ欠損症の検査を全頭に行い、問題ないことが証明されています。また、わが家はアウトブリード(異系交配)が中心なので、より遺伝的疾患を継承しにくい繁殖です」と石澤ブリーダー。

しかし、今後、特有の疾患が表れる可能性はゼロではないので、遺伝的疾患については注意深く見守る必要があると考えています。そのほか、毎年のワクチン接種時にしっかりとした健康診断を行っています。もちろん、その時点で問題があれば交配はしません。飼い主にとって、とても信頼できる対応をしています。

引き渡しまでの生活環境

母猫の出産が近くなると、好きな場所を選んでもらえるように、産箱をいくつか部屋に置きます。母猫は自分の好きな産箱を選んで、石澤ブリーダーに見守られながら安心して出産をします。その後、子猫たちは離乳の時期までその産箱のなかで過ごし、すくすくと育っていきます。生後1カ月を過ぎて足腰がしっかりとしてくると、1Fの女の子の部屋に移動します。そこで自由に動き回り、母猫や兄弟姉妹と楽しく過ごします。

成長とともに行動範囲もリビングまで広がり、ほかの猫たちとも交流を持つようになります。人懐っこく育つように、できるだけ人と接し、触れられることにも慣らします。テレビや掃除機の音など、さまざまな生活音の中で過ごすことで社会性を身に付けていきます。

離乳食は生後1カ月からスタートします。初めはペースト状のフードを与えます。その後、成長とともにドライフードに切り替えていきます。1回目のワクチン接種は生後60日。2回目のワクチン接種は3週間後に行います。お引き渡しは体重が1キロを超えていることを目安にしています。すでにオーナーが決まっている場合は3回目のワクチン接種をしてから迎えるか相談をしながら決めています。こうして、しっかりと社会性を身に付けた子猫たちは、新しい飼い主のもとへ巣立っていきます。

しつけ・お手入れ・アフターフォロー

「わが家では毎日、すべての猫に触れるようにしています。親の性格は子猫にも引き継がれるので、まずは親猫たちの性格形成を徹底しています。人に慣らすこと、生活音に慣らすこと。人の出入りも気にしないほど慣れてくれることが望ましいです」と石澤ブリーダー。

オーナーが困ることがないように、社会性を身に付けてからお引き渡しをしています。お引き渡し時には、一緒に暮らしていくうえでのポイントを説明をしています。お引き渡し日から6カ月後、1年後には必ず連絡を入れて、近況を聞くようにしています。また、LINEのグループで日々のさまざまな相談に応じています。生涯に渡ってきめ細かいサポートをしています。

猫舎トピックス

小さなキャッテリーで、常時子猫が産まれているわけではありません。興味のある方はお気軽にお問い合わせください。ベンガルについて知りたい方も大歓迎です。