犬種ランキング上位の常連、胴長短足のかわいいダックスフンド

[2016/09/27 6:00 am | 編集部]

ペトハピ編集部が実際に取材し、自信をもって紹介できる “真の優良ブリーダー” です。
掲載基準はこちらからご覧いただけます。

犬種:ダックスフンド
犬舎名:TECKEL YUMI KENNEL(テッケルユミ犬舎)
ブリーダー/動物取扱責任者名:大野由美子
登録情報:第10-印健福435-8号(販売)第10-印健福277-8号(保管)
繁殖歴:42年
住所:千葉県八街市上砂
電話:043-445-5597 FAX:043-445-5598
メール:teckel-yumi@kvj.biglobe.ne.jp
Webサイト:http://www.teckel-yumi.com/

千葉県・八街市にある「テッケルユミ犬舎」。田園風景が広がるのどかな場所に、自宅兼犬舎があります。ここは、スタンダードとミニチュアサイズのロングヘアーダックスフンドを繁殖している犬舎です。高校生のころ、友人からスタンダード・ダックスフンドの子犬を譲り受け、その犬がMIXであることが判明し純血種の意味を考えるようになったそうです。また、MIXではありましたが、その子犬を飼い続ける中で、ダックスフンドの魅力にもはまっていきます。その後、当時ではまだ珍しかったミニチュア・ダックスフンドを飼うのですが、自分が思っていたダックスフンドの容姿とは大きく違っていました。

「当時、スタンダード・ダックスフンドには素晴らしいタイプがたくさんいました。なぜスタンダードではこのレベルができるのに、ミニチュアではできないのかと思いました」と大野ブリーダー。それから、ダックスフンドについてのさまざまな文献や資料を読み、スタンダード・ダックスフンドのブリーダー宅に足を運ぶようになります。そして、自分の理想とするダックスフンドをつくりたいという思いが高まり、ブリードへの道がスタートしたのです。次世代に継承できればと、自分のポリシーを持ってブリーディングをしています。

ダックスフンドの特徴と魅力

ダックスフンドはとても古い歴史を持つ犬種で、古代エジプト時代の壁画にも似た犬が描かれています。犬種名のダックスフンドはドイツ語で「アナグマ犬」を意味し、アナグマを穴の中に追い込んで狩りをする使役目的で作出されました。穴の中でスムーズに動けるようにと胴長短足の体型に改良されたのです。引き締まった体格で、とても筋肉質です。現在では、スタンダード、ミニチュア、カニンヘンの3種類のサイズ、被毛もスムース、ロング、ワイヤーなどがあり、多くの人が愛玩犬として飼っている人気犬種です。性格も明るく快活、好奇心旺盛で、人の言葉を理解し表情を読み取る賢さが特徴です。

「ダックスフンドは猟犬として作出されているので、打てば響くような判断能力がある賢さを持っています。逆に言えば、判断能力があるため、自分がやりたくないと思ったことは絶対しないという頑固さもあります。接していると、人間と相対しているような感覚になります。また、それがダックスフンドの大きな魅力だと感じています」と大野ブリーダー。3~4歳になるころには、アイコンタクトがしっかりできるようになり、深い信頼関係が築けるそうです。初めて会う人にもじっと目を見つめて、確かに何かを語りかけてきます。こちらも人と会話をしているような感覚になり、思わず話しかけてしまいます。ダックスフンドを一度飼ってしまうと、この犬種からは離れられないと聞きますが、そんなところに理由があるのでしょう。また、性格もよく、健康であることもこの犬種のリピーターが多い理由です。

飼育環境

犬たちが主に生活するのは、自宅に併設された犬舎です。そこには、個別のクレートが設置されており、就寝時などに使用されています。また、シャンプー室やトリミング室も完備されているので、犬たちのコンディションはローテーションで整えられています。清掃もきちんとされていて、嫌なニオイもありません。犬舎とは別にパピールームも作られているのですが、現在は子犬たちが人の住居で生活しているため、老犬たちがのんびりと暮らしています。

「よりよい犬たちの飼育環境を求めて、6年前に東京都から移転しました。ここは八街市の中でも標高が高い位置にあるので、湿度が低く過ごしやすいのです。約600坪の土地を手に入れることができ、のどかな場所で犬たちとのんびり暮らしています」と大野ブリーダー。庭には犬舎からそのまま出られる広いドッグランがあるため、犬たちはフリー運動や日光浴を十分に楽しむことができます。さらに、屋根付きのウッドデッキもあり、夏にはそこで水浴びもできます。犬たちとの共生が十分に考えられた自宅兼犬舎です。

ブリードの考え方

「つねに勉強し、次世代によいものを残していきたいと考えています。ダックスフンドはドイツが原産国で、犬種標準(スタンダード)もそこから作られています。しかし、それが文章での表記であるために、国により受け取り方や解釈が違っているように思われます。同じ犬種標準(スタンダード)であっても、それぞれの国により重要視する部分が違うため、作出されるダックスフンドの形態の違いに顕れているように思います」と語る大野ブリーダーには夢があります。

ドイツ系、アメリカ系、イギリス系といった系列に縛られずに、正確な骨格構成、豊かな骨量、美しい被毛、勇敢、明朗、俊敏という猟犬であるダックスフンドの本来の性格や特性とスタンダードに基づいた理想のタイプを産出し、それを世界に認めてもらうということです。器用な日本人ならそれがつくり出せると力強く語ります。グローバルな考えを常に持ちながら、その夢に向かって、日々邁進しています。
※犬種標準(スタンダード)とは、各犬種の理想像を文章で書き表したものです。

遺伝的疾患についての対応

ダックスフンドに多いのは椎間板ヘルニアと言われています。背骨の間にある椎間板と呼ばれるクッションがつぶれて、変形し、それが近くの神経や脊髄を圧迫することで、痛みや麻痺、運動障害を起こす疾患です。「当犬舎では今まで椎間板ヘルニアを発症した子犬はほとんど出ていません。椎間板ヘルニアは後天的な飼い方による要素だけでなく、生まれ持った骨格構成的な要素や遺伝的な要素もあると考えています。その点を考慮したブリーディングを心がけていますし、譲渡後も飼い主には予防するためのアドバイスをし、常に成長を見守っています」と大野ブリーダーは話します。
遺伝的疾患を持つ犬を繁殖プログラムから外すのはもちろん、何か問題が起こった場合はブリーダーとして責任をもって対応しているそうです。

引き渡しまでの生活環境

母犬は寝室に置かれたケージの中で出産します。「出産から生後60日まで、子犬たちは母犬と一緒に過ごします。私がつねに見守れる状況にしているので、何かあればすぐにサポートできるようにしています」と大野ブリーダー。ギリギリまで母犬と一緒に過ごさせることにより、子犬たちはその時期に学ばなければならないことを母犬に教えてもらうそうです。母犬と大野ブリーダーの大きな愛情と手厚いサポートを受けながら、子犬たちはすくすくと育っていきます。生後65日ころに1回目のワクチンを接種し、その後、子犬たちはそれぞれの新しい家族のもとへ巣立っていきます。

しつけ・お手入れ・アフターフォロー

「お引き渡しをした生後2~3カ月は、もっとも子犬がやんちゃになってくる時期ですが、子犬は体力の限界を知らずに遊んでしまう場合があることから、きちんと時間を決めて遊ばせる必要があります。この時期の子犬は大体1日に16~17時間の睡眠を必要とします。しっかりと睡眠をとり、しっかりと遊ばせることが大切です」と大野ブリーダー。また、胴長短足のダックスフンドの場合は、体がしっかりしてくる前のこの時期、抱き方にも注意が必要です。被毛のお手入れは毛の長さにより多少違いはありますが、子犬の時期には、軽いブラッシングと汚れたら蒸しタオルで拭いてあげる程度でよいとのこと。成犬になると爪や足回りのカットは1週間に1度くらいが理想的ですが、シャンプーは2週間に1回程度で、汚れ具合に応じて行います。

犬舎トピックス

常時子犬が産まれているわけではありませんので、興味がある方はメールや電話等でお問合せください。大野ブリーダーはJKC公認の千葉西ワイズダックスフンドクラブの代表でもあります。クラブでは毎年研修会やダックスフンド単独展の開催など、ダックスフンド愛好家との交流を深めています。またJKC公認の審査員資格も所持しており、スタッフにはJKC公認のハンドラー教士もいます。この犬舎の犬に限らず、ドックショーでのハンドリングや一時預かりなどもしています。

[編集部]