アメリカで誕生した新犬種シルケン・ウィンドハウンド

[2016/08/02 6:00 am | 編集部]

ペトハピ編集部が実際に取材し、自信をもって紹介できる “真の優良ブリーダー” です。
掲載基準はこちらからご覧いただけます。

犬種:シルケン・ウィンドハウンド
犬舎名:B.D.S Hound
ブリーダー/動物取扱責任者名:手島 麻佐子
登録情報:第2081106(販売)第2081107(保管)
繁殖歴:10年
住所:山梨県北杜市高根町蔵原
FAX:0551-20-7037
メール:bdshound@mbe.nifty.com
Webサイト:http://bdshound.web.fc2.com/

山梨県・北杜市の豊かな自然に囲まれたB.D.S Hound。自宅兼犬舎の前には、大きな庭が広がります。ここは新しい犬種として紹介されているシルケン・ウィンドハウンドを繁殖している犬舎です。2008年にKCジャパン(日本社会福祉愛犬協会)が公認した犬種で、小型で美しいサイトハウンドを目指してつくられました。

すでにボルゾイの繁殖をしていた手島ブリーダーは、ボルゾイを視察する目的で行ったアメリカのショー会場で、初めてシルケン・ウィンドハウンドに出会います。以前からボルゾイの小型版のような犬を望んでいたため、手島ブリーダーはすぐに魅了されました。2年後、再びテキサスで開催されていたシルケンフェスタに参加。そこで出会ったブリーダーから交配可能な2頭を譲ってもらうことになりました。そこから日本初のシルケン・ウィンドハウンドの繁殖が始まったのです。

「譲っていただくまでにはとても苦労をしました。私の人柄や飼育環境などをすべて伝え、信用していただく必要がありましたから」と手島ブリーダー。シルケン・ウィンドハウンドは、まだまだ一般的には知られていない犬種です。手島ブリーダーは日本でのパイオニアとして、その魅力を多くの人に知ってもらえるよう、努力を続けています。

シルケン・ウィンドハウンドの特徴と魅力

シルケン・ウィンドハウンドは1975年に開発に着手し、約10年後にボルゾイとロングヘアードのウィペットとの掛け合わせにより、最初のシルケン・ウィンドハウンドが誕生しました。「絹のような美しい被毛をなびかせて走る犬」という名前の由来を持つ、小型~中型の視覚ハウンドです。体重は13~22kg程度で、容姿は小さなボルゾイです。折れ耳、サーベル形の垂れた尾、サイトハウンド体型をしています。被毛は長く、絹のような手触り。性格は明るく人懐っこいです。

「サイトハウンドの中において、このシルケン・ウィンドハウンドのサイズが日本の生活様式にとても合ってると思います」と手島ブリーダー。確かに、ボルゾイに魅了されていても大型犬であるため、飼うことをあきらめる人も多いと聞きますが、シルケン・ウィンドハウンドのサイズであれば、検討できるでしょう。また、とても賢く、しつけがしやすいということから、家庭犬としての魅力を十分に持った犬種と言えます。この犬舎のシルケン・ウィンドハウンドたちはとても人懐っこく、フレンドリー。来客者も大歓迎で迎えてくれます。きっとその愛らしさに魅了されることでしょう。

飼育環境

自宅兼犬舎は、フェンスで囲まれた傾斜のある広い土地の中にあります。併設されたウッドデッキの前には、その自然の傾斜をそのまま利用した庭&ドックランがあり、シルケン・ウィンドハウンドたちはそこでのびのびと過ごしています。「自由運動がメインですが、傾斜がある土地なので、自然と足腰が強くなります」と手島ブリーダー。自由気ままに、遊んだり、昼寝をしたり、本当にストレスフリーで過ごしています。天気の悪い日や夜は、自宅にある犬舎等で過ごします。手島ブリーダーはご自身の体調や犬を飼いたいという気持ちを考え、東京を離れ、この地に移住されたそうです。夏は涼しく、空気は新鮮。冬は雪も少なく、人にも犬にも快適な環境を選びました。のんびり、ゆったりと時間が流れていく犬舎です。子犬たちもそうした環境の中で、大らかな性格に育っています。

ブリードの考え方

「国内でシルケン・ウィンドハウンドの繁殖をしているのはここだけなので、少しでも遠い血統で交配し、欠点をなくすように努めています。骨格や構成もそうですし、性格についてもです。もちろん、健康であることにもこだわります。後世に続くような交配を心がけています」と手島ブリーダーは話します。現段階では、新しい親犬を迎えるためには、海外から輸入するしかないので、シルケン・ウィンドハウンドの魅力を広めてくれるブリーダーが増えてくれることを望んでいるそうです。パイオニアとしての手島ブリーダーの努力は続きます。

遺伝的疾患についての対応

シルケン・ウィンドハウンド特有の遺伝的疾患は今のところないそうです。歴史が浅いことや、まだまだ頭数が少ないこともあるかもしれませんが、顕著に表れているものはなく、強い犬種ということです。ただ、シルケン・ウィンドハウンドを作出する段階で引いてきたものがあります。ひとつめは、イベルメクチンに対する副作用が出やすい個体がいること。ふたつめは、コリーアイ(コリー眼異常)を遺伝している個体がいることから、MDR-1遺伝子検査とCEA検査を実施しています。

引き渡しまでの生活環境

子犬は生後2カ月、1回目のワクチン接種の時期まで、手島ブリーダーと親犬の愛情を受けながら兄弟姉妹と過ごします。離乳をするまでは、自宅の犬舎などで過ごしますが、その後、お庭&ドッグランにデビューします。「親犬やほかの成犬たち、兄弟姉妹と遊んだりしながら、少しずつ社会性を身に付けていきます。さまざまな経験をして学んでいきます。悪いことも教えてもらいますけどね(笑)」と手島ブリーダー。子犬たちは自然の中でたくさん遊び、すくすくと成長して、新しい飼い主のもとへ旅立ちます。

しつけ・お手入れ・アフターフォロー

「連絡をいただければいつでもアドバイスします」と飼い主には伝えているそうです。新しい犬種なので情報が少ないことを考えると、ブリーダーさんの手厚いアフターフォローがあるので、飼い主も安心して迎えられます。ふだんのお手入れは、気づいたときにブラッシングをしてあげるとよいそうです。毛量は比較的少ないほうですので、それほど毛玉にはならないようですが、換毛期には抜け毛が増えるのでブラッシングの頻度を増やしたり、シャンプーすると防げるそうです。

「運動は散歩だけでもよいのですが、ときどきは全力疾走ができるところで遊ばせてあげることが大切です」と手島ブリーダー。シルケン・ウィンドハウンドはサイトハウンドですから、走る姿がとても美しい犬種です。ドッグショーではその走りが審査の重要なポイントとなり、足運びなどの動きを見られます。犬種としての魅力を飼い主が理解し、日ごろの生活の中にも「走り」を取り入れてあげましょう。

犬舎トピックス

この犬舎にはシルケン・ウィンドハウンドのほかにもボルゾイ、ミニチュアダックスフンド(ロングへアード)が生活しています。現在、ボルゾイの繁殖はしていませんが、ミニチュアダックスフンドは不定期で繁殖をしています。タイミングが合えば、子犬に巡り合えるかもしれません。興味がある人はWebサイトをご覧になってみてください。また、実際に詳しい話を聞きたい人は、メールかFAXでお問い合わせください。

[編集部]