古代エジプト時代から愛されてきたアビシニアン

[2016/08/05 6:00 am | 編集部]

ペトハピ編集部が実際に取材し、自信をもって紹介できる “真の優良ブリーダー” です。
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猫種:アビシニアン
猫舎名:Cattery Ammycrystal(キャッテリー アミ―クリスタル)
ブリーダー/動物取扱責任者名:田口明美/田口紀孝/田口紀美江
登録情報:第11-1-14号(販売)
繁殖歴:40年
住所:千葉県柏市大津ヶ丘
電話:047-191-0171 FAX:047-191-0171
メール:akemi27@jcom.home.ne.jp
Webサイト:http://ammycrystal.ciao.jp/

千葉県・柏市の閑静な住宅地の中にある「Cattery Ammycrystal(キャッテリー アミ―クリスタル)」。一般家庭の中での繁殖で、猫たちはリビングを中心に暮らしています。「つねに人と一緒に過ごしているので、自然に人懐っこい、甘えん坊になっていきますね」と田口ブリーダー。約40年前に、知人よりアビシニアンの子猫を譲り受けたことをきっかけに、その美しさに魅了され、自然の流れでブリーダーとしての道がスタート。その後、キャットショーに参加し、評価を受けた猫を中心に繁殖。よりスタンダードに近い子猫の産出に努めています。長年の経験と知識を生かした繁殖は、多くの飼い主から信頼を得ています。リピーターの多い猫舎です。

アビシニアン特徴と魅力

活発で美しい容姿を持つアビシニアン。その歴史は古く、古代エジプト時代から人々とともに生活をしてきたと言われています。エジプトの壁画などに描かれている猫がアビシニアンに似ていることから、確証はありませんがその祖先に違いないと信じられています。鍛え抜かれたアスリートのようなボディ、細く長い四肢はそれでいてとても筋肉質です。丸みのあるくさび形の顔、そして幅のある大きな耳が特徴的です。また、吊り上がった大きなアーモンド形の目、アイラインを引いたようなクレオパトララインの目元はとても魅惑的です。

「わが家のアビシニアンは女の子でも大きさがあります。顎のライン、耳のカップの形、手足の長さが自慢です。また、ティックドタビーと言われる1本1本が何層もの色になる美しい被毛は、歩くたびに不思議な輝きを見せてくれます」と田口ブリーダー。

アビシニアンはバレーキャットと呼ばれるように、まるでバレリーナのような洗練された美しさを持つ猫と言われます。高貴なイメージに反して、活動的で好奇心旺盛。何にでも首を突っ込んでくる性格の子が多いとか。人とのコミュニケーション能力が高く、意思表示がはっきりして、甘えん坊。犬に近いイメージがあるそうです。確かに、初めての人にも何かを語りかけるように寄ってきて、少しすると甘えるそぶりも見せてくれます。その姿からは、田口ブリーダーが愛情をかけて育てていることがうかがえます。よりスタンダードに近く、より魅力あふれる美しいアビシニアンの産出を目指し、日々努力しています。

飼育環境

自宅兼猫舎は静かな環境の住宅街にあります。玄関から続く廊下には、キャットショーで評価された盾やリボンが数多く並んでいて圧巻です。猫たちは人とともに生活する1Fのリビングと、2つの飼育部屋で過ごしています。リビングには猫のために工夫を凝らしたキャットタワーなどが設置され、活動的なアビシニアンも満足できる空間になっています。

エアコンは部屋ごとに設置され、季節により快適な温度に調整されます。大型の多機能空気清浄機も設置され、除菌・消臭も考えられています。また、玄関からリビングに入る扉は開けなくても換気ができるようなリフォームがなされています。2つの飼育部屋にはケージが設置されていて、必要に応じて使用しているそうで、猫が過ごしやすいように改良されているケージもあります。長年の繁殖経験を十分に生かした飼育環境となっています。

ブリードの考え方

「わが家では母猫の健康面を考えて、出産から出産まで最低7カ月は間隔をあけるようにしています。帝王切開した場合には10カ月~1年です」と決めているとのこと。猫舎では雌猫だけを保有しているため、交配はすべて外交配になります。お相手となる雄猫を探すのはとても難しいと言います。スタンダードにより近くなるような交配を望んでいるため、雌猫はすべてキャットショーで評価を受けた猫。そのお相手の雄猫にも同じような条件を望んでいます。

「お相手を探すのはたいへんですが、健康的でタイプのよい子猫を産出するために、妥協をせずに探します」と田口ブリーダー。その中で、信頼のおけるブリーダーに交配をお願いしているそうです。ほかにも、各種の勉強会やブリーディングシンポジウムに参加したり、ネットで情報を検索したりするなど、猫の繁殖に必要な最新情報はつねに収集しています。約40年のベテランブリーダーであっても、なお学び続ける姿勢には頭が下がります。その熱意が素晴らしい子猫の産出につながっているのでしょう。

遺伝的疾患についての対応

アビシニアンに懸念される遺伝的疾患はPK-Def(ピルピン酸キナーゼ欠損症)です。ピルビン酸キナーゼとは赤血球細胞のエネルギー代謝に重要な酵素で、欠損すると赤血球を破壊し、溶血性貧血を引き起こします。症状としては軽い貧血、倦怠感、食欲不振などです。重症化することは少ないようですが、両親から遺伝して継承されるため、繁殖する猫の検査は必須です。

「この遺伝子検査は、日本ではできないため海外の研究所にDNAを採取して送付し、結果を待つことになります。わが家はその検査をクリアした猫だけをブリードラインに入れて繁殖しています。100%ないとは言えませんが、限りなく発症する可能性は低いでしょう」と田口ブリーダーは話します。この検査を続けてきたこともあり、繁殖を始めて約40年が経ちますが、遺伝的疾患を持つ子猫は出ていないそうです。しかし、実際には、遺伝子検査をしているブリーダーは少ないそうです。対応するブリーダーが増えることを望みます。また、毎年のワクチン接種時には、血液検査を含めた健康診断を受けて、親猫の万全な状態を保ちながら繁殖をしています。

引き渡しまでの生活環境

出産が近くなるとリビングに産室が設置されます。母猫はそこで田口ブリーダーに見守られながら出産をします。子猫が自分で動けるようになると、産室の入口を開放して、リビングに出て自由に遊べるようにします。子猫たちに危険が無いように、家具の隙間や下には入れないように工夫がなされています。出産日から朝晩2回体重測定を行い、成長を完全管理。体重の伸びが少ない場合には哺乳をしていきます。

そして、オーナーが決まった時点で名前を付けてもらい、以降は田口ブリーダーと家族全員で名前を呼んで育てています。生後50日で1回目のワクチン接種。直接のお迎えであれば2~3日後から引き渡しが可能。空輸の場合は生後60日以降の引き渡しとなります。その時期まで田口ブリーダーと家族、親猫の深い愛情を受けながら、兄弟姉妹と過ごし、社会性を身に付けていきます。また、リビングで過ごすことで、自然に人間との生活に慣れていきます。人懐っこい性格も、この環境から形成されるのでしょう。こうして子猫たちはすくすくと育ち、新しい飼い主のもとへ巣立っていきます。

しつけ・お手入れ・アフターフォロー

アビシニアンは短毛種ですので、お手入れは簡単です。スキンシップの意味も含めて、数日に1回はブラッシングをしてあげましょう。また、もともと水を怖がらない猫種と言われているので、定期的にシャンプーをしてあげれば「お風呂好き」になるかも。好奇心旺盛な猫なので、高いところが大好きです。キャットタワーを用意するなど、上から見下ろせる場所があると満足度がアップするでしょう。猫の生涯に渡って、経験を活かした的確なアドバイスをしてくれるので、飼い主は安心して子猫を迎えることができます。

猫舎トピックス

現在、2014‒2015 TICA 世界アビシニアン第1位のシャロンちゃんに美しい子猫が産まれています。(※2016年8月5日現在)興味のある方はWebサイトをご覧いただき、メールフォームでお問い合わせください。※基本的にはペットとしてのお譲りで繁殖不可になります。

[編集部]