つぶらな瞳が愛らしい世界最小の純血種チワワ

[2018/11/13 6:01 am | 編集部]

ペトハピ編集部が実際に取材し、自信をもって紹介できる “健全なブリーダー” です。 掲載基準はこちらからご覧いただけます。

犬種:チワワ
犬舎名:grace fairy Kennnel(グレイスフェアリー犬舎)
ブリーダー/動物取扱責任者名:田守有希
登録情報:富山県高販第001号(販売) 富山県高保第015号(保管)
繁殖歴:18年
住所:富山県高岡市
電話:090-3290-4477
メール:gracefairy@etude.ocn.ne.jp
Webサイト:http://gracefairy.web.fc2.com/

富山県高岡市の緑豊かな田園地帯にある「grace fairy (グレイスフェアリー)」。ここは純血種としては世界最小のチワワを繁殖する犬舎です。

「祖父が保護された動物を引き取っては育てていて、小さいころから犬や猫、鳥など多くの動物に囲まれて育ちました。小学校4年生のときにお菓子の缶に描かれていたシェットランド・シープドッグを毎日のように眺めていると、祖父がその犬をプレゼントしてくれたのです。私がブリーダーを始めたルーツはそこにあると思います」と田守ブリーダー。

その後もたくさんの動物と接してきました。結婚後は金沢に住んでいましたが、子どもの喘息にともない、よりよい環境を求めて、実家のある現在の富山県に戻りました。そこでペットショップで購入したミニチュアダックスフンドを飼い始めました。初めて自分で購入した犬です。

しかし、飼い始めてしばらくすると、犬を飼うことの難しさに直面します。しつけが入りにくく、社会性に乏しく、ヘルニアなどの遺伝的疾患を多く持ち合わせていて、苦労の連続でした。繁殖をするために交配先を探していくなかで、ブリーダーによっても遺伝的疾患に対する考え方がそれぞれ違うことを知りました。健全な繁殖をしていかなければ、飼い主が想像するペットとの幸せな生活を実現するこはできないと考え、問題を多く抱えたそのミニチュアダックスフンドの繁殖を断念することにしました。

その後、トイ・プードル、ヨークシャー・テリアの繁殖を経て巡り合ったのが、1頭のスムースコートのチワワでした。

「ロングコートのチワワはすでに何頭かいました。しかし、スムースコートは毛が短いので骨格や筋肉などがすべて見えてしまいます。体型管理などがとても難しいと感じていたので、繁殖をするつもりはありませんでした。ですが、一目惚れですね。そのスムースコートのチワワの男の子に魅了されてしまいました。ショーに出ることが条件でしたが、何の躊躇もなく迎えることにしました。ですから、今後しばらくはこの男の子を中心にブリードをしていきます。犬の繁殖歴は18年ですが、チワワについてはまだまだ勉強中です」と田守ブリーダーは話します。スタンダードをしっかりと見据えて、健全さを第一に考える、とても信頼のできるブリーダーです。

チワワの特徴と魅力

チワワの歴史を辿ると、古代メキシコを支配していたトルテカ族が飼っていた小型犬「テチチ」が祖先と考えられていることがわかります。19世紀半ばにメキシコのチワワという町で発見された基礎犬がアメリカに渡り、犬種の固定化が図られ、さらに小型に改良した現在のタイプになりました。日本への輸入は1970年ころのことで、当時はバブル景気の真っ只中で大型犬が人気でした。しかし、徐々に景気が落ち着いてくると、日本の住宅事情から小型犬・超小型犬に人気が集まるようになりました。現在では、つねに人気犬種の上位にランクインする愛される犬種となっています。

チワワは小柄でありながら、その体型はがっちりしています。頭部はアップルヘッドと呼ばれる丸みを帯びた形で、耳は大きくピンと立っています。愛らしい目がとても印象的です。被毛はロングコート(長毛)とスムースコート(短毛)の2種類です。性格は明るく陽気ですが、非常に勇敢な部分があります。番犬としては優秀ですが、その反面に保守的な部分もあり、神経質で臆病であるがゆえに吠え癖がついてしまうこともあります。子犬のころからほかの犬と触れ合わせるなど、社会性を身につけることも必要です。

「鼻が詰まっていて、アップルヘッドで、キレイに角度のある耳であること。さらに、私はベビーフェイスが好きで、何歳になってもかわいい顔立ちの子が理想です。現在いるスムースコートの男の子はショーでの成績も優秀で、私の理想の顔立ちです。その子を基準にみながら、しっかりとしたチワワを産出していきたいです」と田守ブリーダー。

確かに、理想とするスムースコートの男の子はしっかりとした筋肉質な体型ながら、つぶらな瞳をもつ愛らしい顔立ちです。その子犬たちも、小さいながらにその父犬の面影を感じる魅力的な容姿をしています。ひと目見たら連れて帰りたくなるような、魅力あふれる犬たちです。

飼育環境

一般家庭のなかの繁殖で、犬たちが生活しているのは主にリビングと洋室の2つの空間です。犬たちには1頭ずつサイズに合わせたケージが用意されていて、食事や水の量などを1頭ずつしっかりと管理できるように考えられています。ケージの床はクッション性のあるキルティングのマットを敷き、足に負担がかからないように工夫しています。天気のよい日は庭に設置された大きなサークルのなかで、みんなで楽しく遊んで運動します。

エアコンは各部屋に設置。そのほか、加湿機能付き空気清浄機、除菌・消臭機能などを使用しています。また、除菌には吹きかけてから除菌をするスピードが早く、人間・ペット・植物に無害なカチオン性殺菌剤を使用しています。清掃は1日2回。ケージも床もすべてキレイに掃除し、除菌して拭き上げていきます。排泄してもすぐにニオイが消えるように、サーキュレーターを回して素早い換気を促したり、脱臭機を各部屋に設置したりして対応しています。嫌なニオイや汚れもなく、とても清潔です。しっかりと管理をしていると感じられる飼育環境です。

ブリードの考え方

「すべてにおいて健全であることが第一と考えています。また、基本は重要と考え、スタンダードに沿った繁殖をしています。ですから、タイプが安定して産まれるラインブリードが中心の交配をしています。わが家の犬をかわいいというだけでなく、しっかりと育ててくれる飼い主さんにお譲りしたいですね。一緒に育てていくという感覚でいていただきたいです」と田守ブリーダー。

食べ物と飲み物で体のすべてがつくられているので、その部分にはかなりこだわっています。フードは穀物フリーで、ポテトも不使用のもの。また、水は電解アルカリ水を使用しています。犬質の向上と健康維持のためによいと思われるものは積極的に取り入れながら繁殖をしています。

遺伝的疾患についての対応

チワワの主な遺伝性疾患としてあげられるのは、まずは水頭症です。脳内にある脳室に脳脊髄液が異常に溜まり、脳を圧迫する病気です。一般的に頭の頭頂部に穴が開く病気の泉門開口(ペコ)が大きい子がなりやすいといわれています。遺伝的要素が高いので、血統に水頭症の個体がいないかどうか確認する必要があります。また、パテラ(膝蓋骨脱臼)も多いとされる疾患です。チワワのような小型犬に多く見られる疾患で、膝の骨が外れてしまう状態をいいます。親犬からの遺伝要素が高いので、レントゲンなどで確認し、問題のない個体を繁殖に使う必要があります。

そして、PRA(進行性網膜萎縮症)です。これは、光を感知する網膜が萎縮・変性して正常に動かなくなる疾患で、徐々に見えにくくなり、やがて失明してしまいます。これは親犬のDNA検査をし、適切な交配をすることで子犬への遺伝を防ぐことができます。

「わが家ではこれらの遺伝的疾患への対応はすべて行っています。不幸な子犬を産出しないように、つねに最新の情報を入手しながら対応しています。遺伝的疾患の検査や健康診断の結果はすべて飼い主さんに渡しています。いまはペット保険に入る際に必要となっています」と田守ブリーダー。そのほか、毎年のワクチン接種の際に基本的な健康診断はすべて行い、何かあればすぐに対応しています。健全を第一に、しっかりと対応しているブリーダーです。

引き渡しまでの生活環境

出産が近くなると、リビングに設置されたケージに産箱を用意します。田守ブリーダーが24時間体制で見守ります。事前にレントゲンを撮り、子犬の頭の大きさと産道を比較して通常の出産が無理と判断した場合には、帝王切開をすることもあります。その部分はかかりつけの獣医師と十分に相談して決めています。出産後は、母犬のサポートをしながら子犬の成長を見守ります。

「わが家では離乳の時期を固定していません。母犬のご飯に子犬たちが頭を突っ込み、興味をもって舐めだしたら離乳食を与えはじめます。食べたくなったら食べるということにしているので、無理に与えることはありません。そのほうが子犬もスムーズに離乳ができます。ですから離乳の時期はそれぞれですね」と田守ブリーダー。

子犬たちは母犬や兄弟姉妹、そしてほかの成犬たちと接しながら、さまざまなことを学び、すくすくと成長をしていきます。1回目のワクチン接種は生後50日以降の子犬の体調がよいときに。その後は、飼い主さんの都合に合わせてお引渡し日を決めています。ぎりぎりまで母犬と兄弟姉妹と一緒に過ごして社会性を身につけていきます。こうして子犬たちはたくさんの愛情を受けながら、新しい家族のもとへ巣立っていきます。

しつけ・お手入れ・アフターフォロー

田守ブリーダーはJKC(ジャパンケンネルクラブ)の公認トリマーでもあります。子犬の繁殖のほかに、犬舎のある自宅でトリミングやペットホテル、ペットフード、ペット用品の販売も行っています。

「トリミングはわが家出身の犬以外でも対応しています。他県の方にはわが家と同じように、よい水と天然素材のシャンプー・リンスを使用している知り合いの店を紹介しています。ペットフードやペット用品は実店舗のみの販売ですが、私が実際に使ってよいと実感したものしか扱っていません。譲渡後もわからないことがあればできる限りのサポートをさせていただいていますので、お気軽にご相談いただければ」と田守ブリーダー。

子犬の生涯に渡って全面的にサポートしているそうです。飼い主に寄り添った頼りになるブリーダーです。

[編集部]