わが家では生後30日くらいになると、お乳から徐々に固形のフードに移行します。ただ、急にドライフードを食べることはありません。まだ胃腸の状態も完全には整っていないので、まずはウェットフードからスタートします。わが家ではペースト状のフードから与えるようにしています。
でも、そのまま出しただけでは食べない子猫がいます。まずは、食べられるもの、おいしいものという認識を持ってもらうために、指で口の中に入れてあげます。その作業を数回繰り返すと、徐々に自分で食べるようになります。でも、この作業、個体差はありますが、一度やったら終わりではなく、食事の際には、毎回同じことを繰り返します。大抵の子猫は数日で食べ方を覚えて自分で食べるようになります。
この作業、毎日毎食なので大変と思われるかもしれませんが、ブリーダーにとっては大切なものです。この時期は、まだワクチン接種前で免疫力も安定していないですし、それが体調を左右することも多く、この食事の時間に体調を確認したり、体重測定をして成長を確認したり、身体に異常がないかチェックしたりしています。子猫は何かの異常があると急変しやすく、命の危険にさらされることにもなるので、早期に発見し対応することが大切なのです。
それと、こうした人とのスキンシップを経ることで、大きくなっても人懐っこい猫に育っていくという利点もあります。食事のときのスキンシップも社会性を身に付けるひとつの方法というわけです。ちなみに、口を開けて離乳食を食べていた子は、大きくなっても口を開けることや口のなかを触られることに慣れているので、薬を飲ませるときにとても楽です。子猫の時の経験が生きるというわけです。
何ごとも経験ですね。