「もっと何かできたはず」をなくす”ペットの終活”~愛犬・愛猫の死で「ロス」に陥る飼い主は約6割

「もっと何かできたはず」をなくす”ペットの終活”

愛犬・愛猫の死で「ロス」に陥る飼い主は約6割

東洋経済オンライン | 2023/10/18

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このコーナーでは、注目ニュースに対する編集部や識者のコメントを紹介します。

ペットと暮らしていると、必ず訪れるのは「別れ」です。初めて飼った人以外は、必ず経験していると思います。ペットは私たちの4倍のスピードで年を重ねていきます。その生涯は、人間よりも、ずっと短いのです。

家族同然のペットを亡くすと、喪失感からほとんどの人がペットロスになります。ペットロスは「ペットロス症候群」ともいわれ、ペットと過ごすなかで生まれた深い愛着や愛情が、突然に訪れるペットの死などの別れにより、行き場のない気持ちから引き起こされる症状とされています。

ペットロスになっても、軽症で済む人と、重症で長引く人がいます。その差はどうして起こるのでしょうか。それは、この記事のタイトルのとおり、「もっと何かできたはず」という後悔の念の強さによります。

「もっと〇〇してあげればよかった」「なぜ〇〇してあげなかったのだろう」「もっとできたことがあったのではないか」そんな考えが大きいほど深いペットロスに陥り、日常生活もままならない状況になってしまいます。

では、ペットロスを軽くするには、どうしたらよいのでしょうか。それは、前述のとおり後悔を少なくすることです。後悔を少なくするというのは、「しっかり準備をしておく」ということになります。その準備こそが、「ペットの終活」なのです。

ペトハピでは、この記事の筆者である阪根美果さんが早くから提唱してきた「ペットの終活」を体系化して、「ペット終活のすすめ」として公開しています。

第1回「ペットの終活は必要ですか?」
第2回「もしもの事態に備えてホームドクターをつくる」
第3回「ペット保険とペット信託で万が一に備えよう」
第4回「ペトハピライフノートを作成する」
第5回「写真・画像データを整理する/思い出を整理する」
第6回「要介護状態になった場合を考える」
第7回「供養スタイルを検討する」
第8回「ペットの終活総まとめ」

「ペット終活のすすめ」は、「死への準備」ではありません。愛するペットと「どう生きるのか」とを考えることにより、一緒に過ごす時間をかけがえのない、そして後悔しないものにするための活動なのです。

このコンテンツに厳密な順番はありません。できることから始めればよいのです。ただ、ふだんから必要な情報を整理してまとめておくことは大切です。ペットの名前・性別・誕生日などの基本情報、思い出や一緒にやりたいことなどのペットとの関係の整理、さらに介護・治療・葬儀・供養など終末期における考え方などが、必要な情報です。下記のサンプルを参考にして、自分だけの終活ノートを自由につくってみましょう。

あらかじめ必要な項目をすべて盛り込んである便利なノート「ペトハピライフノート」もご用意しています。多岐にわたる情報を、質問に答えるかたちで記入できます。価格は500円(税別・送料無料)にて販売していますので、必要な方はご購入ください。

「ペトハピライフノート」はペットの御守りにもなります。万が一は飼い主にも起こり得ます。情報が整理されたノートは、次の飼い主さんへの貴重な情報になります。内容を見れば、いかに愛情をもってペットを育てていたのかが理解できます。新しい飼い主さんも、同じように深い愛情でペットを育ててくれるでしょう。

「ペットの終活」は、飼い主がペットロスにならないためだけではありません。飼い主に万が一のことがあった場合に残されたペットのためにもなるのです。これもひとつの飼い主の責任ともいえます。ぜひみなさんにも実践していただきたいと思います。