【防災の日】関東大震災から100年。その節目にあらためて防災について考え、災害に備えましょう
本日9月1日は「防災の日」です。1923年(大正12年)の9月1日午前11時58分、関東大震災が発生しました。関東地方をマグニチュード7.9の大地震が襲い、死者・行方不明者14万2,800人、家屋全半壊25万戸、家屋焼失44万戸という大災害になりました。
この日を忘れることなく災害に備えようという意味から、1960年(昭和35年)に9月1日が「防災の日」として閣議決定され、8月30日から9月5日の1週間が「防災週間」となっています。
今年は、関東大震災から100年の節目を迎えます。しかし、日本赤十字社の意識調査によると、防災の日が、関東大震災に由来することを「知らなかった」という人が全体の半数近い49%に上るとのこと。年代別では20代の56%、30代の69%が「知らなかった」と回答するなど、若年層ほど理解していない傾向があったとしています。
100年の節目にあたって、省庁や自治体では過去の災害を風化させず、教訓を生かし、いつか来る災害に備えるためのコンテンツを展開しています。代表的なものは以下になります。
内閣府「関東大震災100年」
総務省消防庁「関東大震災100年」
気象庁「関東大震災から100年」
東京都「関東大震災100年」
少し前になりますが、3月7日の「消防記念日」あたってNHKスペシャル「南海トラフ巨大地震」が3月4日(土)と3月5日(日)の2夜連続で放送されました。近い将来、確実に起こるとされる南海トラフ地震の脅威を、ドラマとドキュメンタリーで伝えました。
スペシャルドラマでは、和歌山県南方沖を震源地とするマグニチュード8.9の巨大地震が発生し、大阪の中心地を津波が襲うシーンや、救助や物資の支援が届かない地方の避難所の様子がリアルに描かれていました。
ある避難所では、人々は床で雑魚寝し、配給される食料は少ない状況でした。そのなかで男性が発した「3日で助けなんか来るわけない」という言葉にハッとさせられました。
ひとたび巨大地震が起きると、時間差で巨大地震が発生する可能性が高まるため、「南海トラフ地震臨時情報」が気象庁から発表されます。その内容が「巨大地震警戒」であった場合は、1週間の事前避難を行う必要があります。
こうした状況では、「次の巨大地震のおそれ」があるため、被害がそれほど大きくなかった地域の消防部隊でも、被災地の救援に行けなくなる可能性があると指摘されています。
総務省消防庁の「南海トラフ地震等における緊急消防援助隊アクションプラン」では、大規模な災害の際に全国から被災地に駆けつける「緊急消防援助隊」の役割や、派遣プランがあらかじめ決められています。しかし、南海トラフ巨大地震が発生した際には、周辺の重点受援県は、たとえ被害が少なくても次に来るかもしれない巨大地震に備えるため地元での活動にとどまることになっています。
NHKが実施した全国の都道府県へのアンケート調査によると、応援に向かう都道府県の72%が「地元の防災力を維持することが難しい」と回答し、72時間以内に被災地へ到着できる部隊数が全体の45%にとどまるという結果でした。
南海トラフ巨大地震が発生し、救助が来ない可能性が高い。そのときに備えて、私たちにどんなことができるのでしょうか。消防行政に詳しい関西大学の永田尚三教授はNHKの取材に対して、「巨大地震に備えてハザードマップの確認や、すぐに避難できる体制を整え、できる限り救助の手を借りずに難を逃れられる備えを進めておくことが大切」と答えています。
いざというときに、家族とペットが安全に避難し、その後も一緒に暮らせるようにするには、日ごろからの心構えと、備えが大切です。
ペットがいる家庭では「同行避難」が推進されています。環境省は、これまでの災害におけるさまざまな事例を盛り込んだ「人とペットの災害対策ガイドライン」を公開しています。
ペトハピでは、家族であるペットの命を守るための災害対策を飼い主さんと一緒に考える「ペットも守る防災対策」を連載しています。災害はいつ起こるか予測ができません。災害時に慌てないためには心構えと日ごろから準備しておくことが大切です。
「防災の日」制定のきっかけとなった関東大震災から今年で100年になります。その節目に、あらためて防災について考え、災害に備えましょう。ペットの命を守れるのは、飼い主であるあなたしかいないのですから。
【ペットも守る防災対策】
▸想定しなければならない災害と過去の災害を知ることから始める
▸災害発生時への備え-災害はいつ起こるかわからない
▸住まいや飼育場所の防災対策
▸災害に備えたペットのしつけと健康管理
▸ペットが行方不明にならないために必要な対策
▸ペットの避難用品や備蓄品の用意
▸家族や地域での話し合いとご近所との連携の重要性
▸災害時における「同行避難」の必要性
▸災害が発生した際にどう行動する?
▸避難場所でのペット飼育の心がけ
▸ペットが迷子になった、保護したときにはどうする?
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