防災で大切なことは、一人ひとりがしっかりとした防災意識を持って毎日を過ごすことです。災害が起こったときにどうするか、普段から家庭で災害について話し合い、自分はどうするか、家族をどう守るか、ペットをどう守るか、近所の人たちや地域の人たちと協力して助け合えるかなど確認しておきましょう。
何よりも「防災は家庭から」が基本です。被害は最小限に、備えは最大限にということを念頭に、しっかりと考える必要があります。今回は、家族での話し合いやご近所や地域との連携についてのお話です。
月に1回は防災家族会議を開きましょう
災害が起こったときにどう行動するか、何を準備しておけばよいかなど、問題点の対策を家族全員で話し合っておきましょう。また、事前に自治体に避難する際の情報を確認しておき、その情報を共有しておくことも大切です。特にペットと同行避難する避難所があるかどうかは必ず確認しておきたい重要ポイントです。災害時のさまざまな場面を想定して、月に1回は家族会議を開いておくことをオススメします。
【家族の役割分担を決める】
緊急連絡係、火元管理係、非常持ち出し袋係、ペット係など災害が起きたときの役割を決めておきましょう。
【災害時の避難場所や連絡方法の確認】
家族が別々の場所で災害にあったときの連絡方法や避難場所をどこにするか、また伝言メモなどを貼る場所などを確認しておきましょう。
【家屋の危険個所をチェックする】
柱や壁、屋根、塀など災害に弱い場所がないかどうかチェックし、必要があれば対策をしておきましょう。また、屋外に犬小屋がある場合には、ブロック塀のそばやガラス窓の下など建物が倒壊した際にペットが被害を受けないように、危険があれば移動しましょう。
【安全な空間を確保する】
家具の配置換えをして、家のなかに安全なスペースを確保しましょう。転倒防止や落下防止などの対策をして危険がないようにします。ペットのケージなどの置き場所も安全を確保しましょう。また、河川のそばなど増水する可能性がある場所に家がある場合には、溺れない対策も必要です。海の近くなども津波の被害に遭う可能性があるので、その対策が必要です。
【非常持ち出し袋など備蓄物資の保管場所と中身を検討する】
災害時に必要な持ち出し品は十分かどうか検討し、保管場所(数カ所)を決めておきましょう。また、日ごろから水や食品については賞味期限が切れていないかどうか確認し、新しいものと交換しておくことも大切です。ペット用の持ち出し品も同様にチェックが必要です。
【消火器など防災用具の置き場所を検討する】
火災が起きたときに初期消火ができるように、消化器の使い方を覚えましょう。また、使いやすい場所に設置しておきましょう。
【ペットをどう守り避難させるか検討する】
ペットは自分では避難ができません。家族でどのようにペットを守り避難させるか、十分に話し合っておきましょう。また、飼い主が留守中の災害時の対処方法も検討しておきましょう。
【避難所や避難経路を確認し、防災訓練をする】
飼い主は地域防災計画や広報誌、ウェブサイト、地域防災マニュアル等で、災害時の避難所の所在地や避難ルートを確認しておくことが大切です。実際にペットを連れて防災訓練を行い、所要時間や危険個所等をチェックしておくことで、より安全に避難することができます。また、地域で防災訓練が行われるときには、積極的にペットを連れて参加し、地域でペットとの同行避難について話し合っておくことが望ましいでしょう。
◤防災訓練時のチェックポイント◢
・避難所までの所要時間
・看板落下、ガラスの破損などの危険個所のチェック
・通行できない場合の迂回路の有無
・避難所でのペットの反応や行動
・避難所での動物が苦手な人への配慮
・避難所での飼育環境の確認
ご近所や飼い主仲間との連携
災害時は自治体等の緊急対応だけでは救出・救護が間に合わない場合があります。いざというときにご近所さんと助け合いができるように、普段から地域内で交流をしておきましょう。
また、飼い主同士のネットワークをつくっておくと、いざというときに助け合うことができます。例えば、一時的にペットを預かってもらったり、フードやペットシーツなどを分けてもらうこともできます。あらかじめ、緊急時にペットを預かってくれる人や場所を確保しておくことが大切です。
また、災害時は刻一刻と状況や情報が変わります。地域ごとに被害状況も異なるため、もとも役立つ情報源がご近所さんになる可能性が大いにあります。冠水、増水、停電、通行止め、お店の商品の売り切れなどの状況は、SNS等を利用してご近所同士で共有しましょう。また、避難所の情報も地域の人とSNS等で共有しましょう。特にペット可の避難所等は数が少ないため自宅から遠い場合もあります。
避難所にはキャパシティがありますので「行ってたけど入れなかった」という可能性もあります。そのほかにも配給物資の有無や避難所内の環境など行ってみないとわからないような情報は多くあります。特に災害時は人が優先となるので、ペット用品などの支援物資はすぐには届かい場合が多々あります。そのような細かな情報は地域の人と共有することによって、より効率的に避難することができます。
災害時は近所の人がどのような行動をとっているのか見えづらくなります。そのため、過剰に不安になったり、反対に「自分は大丈夫」と安易に考えて避難が遅れることもあります。ペットと一緒の避難は、より早い決断が必要となります。みんなの避難行動を知るためにもご近所さんや地域の人とSNS等で共有することは大切です。
まとめ
「防災は家庭から」が基本です。災害時に頼りになるのは、まずは家族です。一人ひとりがしっかりとした防災意識を持って、日ごろから家族での話し合いやご近所や地域との連携をしっかりと構築しておきましょう。ペットを守れるのは飼い主であるあなたしかいません。大切な家族を守るためにも「備え」が重要です。
第8回は「同行避難の必要性」をテーマに話を進めます。