【犬飼いTIPS】愛犬のお留守番にテレビは有効ですか?

コロナ禍における外出自粛の期間、多くの企業がテレワークなど新たなワークスタイルを導入し始め、私たちは家で過ごす時間が増えました。愛犬たちは、これまでよりも長く飼い主と一緒に過ごすことを楽しんでいました。

しかし、緊急事態宣言が解除され、徐々に日常が戻り、職場に復帰するなど社会的にも忙しくなってきたことで、彼らは再び自分たちだけで過ごす時間が増えてきました。そんな場合に、何らかの刺激を与えることは、彼らにとっても飼い主にとっても非常に有益なことです。

コロナ禍で新しく迎えられ、飼い主との生活しか知らなかった犬たちが、このライフスタイルに適応できずにいることがあります。そのため、刺激や娯楽を与えることができる道具は、彼らのストレスを最小限に抑え、幸せで健康な状態を維持するのに役立ちます。

犬の分離不安は事実です

ひとりで過ごすことを楽しみにしている犬もいます。それは彼らにとって必要な休息とリラクゼーションの時間です。実際に、犬は1日に16時間もの睡眠をとることができるのですから。

しかし、ひとりぼっちになることに不安を感じる犬もおり、その結果、分離不安に関わる問題行動を起こすことがあります。過剰な吠え声や遠吠え、外部の音や動きに反応すること、さらには破壊的な行動などがよく報告されています。

このような行動は、私たちにとっては腹悩みの種で、ときには迷惑で、さらに出費がかさむこともあります。また、ご近所さんとの関係が悪化するかもしれません。しかし、これは犬の精神的ストレスの明らかな兆候でもあります。

留守番をする犬をリラックスさせる方法

愛犬がひとりで過ごす時間を少しでも楽にするには、サポートトレーニングと合わせて、いくつかの方法が推奨されています。例えば、おやつを入れられる知育トイを使ったり、静かで安全な空間をつくったり、出かける前に一緒に散歩をしたりすることです。

また、外からの騒音を最小限に抑えるために、犬が一人でいるときはラジオやテレビをつけておくという方法もあります。実際に、お留守番中にクラシック音楽を流しているという人も多いようです。これは犬舎で飼われている犬のストレスを軽減することがわかっています。

犬はテレビの映像に共感するの?

犬は人間と同じようにはテレビを見ないことは広く知られています。彼らにとっては、好きなドラマに集中するというよりも、好きな人と一緒にソファで過ごすということです。おそらく、彼らは一緒にテレビを見ている時間が落ち着いてリラックスしていることを認識しているので、私たちがいないときにも落ち着いていられるようにするには、その関連性を利用できるかもしれません。

犬は人間のように色を見ることができません。淡い色で世界を見ていますが、薄暗い場所では昼間と同じようにはっきりと見ることができます。

画面上の動きは犬も感知することができ、テレビで動いている動物やクルマなどを見て反応しているという報告もたくさんあります。物を追いかけることで刺激を受ける犬種やタイプの場合は、テレビの動きに興味を持ち、活動的になることもあります。ただし、テレビの周りに置いてあるものには気をつけましょう。

重要な問題は、犬が画面に映ったものを認識できるかどうかです。彼らは確かに映像に反応することができますし、訓練をすればタッチスクリーン機器を使うこともできます。しかし、彼らが実際に見たものが何かを理解するのは、ずっと難しいことです。

犬は鏡に映った自分の姿に完全には反応しないようです。つまり、犬がテレビ画面に映ったほかの犬を認識しているかどうかは、実際にはわからないのです。

ニオイは犬にとって重要な感覚であり、特にお互いを認識する際に重要な役割を果たしています。テレビはその感覚を使うことができません。しかし、犬やほかの動物の姿や音を組み合わせることで、彼らはテレビに興味を持ち、よい刺激を受けることができるのではないでしょうか。

犬は音に敏感

犬の聴覚はとても敏感で、音の発生源を探すのに長けています。話しかけられたり、特定の音を聞いたときに頭を傾けたり首をかしげるような仕草をするのは、その音がどこから来たのかを判断するのに役立ちます。

また、特定の音や周波数は犬を興奮させたり、落ち着かせたりします。実際に、外にいるカラスの鳴き声や、テレビから聞こえるパトカーのサイレンに敏感に反応したり、ペットミュージックをかけていると落ち着いているように見えます。

ラジオやテレビをつけていると、家の中に「通常の状態」を感じさせ、安心感を与えることができます。ラジオやテレビは、犬が怖がるような異常な音に対して感覚を鈍らせたり、犬を不安にさせるような外部の音を消したりするのにも役立ちます。

まとめ

肉体的にも精神的にも刺激を受けた犬は、より幸せで、よりよい行動をとり、私たちとの関係も良好になる傾向があります。彼らの世界を興味深く豊かなものにし、世界について学び、景色や音から肯定的な連想をする機会を与えることでリラックスし、生活における不安を軽減することができます。

日常が戻り、家を空ける時間が増えたにも関わらず、まだお留守番ができない場合はサポートトレーニングが必要です。そして、テレビやラジオを、運動や食事、スキンシップ、トレーニングなどほかの有益なライフスタイルと組み合わせることで、リラックスしてお留守番ができるようになり、幸せで健康に育つことでしょう。