カラスよ、恐るべし
わが家の愛犬はカラスが大嫌いです。散歩に行きカラスを見つけようものなら、カラスがどこにいようがその方向を見ながら吠えまくります。
カラス以外の鳥には吠えることはありません。何かカラスにされたなど過去のトラウマがあるわけではないのですが、どうも気に入らないらしいのです。
しかし、愛犬がいくら吠えようとも、カラスは動じません。逆に愛犬をおちょくるかのように、距離を縮めてきます。もしかしたら、そのふてぶてしい感じが、気に入らないのかもしれません。
数日前、わが家のオーナーさん宅へ遊びに行った際には、カラスが鳥小屋に侵入し、烏骨鶏の卵を食べたという話を聞きました。
その鳥小屋は周囲をネットで囲われていて、侵入できる場所は限られています。オーナーさん宅の玄関の目の前なので、人の出入りも頻繁にあるのですが……。
侵入経路を偵察したうえで、人がいないことを確認して入っているのかもしれません。オーナーさんによると、烏骨鶏は一生懸命に卵を抱いていたそうです。母鳥のことを思うと、切ない気持ちになりました。
そして、昨日はわが家のご近所さんからカラスの被害に遭ったことを聞きました。ご自宅の横に畑を持っていて、「茄子」「胡瓜」「玉ねぎ」「じゃが芋」「冬瓜」「ゴーヤ」など、さまざまな野菜を季節に合わせてつくっています。
わが家にもたびたびおすそ分けがあるので、新鮮な野菜を堪能させていただいています。この日もたくさんの胡瓜を持ってきてくれたのですが、「カラスに胡瓜を11本も食べられちゃったよ」と嘆いていました。
「えっ、カラスって胡瓜を食べるのですか?」と私は驚いて聞きました。「カラスは何でも食べるよ」とご近所さん。
私はすぐにネットで調べてみました。検索すると「カラスは雑食性で、基本的に何でも食べます」と書かれていました。「栄養価の高い生ごみは、カラスにとって格好のエサになります」とも。
私の頭のばかには、「カラスは動物の屍肉や昆虫、木の実などを食べる」という認識があったので、街中でカラスが生ごみを漁っているのを見ますが、肉などを選んで食べているのだと思っていました。胡瓜を食べるというのは、驚きでした。
それからというもの、カラスを見かけるたびに私は「カラスよ、恐るべし」と思うのでした。