Class_45

乳酸菌を飲んだらどんなメリットがあるの?

[2022/03/15 6:01 am | 獣医学博士 川野浩志]

これまで腸内細菌の重要性をいろいろな角度から説明してきました。腸内細菌の乱れが、すべての病菌の原因ともいわれるとおり注目されています。腸内環境を整えるには、Class_41の記事で説明したとおり、「よい菌をとる」「菌を育てる」「菌の邪魔をしない」こと。

「よい菌をとる」とは、乳酸菌などの有用菌「プロバイオティクス」を摂取すること。さらに、その乳酸菌を増やすために、エサとなるオリゴ糖の一種「ケストース」を摂取することが重要であることをClass_15の記事で説明しました。

では「よい菌をとる」=乳酸菌を直接摂取することで、私たちのカラダにどんなメリットがあるのでしょうか。それを見てみましょう。

①道路整備(医学的には腸上皮バリアの強化)
・腸のバリアの防衛(敵の侵入を警戒)
・最前線で粘膜バリアを安定させ、腸に悪いものが入らないように防衛してくれる

②椅子取りゲーム(医学的には腸粘膜への付着の増加、病原体付着の阻害、病原性微生物の競合的排除)
・乳酸桿菌とビフィズス菌は、大腸菌、サルモネラ菌、ヘリコバクターピロリ菌、リステリアモノサイトゲネス、ロタウイルスなど、さまざまな病原体を阻害する
・悪い菌が腸のなかに入るために粘膜にペチャっとくっつくのを、先回りして阻止してくれる

③細菌を殺すミサイル発射(医学的には抗微生物物質を酸性)
乳酸菌が細菌を殺す酵素ミサイル発射を発射してくれる

④ビタミン産生
ビタミン(B1・B2・B3 ・B5・ B6・B7・ B9・ B12・K1・K2)を産生する

⑤乳酸菌が作り出す物質(特に酪酸)が炎症を止めてくれる

⑥パワーチャージ(医学的には免疫系の調節)
乳酸菌が免疫細胞をバリバリ刺激してくれる


私たちとペットの健康と幸福には、腸内細菌を整える乳酸菌などプロバイオティクスの摂取が重要なのです。

[獣医学博士 川野浩志]