犬との暮らしで知っておきたいこと Vol.129

【犬飼いTIPS】ChatGPTはペトハピの仕事を脅かすのか? ペットのことについていろいろ聞いてみた

[2023/05/08 6:01 am | 編集部]

いま話題の「ChatGPT」。スタパ齋藤さんのコラムでも紹介されていました。ChatGPTには何でも質問できます。エッセイや歌、ウェブサイトのコードなどを、程度の差こそあれ教えてくれます。では、ペットの相談はできるのでしょうか。

「犬をしつけるのにベストな方法は?」といった漠然としたものから、「初心者の飼い主に最適な犬種は?」という議論になりそうなものをChatGPTに投げかけてみました。

ChatGPTの注意点

ChatGPTには、注意すべきことがあります。それは、ネット上の膨大な文章(約3,000億の単語)から学習したとはいえ、専門家ではないことです。Open AIによると、もっともらしく回答していても、不正確だったり、無意味な答えを書くことがあるといいます。

それを考慮すれば、表面的ではありながらも、的を得た回答が返ってきました。例えば、犬に最適なトレーニング方法を聞いてみると、次のような回答がなされました。

犬に最適なトレーニング方法は、犬の品種、年齢、性格、および教えたいまたは修正したい具体的な行動によって異なる場合があります。ただし、一般的な効果的な犬のトレーニングのヒントは次のとおりです。

1. ポジティブリインフォースメントを使う:優れた行動をご褒美として扱い、おやつ、賞賛、そして愛情で報酬を与え、悪い行動を罰するのではなく、ポジティブリインフォースメントを使います。犬はポジティブリインフォースメントにより良い反応を示し、あなたと犬の間に強い絆を築くのに役立ちます。

2. 一貫性を保つ:犬に明確な信号を送り、トレーニングセッションの間に一貫して同じコマンドと報酬を使用します。犬は明確なルールに従うことが好きで、混乱を招くことは避けるべきです。

3. 時間をかけてトレーニングする:犬に行動を学ぶには、一貫性と繰り返しを必要とします。毎日少しずつ時間をかけてトレーニングすることで、犬が新しい行動を理解し、習得するのに役立ちます。

4. 犬の体調を考慮する:犬が疲れていたり、体調が悪かったりする場合は、トレーニングセッションを休ませる必要があります。また、犬がストレスを感じる行動をトレーニングするのは避けるべきです。

5. 楽しいトレーニングセッションを作る:犬は遊び心があり、楽しい活動を好みます。トレーニングセッションを楽しく、クリエイティブに、そしてポジティブに保つことで、犬がやる気を出し、継続するのに役立ちます。


それだけ? と思ったので英語で聞いてみました。するとより的確な回答がもらえました。

犬のしつけに最適な方法は、個々の犬の犬種、年齢、気質、性格によって異なります。しかし、いくつかの一般的な原則は、あなたの犬を効果的に訓練するのに役立ちます。

1. ポジティブ・リインフォースメント:悪い行いを罰するのではなく、良い行いをしたときにご褒美をあげます。この方法はより効果的で、飼い主と愛犬の間にポジティブな絆を生み出します。

2. 一貫性を持たせる:トレーニングの方法、コマンド、ルールに一貫性を持たせましょう。犬は一貫したフィードバックを受けることで、最もよく学びます。

3. 早く始める:良い習慣を確立し、悪い習慣を作らないために、できるだけ早い時期にトレーニングを開始しましょう。

4. 明確で簡潔な命令をする:犬が理解できるように、明確で簡潔な命令を使いましょう。行動ごとに同じ命令を使い、犬が正しく反応するたびにご褒美をあげましょう。

5. 定期的に練習をする:愛犬が新しい行動を学び、定着させるためには、定期的な練習が欠かせません。一日を通して短い時間で練習し、愛犬が上達するにつれて徐々に時間を長くしていきましょう。

6. 愛犬を社会化させる:攻撃的な行動を防止し、気質を改善するために、他の人々や犬との交流を深めましょう。

7. 忍耐強くなる:犬のしつけには、時間、忍耐、そして献身が必要です。小さな成功を喜び、挫折しても落ち込まないようにしましょう。

これらの原則に従うことで、効果的に犬を訓練し、生涯続く強い絆を築くことができます。


やはり、日本語での質問よりも英語での質問と回答のほうが、より深い内容になっています。ステップ7の「忍耐強くなる」なんていうのは、まさにそのとおりです。

Chat GPTは飼い主のお助けツール?

ChatGPTは誰でも無料で利用(有料サービスもある)できるため、ググるのが面倒だったり、相談できるトレーナーや獣医師がいない飼い主にとっては頼れる相棒になるかもしれません。ChatGPTの限界を認識したうえであれば、出発点になる可能性があります。

出発点といえば、初めて犬を飼うなら、どの犬種がいいのだろうと考える人もいるかもしれません。そこで、ChatGPTの意見を聞いてみました。

初めて犬を飼う場合、適切な犬種の選択は非常に重要です。犬種によっては、運動量、トレーニングの必要性、健康問題、そして性格に差があるため、ライフスタイルに合わせて犬種を選ぶことが重要です。以下は、初めて犬を飼う場合におすすめの犬種のいくつかです。

1. ラブラドール・レトリーバー: 友好的で従順な性格を持ち、子供や他のペットに対しても優しく接することができます。運動が大好きで、トレーニングにも熱心であるため、初めての飼い主にもおすすめです。

2. ゴールデン・レトリーバー: ラブラドール・レトリーバーと同様、子供や他のペットに対しても優しく接することができます。愛情深く、トレーニングにも熱心であるため、初めての飼い主にもおすすめです。

3. プードル: 賢く、従順で、トレーニングが容易であるため、初めての飼い主に最適です。毛が抜けにくく、アレルギーのある人にも適しています。

4. ビーグル: エネルギッシュで陽気な性格を持ち、運動が大好きです。しかし、トレーニングはやや困難であるため、初めての飼い主には少し挑戦的かもしれません。

5. シーズー: 落ち着いた性格を持ち、運動量が少なく、小型犬として飼育が容易です。トレーニングもやや容易であるため、初めての飼い主に最適です。

重要なのは、犬種選びの前に、自分のライフスタイルと生活環境を考慮することです。犬種に合わせて生活環境やライフスタイルを変えることはできますが、犬のニーズに合わせて生活環境を選ぶことが、犬との健全な関係を築くために重要です。


ちなみに、英語での質問では、4位がキャバリアで、5位がビションフリーゼでした。キャバリアは愛情深く、優しく順応性があり、ビションフリーゼは遊び心があり友好的で、アレルギーのある人にも適してるのが理由のようです。

この回答には、ChatGPTがいかに便利でありながら、専門家のアドバイスが必要であるかが表れています。例えば、大前提として犬はそれぞれ個性があり、犬種だけで分類することはできないということです。ブリーダーであれば、親犬の気質から、子犬の受け継ぐであろう性格などを教えてくれることでしょう。

このことから言えるのは、ケアの方法やトイレトレーニングといった基本的な質問をするのには便利です。しかし、飼いやすさや行動(運動量)、健康といったテーマには、現時点では不向きだと考えざるをえません。

ChatGPTがブレークスルーになる?

ペットのアドバイスに関しては、現時点でChatGPTを完全に信頼することはできませんが、ブレークスルーになる可能性があります。

これまでも、飼い主の質問に答える対話型のスクリプトサービスはありました。しかし、質問の仕方によっては、情報が出てこないこともありました。

しかしChatGPTは、アクセス可能なデータに基づいて質問に答えるスクリプトのいらない機能を備えています。今後、研究・臨床データや論文などさらに膨大なデータにアクセスできるようになれば、飛躍的に回答の精度もあがっていくでしょう。

先日、「愛犬はなぜいつも痒がっているの? ~痒みは放置せず適切なケアを」を公開しました。同じことをChatGPTに聞いてみたところ、瞬時に以下のような回答をしてくれました。

犬が痒がる理由はいくつかあります。以下にいくつかの一般的な理由を挙げてみます。

アレルギー:犬は人間と同様に、食べ物や環境などにアレルギー反応を示すことがあります。アレルギーによって引き起こされるかゆみは、全身に現れることが多く、特に足、お腹、耳の周りなどがかゆくなります。

寄生虫感染:犬には、ノミ、ダニ、マダニ、ハートワームなどの寄生虫が感染することがあります。これらの寄生虫によって引き起こされるかゆみは、特に腹部、尾の周り、肛門周辺などがかゆくなります。

皮膚疾患:犬には、アトピー性皮膚炎、カビ、菌、細菌感染、腫瘍などの皮膚疾患があります。これらの疾患によって引き起こされるかゆみは、患部によって異なります。

ストレス:犬はストレスに敏感であり、環境の変化、飼い主の不在、他のペットとの関係などによってストレスを感じることがあります。ストレスによって引き起こされるかゆみは、足、腹部、お尻、尾の周りなどがかゆくなります。

以上のような理由によって、犬がかゆがることがあります。かゆみが長期間続く場合や、かゆみに加えて皮膚の赤みやかさつきが見られる場合には、獣医師に相談することが望ましいです。


まとめ

全体として、ChatGPTは適切な見解を提供しますが、ほとんどのトピックで表面的な部分にしか触れていません。結論として、獣医師やトレーナー、ブリーダーに直接相談するほうが、より価値のある選択肢になることは間違いないでしょう。

ChatGPTは、現時点でペット同様に幼児のようなものです。まだ知らないことがたくさんありますが、これからもっと学んでよくなっていくのです。

記事を書くことを生業としている私たちにとっては、強力なライバルになるのでしょうか? ちょっと心配な話です。そこでChatGPTにペトハピの存在意義を聞いてみました。その回答は……。

テクノロジーに褒められたような、慰められたような……。これからも、飼い主のみなさんに有用な情報を届けるため、さらに精進しなくてはと思った次第です。

[編集部]