【猫飼いTIPS】なぜうちの猫はトイレで眠るの? もしかしたら大きな問題の徴候かも
猫は、どこでも眠れるというユニークな才能を持っています。しかし、もし愛猫がトイレを「排出する場所」から「眠る場所」にするようになったとしたら、獣医学的または動物行動学的な問題の徴候であるかもしれません。
トイレでの睡眠は大きな問題の前兆であり、それ自体が問題を引き起こす可能性もあるからです。今回は、トイレを寝床にする問題についてのお話です。
猫がトイレで寝る理由
猫にとってトイレは単に居心地がよくて安全な場所だと感じているだけかもしれません。しかし、猫がトイレで寝ることは本来はありえません。
このような行動の背景にはさまざまな理由が考えられますが、獣医学的な理由と行動学的な理由の2つが考えられます。
獣医学的な理由
愛猫が突然トイレで寝るようになった場合は、根本的に健康面で問題がある可能性があります。多くの猫は猫は病気になると本能的に隠れるため、愛猫は体調が悪いためにトイレが隠れ場所になっているのかもしれません。また、以下のような特定の病気でも、トイレにこもることがあります。
・尿路感染症
・便秘
・下痢
・特発性膀胱炎
・尿道閉塞
高齢の猫がトイレで寝ている場合、関節炎の徴候である可能性があります。関節が痛むと動きが悪くなり、それまで寝ていた高い場所に上がれなくなり、トイレのほうが出入りがしやすく安心できるのかもしれません。
また、認知機能障害や認知症も原因として考えられます。トイレをする場所とくつろぐ場所の境界があいまいになっていたり、混乱している可能性があります。
動物行動学的な理由
猫は繊細で注意深い生き物です。さまざまな理由でストレスを感じることがあります。ストレスが高じると、猫は慣れ親しんだ安心できる場所に身を隠すことが多くなります。
トイレは目立たない場所に設置されることが多く、ドーム型のトイレの場合は、身を隠すのに適した形状です。猫は、トイレを自分を脅かすものから逃れるためのもっとも安全な場所とみなしている可能性もあります。
したがって、獣医学的な理由でないと判断された場合は、猫の生活環境で考えられるストレスの原因を調べてみるとよいでしょう。例えば、以下のようなことが考えられます。
・引っ越しやリフォーム
・新しい家族(人間やほかの猫や犬)
・猫同士の相性
・大きな音(通常の生活音以外)
一般的に、猫の日常生活を乱すようなことは、寝る場所だけでなく正常な行動も狂わせてしまう可能性があるといわれています。
保護した猫やペットショップで購入した猫など、基本的にケージのなかで生活してきた猫の場合、トイレの近くやトイレのなかで眠ることに慣れてしまっている可能性があります。また、子猫の場合は、トイレと休憩場所の違いをまだ学んでいないだけかもしれません。
猫がトイレで寝ると病気になる?
残念ながら、その可能性はあります。トイレで寝ることは、単に潜在的な問題の兆候というだけではありません。その行動自体が猫にとって問題を引き起こす可能性があるのです。
猫が排泄した場所で眠るのは、目や耳、そしておそらく膀胱の細菌感染につながる可能性があります。皮膚感染症になる可能性もあります。
さらに、猫が睡眠をとっている間に猫砂(鉱物、紙、おから)が毛に絡まり、グルーミングによってそれらの塊を摂取し、閉塞を引き起こす可能性があります。
猫がトイレで寝るのをやめさせるには
猫がトイレで寝るのをやめさせる方法は、そもそも愛猫がなぜトイレで寝るのかという理由によって異なります。原因が解決策を決定します。
獣医師の診察を受ける
最初のステップは、獣医師の診察を受け、猫に基礎疾患がないかをチェックしてもらうことです。ただし、原因が獣医学的なものであっても、生活環境を変える必要があることもあります。
すべての猫には快適な隠れ家が必要です。例えば、地面から離れた場所などです。特に、新しい猫を迎えた場合は特に重要です。
専門家に相談する
基礎疾患がないことがわかり、主な要因がストレスやそのほかの行動上の問題であると疑われる場合は、国際動物行動コンサルタント協会(IAABC)の認定猫行動コンサルタント(CCBC))や獣医動物行動学の専門家に相談することも検討しましょう。
まとめ
猫がトイレをくつろぐ場所にするのは、何からの原因があります。疾患が原因である場合は、速やかに獣医師の診断を受け治療することが大切です。
ただ、多くの場合は生活環境に問題があったり、ストレスが起因となっているケースです。その場合は、 オハイオ州立大学獣医学部の「室内で猫を飼う準備(Indoor Pet Initiative)」を参考に、愛猫の生活環境を見直し、不足している部分を改善しましょう。
原因が何であれ、すぐに解決するとは思わないでください。猫がトイレ以外の安心して眠れる場所を見つけるまでしばらく時間がかかるかもしれません。その間に愛猫とのコミュニケーションを図り、被毛に付着した猫砂のカスをブラッシングなどで取り除いてあげましょう。
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