犬との生活術連載うんち, ハウツー, 健康, 犬との暮らし, 知識, 雑学編集部 2024年11月12日

なぜ犬はうんちのときに飼い主を見つめるの？その意味と飼い主としての対応

愛犬がうんちをしているときに、じっとあなたの目を見つめてきた経験はありませんか？　この行動には犬ならではの理由があるのです。

「見られていると恥ずかしいのではないか」「何か要求があるのかも」と感じる飼い主さんもいるかもしれませんが、じつは犬の習性やコミュニケーションが関係しています。

今回は、犬がなぜ排泄時に飼い主を見つめるのか、その背後にある理由や意味についてのお話です。

犬にとって排泄中は無防備な状態

犬が排泄中に飼い主を見つめる理由の背景には、犬が排泄中に無防備になるという事実があります。

排泄中は身動きが取りづらく敵の襲撃を受けやすいため、野生の犬やオオカミが群れで生活していた時代から慎重さが求められる瞬間でした。

犬はこの状況に潜むリスクを本能的に感じており、排泄時に飼い主を見つめることで無防備な自分を守ってくれる存在を確認しています。つまり、彼らは飼い主を信頼しているからこそ、この行動が自然に表れるのです。

犬が排泄時に飼い主を見つめる行動は、「警戒」と「安心」の両方を含んだサインです。無防備な状況であるため、周囲に対して警戒心が働く一方で、信頼する飼い主がそばにいることで安心感を得ようとします。

飼い主を見つめる行動は、「安全が確保されているか」「そばで見守ってくれるか」といった確認行動とも言えます。

このように、排泄時の視線には警戒と安心が交錯しており、犬が飼い主との絆を感じつつ、周囲への警戒心を和らげるための行動です。

犬が排泄時に飼い主を見つめる行動は、単なる安全確認だけではなく、「依存」や「絆の証」としての意味も含んでいます。

犬は飼い主に依存し、心の支えとして日々の生活を送っています。ですので排泄時も、「この瞬間も飼い主がいてくれる」という安心感が必要なのです。

視線を通じて、飼い主が自分を見守っているかを確認することで、さらに安心感を得ているといえます。

また、犬にとって信頼できる人に視線を向けることは、愛情と信頼の証であり、深い絆を感じているからこそ表れる行動です。特に、飼い主がその視線に応えることで、犬は「見守ってもらえている」と感じ、絆が一層深まります。

飼い主としては、愛犬の視線を軽く返してあげるだけで、犬にとって大きな安心となります。

犬は視線を使ってさまざまなメッセージを伝える動物です。排泄中の視線も、飼い主との「社会的な関わり」を示す行動のひとつです。

犬は飼い主に対して社会的なパートナーとしての意識を持ち、普段から飼い主の顔色や反応を確認しています。この視線は、犬が人間と社会的に交流するための方法として進化してきたものであり、単に生理的な行動ではありません。

飼い主が犬の視線を返すことで、犬はさらに飼い主を信頼し、「この人は自分を守ってくれる存在だ」と認識を強めます。

このように、排泄中の視線も、犬が飼い主とのつながりを確かめるための自然な行動であり、飼い主との信頼関係を強化するものとして理解できます。

犬が排泄中に見つめてくる際、飼い主がどのように対応するかで犬の安心感が大きく変わります。

犬は無防備な状態で飼い主に信頼を寄せているため、飼い主としてはリラックスした表情や態度で見守ることが大切です。

過剰な反応を避け、穏やかに見守ることで、犬は安心して排泄を終えることができます。また、排泄後に軽く褒めることで、犬にとって排泄行動がポジティブな経験となり、次回からも安心して行えるようになります。

逆に、視線を返さなかったり、突然動いたりすると犬が不安を感じることもあるため、飼い主は犬の気持ちに寄り添い、できるだけ穏やかな態度を保つことが大切です。

犬が排泄中に飼い主を見つめてくるのは、飼い主が自分のトイレ習慣を気にかけていることに気づいているからかもしれません。

排泄の頻度や状態は健康をチェックするうえでの重要な指標であり、飼い主が日常的に注意を払うことで、犬との信頼関係も深まります。

犬の排泄行動を観察することは、健康管理の一環として非常に役立ちます。排泄時に必要以上に力んだり、お尻を地面にこすりつける「スクーティング」などの異常行動が見られる場合は、何らかの健康トラブルのサインである可能性があります。

便の硬さや色、形状をチェックすることで、健康状態の変化にも早期に気づくことができます。排泄は健康状態を把握するための大切なバロメーターといえるでしょう。

例えば、普段は1日1〜2回の排便が突然増えた場合は、お腹を壊していることが考えられます。また、便が異常に硬かったり、乾いていたりする場合には、便秘や脱水症状の可能性があります。

軟便や下痢も体調不良のサインであり、腸内寄生虫や感染症、食事の変化、そのほかの病気が原因となっていることもあります。

犬が排泄中に飼い主を見つめるのは、安全を確かめたいという「警戒」と、安心感を得るための「信頼」のサインです。この行動を通じて、犬は飼い主に依存し、社会的な絆を深めようとしています。

飼い主として、この視線に適切に対応し、リラックスした態度で見守ることで、犬はより安心して生活できるでしょう。愛犬が示す視線を理解し、その意味を尊重することで、愛犬との関係がさらに深まることでしょう。