【編集興記】「ファイバー(食物繊維)の日」に考える腸内環境と健康のこと
ちょっと気になったペット関連のトピックスを、編集スタッフが持ち回りで紹介する“不定期”コーナーです。
5月18日は「ファイバー(食物繊維)の日」です。「5(ファイブ)1(イ)8(バ)」の語呂合わせから、食物繊維に関する情報の提供・収集を行う学術団体「ファイバーアカデミア」が2005年に制定しました。
食物繊維を摂取することの大切さを再認識してもらうことを目的としています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、食物繊維の摂取目標は男性が21g以上、女性が18g以上であるとされています。
この数値、野菜で摂取しようとするとかなり大変です。例えば、キャベツの場合は丸ごと1玉(約1㎏)、レタスなら4~5玉食べてやっと達成できます。さらに、納豆なら7パックになります。
文部科学省「食品成分データベース」の食品成分ランキングで食物繊維総量を検索すると、こんにゃくやきくらげ、海藻類やキノコ類に多く含まれていることがわかります。毎日の食事で、これらの食材をうまく組み合わせて摂ることが重要なのです。
食物繊維は小腸で消化・吸収されずに大腸まで達する食品成分です。整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。
食物繊維が不足すると、腸内環境の悪化が肥満、糖尿病、大腸がん、アトピー、炎症性腸疾患などの多くの病気の発症と密接な関係があることもわかっています。
現在の日本人は、食物繊維が不足ぎみなので積極的に接種することが大切です。ちなみに、犬や猫にとっても食物繊維は必要な栄養素といわれており、一般的には5%程度が適量とされています。
昨今は、腸内環境を整える「腸活」がいろいろなところで紹介されています。腸内細菌の種類は人間で500~1,000種類、約1,000兆個の微生物が腸管内に寄生しています。そして、ペットの腸内細菌もほぼ同じような環境です。
腸内細菌は、善玉菌(良い働きをする細菌)と悪玉菌(悪い働きをする菌)、日和見菌(ときには良い働きををして、ときには悪い働きをする細菌)の3グループで構成されています。
健康でいるためには、善玉菌を増やすことが重要です。その方法には大きく分けて2通りありますます。まずひとつめは、善玉菌である乳酸菌など「プロバイオティクス」を直接摂取する方法です。
そしてもうひとつが、「プレバイオティクス」を摂取する方法です。プレバイオティクスとは、食物繊維やオリゴ糖で、腸内にもともと存在する善玉菌のエサとなります。
つまり、善玉菌が食物繊維などをモリモリと食べることで元気になり、善玉菌が優勢な腸内環境が実現できるということです。
私たち家族全員が、おなかのなかに共存している腸内細菌を喜ばせるために食物繊維を積極的に摂りましょう。それが、健康で長生きすることに繋がりますので。
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