こんな時だからこそ自宅でペットのグルーミング
新型コロナウイルスの感染を防ぐため外出を自粛して、なかなかトリミングサロンに行かれない人も多いかと思います。しかし、英国にある世界最古のケネルクラブ「The Kennel Club」では、犬の健康と福祉の観点から、パンデミックの期間中に家で定期的に手入れをすることを推奨しています。以下が自宅で犬を手入れする方法に関するアドバイスとヒントです。
Pet suppliers fall under shops selling ‘essential items’ so many are still open if you need to purchase grooming tools and dog-specific shampoo.
(ペット用品は「必需品」に該当します。シャンプーなどグルーミングツーを購入する必要がある場合は、まだ営業しているペットショップで購入しましょう)
A good idea would be to brush your dog’s coat little and often, taking care around the sensitive areas. This will help your dog’s coat stay free of mats, whilst keeping your dog used to being handled.
(ブラッシングはこまめにすることが大切です。デリケートな部分をブラッシングするときは慎重に。また継続して行うことで毛玉ができるのを防ぐことができ、さらに触られることに抵抗を感じずにいられます)
Regular bathing of your dog will make sure their coat is kept clean, however please do ensure your dog’s coat is knot-free before, as bathing without brushing could cause further matting of the coat.
(定期的にお風呂に入れることで被毛を清潔に保つことができます。ただ、そのままだと毛玉になることがあるので、お風呂の前にブラッシングをして被毛の絡みを解いてあげるようにしましょう)
Grooming could be used as a bonding time with your dog, with treats as rewards.
(グルーミングはご褒美としておやつをあげながら。そうすることで、愛犬との絆を深めるための時間となります)
If your dog has a build-up of discharge around its eyes, please do not try and trim anywhere around their eyes. Instead, a small moist cotton wool piece can be carefully wiped from the corner of your dog’s eyes in a gentle downwards motion. This should remove or loosen any discharge surrounding the eye. Done daily, this can help prevent any build-up from occurring.
(犬の目の周りに分泌物(目やに)が溜まっている場合は、目の周りの毛をカットしようとしないでください。湿らせた小さなコットンで、目の端から下に向かって優しく拭いてあげてください。毎日行うことで、目の周りに分泌物が溜まるのを防ぐことにもできます)
Try and check your dog’s claws as much as you can. If they are starting to curl and cut into the dog’s paw pad it might be advisable to call your vet, as this could be seen as a welfare issue.
(犬の爪をできるだけチェックしてみてください。犬の爪がカールし始めたり、犬の肉球に食い込んだりしている場合は、健康に問題があるかもしれないので、かかりつけの獣医に連絡することをオススメします)
日本でも英国ほどではありませんが、外出自粛によって愛犬をサロンに連れて行けない飼い主の人が多くいるようです。メディカルトリマー協会の理事長で、ペットサロン「peron」のオーナーでもある小澤 由香さんも、こんな時期だからこそ、自宅でペットのケアをしてあげてほしいと話します。
「飼い主自身がシャンプーなどケアをすることにより、愛犬・愛猫とのコミュニケーションのほかに、皮膚の状態や被毛の状態を確認することができます。また、おかしな膨らみなどに気づくこともあります。もしかしたら疾患につながるものかもしれませんので、すぐにかかりつけの獣医さんに相談できます」と小澤さん。早期発見が、適切なケアや治療をスムーズに進められ、これから先の将来も大きく変わってくるという、メディカルトリマー的な考え方です。
シャンプー選びも考えたいといいます。「ちまたには、薬用を謳ったシャンプーが多く発売されていますが、この薬用という言葉には注意が必要です」と小澤さん。薬用が必ずしもすべての犬や猫によいということではなく、かえって皮膚や被毛の状態を悪化させてしまう危険性もあるということです。メディカルトリマー協会では、臨床獣医師と共同開発したスキンケア商品「ピードット」を推奨しています。興味のある人は試してみてはいかがでしょうか。
また、シャンプー後にはしっかり乾かすことも必要だそうです。「まずはタオルドライである程度の水分をとったら、ドライヤーでしっかり乾かしてあげてください。生乾きで放置すると毛玉の原因や、蒸れから皮膚疾患にも繋がる可能性もあります」とのこと。一般家庭にはサロンのような業務用のドライヤーはないと思いますが、そんなときには飼い主のみなさんが使っているドライヤーで十分だそうです。
自宅で使うのにオススメなドライヤー(カドークオーラ社製)も紹介してくれました。「ドライヤーに必要な要素をすべてもっています。まず、風量があるので一気に乾かしてくれます。そして、高温ではなく中温なので被毛を傷めず、音もほかのドライヤーに比べて静かなので犬も嫌がりません。さらに、遠赤外線なので毛の根元からしっかり乾かしながらも潤いはキープしてくれます」。じつは小澤さんもご自身で愛用しているとのこと。ノーズレスなので持ったときのバランスがよく、手首が疲れないのもポイントのようです。このドライヤーは、 プロのブリーダーにも愛用者が増えているようです。
最後に小澤さんは自宅ケアの注意点も教えてくれました。「個々にケアの仕方は異なりますので、その子に合ったケアを探してあげましょう。無理やり教科書どおりのことをすると互いにストレスになるばかりか、ケガをすることも少なくありません。ホームケアは、飼い主自身が 愛犬・愛猫と向き合うための良い時間と考え、ご自身でケアの勉強もすることも大切だと思います」
このように、外出自粛が続くと、私たち飼い主もペットたちもストレスがたまります。一緒に遊ぶだけでなく、ときにはシャンプーなどもして、愛犬・愛猫の健康状況をチェックしてあげ、ともにストレスなく健康に過ごしましょう。
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