トイ・プードルの膝疾患は遺伝が原因。アニコム損保と理研の共同研究

アニコム損害保険と、理化学研究所の共同研究チームは、2000頭以上の犬を調査した結果、家庭犬としてもっとも人気のあるトイ・プードルに多発する病気「膝蓋骨脱臼(パテラ)」の発症に、遺伝的な影響が強く関与するという研究結果を「The Journal of Veterinary Medical Science」で発表しました。

今回の研究では、日本における人気犬種である9犬種(トイ・プードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフンド、柴犬、ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、マルチーズ、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー)、計2048頭の子犬(0歳齢)を対象に、膝蓋骨脱臼の調査を実施しました。その結果、トイ・プードルが有病率トップの14.4%と、約7頭に1頭が発症していました。

トイ・プードルは約7頭に1頭がパテラ

また、ある子犬が発症した場合、一緒に生まれた兄弟犬も発症するリスクは、発症した兄弟犬がいない場合に比べて16.2倍も高かったという結果から、遺伝的な関係性が近いほど膝蓋骨脱臼になりやすいと考えられます。このことにより、トイ・プードルの膝蓋骨脱臼には遺伝的な影響が強いことが明らかとしています。

今年に入って大手ペットショップチェーンはこぞって販売する子犬・子猫の遺伝子検査の実施を発表しましたが、こうした遺伝病を減らしていくためには、むしろ親犬・親猫の遺伝子検査の徹底が必須です。日本では、まだまだこの分野は海外に大きく遅れをとっています。ブリーダーの質の向上とペット流通の健全化には、法改正よりも私たち消費者の厳しい目が重要といえます。