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ペットの健康と幸福に! 腸内細菌とプロバイオティクス

[2021/05/18 6:01 am | 獣医学博士 川野浩志]

最近、「腸内フローラ」や「腸内細菌」という言葉をよく聞くようになりました。その理由は、今まで存在していなかった“スゴい武器”(次世代シーケンサー)が、世界中で使えるようになったからなんです。

この次世代シーケンサーが、どれだけスゴいのか。例えば、海中にどんな魚(生物)がいるか知りたいときに、これまでは釣りや海水を摂取して捕獲した魚や生物を一つひとつカウントしていました。ところが次世代シーケンサーを使えば、海水一滴で海中に生息する魚だけではなく海藻や甲殻類までも、どのくらいの種類と数がいるかをサクッと知ることができるようになったのです。

この“スゴい武器”を使って世界中の研究者たちが腸内細菌の研究を始めた結果、これまで知ることができなかったブラックボックスに何が入っているかを探る研究論文が毎日報告されるようになったというわけです。

その結果、人間(飼い主)と同様にペットの健康と幸福も、腸の微生物(gut microbes)に大きく依存していることがわかってきました。したがって、腸内環境に対する適切なケアと栄養バランスの取れた食事を与えることは、ペットの健康を維持するために、やはり重要なポイントになります。

プロバイオティクスとしてのサプリメント(乳酸菌やビフィズス菌)は、急性胃腸炎の予防と治療、炎症性腸疾患(IBD)の治療、アレルギーの治療と予防に有用であると報告されています。

プロバイオティクスの定義は「腸内フローラのバランスを改善することにより有益な作用をもたらす生きた微生物」であり、その微生物を含む食品(ヨーグルトや乳酸菌飲料)をプロバイオティクスと呼んだりもします。

腸活で、家族全員が健康で長生きできますように!

[獣医学博士 川野浩志]