猫との暮らしで知っておきたいこと Vol.128

【猫飼いTIPS】愛猫にどれくらいの量のフードを与えるべきですか?

[2023/04/21 6:01 am | 編集部]

すべての生き物にとって、食事の時間は大切です。しかし、猫にどれくらいの量のフードを与えるべきかは、年齢や活動レベル、必要な栄養素など、いくつかの要素を考慮する必要があります。今回は猫の食事についてのお話です。

愛猫の食事は栄養だけでなく費用も考える

初めて猫を飼う人も、何年も猫と暮らしている人も、自分の猫が十分な食事をしているかどうか気になることがあるでしょう。

愛猫にどれくらいの量のフードを与えるかについては、愛猫の個々のニーズだけでなく、飼い主のあなたのライフスタイルや家計も考慮する必要があります。

愛猫の健康は、しっかりとした栄養基盤を築き、愛猫を太らせるような不必要なリスクを避けることにかかっているので、賢く見極めたいところです。

フードの量と必要な栄養素

猫にどれくらいの量のフードを与えるかについては、次のようにいくつかの考慮すべき点があります。

 ・愛猫の年齢
 ・愛猫の体重
 ・愛猫の活動量
 ・妊娠中・授乳中の場合
 ・フードの種類(ドライ・ウェット・両方)
 ・愛猫に必要な栄養素
 ・生活環境(室内・室外・両方)
 ・ライフスタイルと家計


特に、愛猫の栄養バランスを見極める際には、動物栄養学を専門とする獣医や栄養士に相談するとよいでしょう。猫は完全肉食動物なので、その食事内容はほかのペットとは異なるかもしれません。愛猫の食事に必要な栄養素には、以下のようなものがあります

タンパク質

肉食動物である猫の食事には、動物性タンパク質(肉、魚、鶏肉)は必須です。特に子猫の場合は、タンパク質を多く必要とします。

アルギニン

肉類に含まれるアミノ酸の一種です。猫は自分でこの酵素をつくり出せませんが、体内のアンモニアを排出するために必要です。

タウリン

子猫の成長期や成猫の健康維持に欠かせないアミノ酸です。猫の体内では生成されないため、食事に欠かせない栄養素です。

ビタミン類

フードには、ビタミンA、ナイアシン、ビタミンDが含まれていることが望ましいです。

猫に水分補給をさせることは、生命を維持するためにも非常に重要です。

フードを選ぶ際には裏書きに注目する

キャットフードの広告や、袋や缶の表に書いてあるキャッチフレーズではなく、裏のラベルに注目しましょう。また、カロリーに注意を払うことが大切です。

高品質のペットフードは少ないカロリーで栄養を摂取できますが、それと同じ効果を得るために低品質なキャットフードはより多くのカロリー与えることになります。これは栄養成分の違いによるものです。

平均的な体型の猫に必要なカロリーは、体重1kgに対して1日50~70キロカロリー程度とされています。例えば、体重4kgの成猫の場合、1日に必要なカロリーは200~280キロカロリーくらいです。

活動量の少ない猫の場合、食べる量が少なくて済むかもしれません。ただし、室内で暮らす猫は自分で食べる量を調整できないため、食べ放題のビュッフェスタイルは避けるべきです。

また、多頭飼育の場合はそれぞれの猫に専用の給餌器を用意し、個々の栄養ニーズを満たすようにする必要があります。

猫に与えるフードの量を決めるには、目分量ではなくフード計量カップで量るのが最適です。最近では、電子計量スプーンなどもあるので正確に量れます。

また、自動給餌器を使う方法もあります。給餌量を細かく設定できる製品もあるので、面倒くさがりの人にはオススメです。

朝と夜に1回ずつ猫に食事を与える予定の場合は、ある程度の計算が必要です。また、一日中出しておく場合も総量を計量しておく必要があります。

フードのコストも考える

愛猫に最適なフードを選ぶ際にコストを考えるのであれば、1カ月あたりのフード代がいくらになるかを調べてみましょう。また、同じフードであっても、量販店やペットショップ、ドラッグストア、ネットなど、さまざまな選択肢があります。

愛猫にドライフードを与えるのか、ウェットフードを与えるのか、あるいはその2つを組み合わせて与えるのかについても検討する必要があります。ドライフードとウェットフードのどちらが優れるということはなく、それぞれに長所と短所があります。

一般的に、ドライフードを食べる猫は、歯石や歯垢が少ない傾向にあります。その反面、必要な量の水を飲まない傾向があり、脱水症状を起こす可能性があります。

ドライフードは缶詰よりもカロリー単価が安いのですが、缶詰には水分補給のメリットがあります。ただ、多様な食事の仕方は猫にとって満足度が高く、結果的に健康な生活を送ることにもつながります。

また、子猫のうちからさまざまな種類のフードを与えることも大切です。ドライフードはキブル(粒)の大きさや形状、ウェットフードはパテやペースト、フレーク、スープなど。食感の好みが固定されてしまうと、加齢とともにさまざまな種類のフードを食べにくくなります。若いうちからいろいろなタイプのフードを与えることで、柔軟性が高まります。

まとめ

愛猫に、どんなフードをどれくらいの量を与えるかについては、多くのことを考えなければなりませんが、努力する価値はあります。猫には多すぎず少なすぎず、ちょうどいいバランスが重要です。

愛猫に合ったメニューや食事方法が決まったあとも、愛猫の成長や変化に合わせて、必要な栄養を調整する必要があります。定期的に健康診断を受け、体重の変化を観察しましょう。

[編集部]