藤山哲人の愛犬生活プラスワン Vol.20

オゾンがペットとの生活を快適にするワケ

[2016/10/28 6:00 am | 藤山哲人]

日ごろからペットと一緒に暮らしていると、なかなかそのニオイに気がつかない。でも、先日4日間ほど家を空けて帰宅すると、スゴくおしっこくさくて驚いた。しかも、子どもたちがお風呂から上がったあとで、むんむんした湿気とのコンボで、ちょっとクラッときた。

そんなペット臭のお悩み解消グッズとして、大注目されているのがオゾン発生器。これまで工場などの業務、ホテルや不動産業など特殊用途として使われていた、オゾンを放出して快適空間をつくるのだ。

ここで紹介するのは、民生用に小型・安全化されたオゾンマートの「オースリークリア2」だ。

オゾンって怖いガスじゃないの? いいえ、すぐれた殺菌性を持っています!

まず、みなさんが思うのが「オゾンは危険なものじゃないか?」という疑念。今でも時おり「オゾン層の破壊で地球が温暖化」なんてニュースが聞かれるけれど、オゾンは危険なものではない。むしろオゾン層があるおかげで、太陽からの有害な紫外線成分をカットしてくれるよい存在。怖いのは昔の冷蔵庫やエアコン、スプレー缶に使われていたフロンガスだ。これが上空にあるオゾンの層を変質させてしまい、結果として太陽からの有害な紫外線を多く通してしまうという点だ。

オゾンには消臭・除菌効果があるため、食品工場などでは夜間の生産ラインが休止している間、部屋全体をオゾンで満たして消臭・除菌しているところもある。とくに生肉や魚の加工会社では、床は塩素の水で荒い流して、まな板や加工台などは水にオゾンを溶かしたオゾン水で消毒するなどの対応をしている(塩素を使うと食品がプールくさくなってしまうため)。なお、日本ではオゾンは食品添加物として認可されている。

とある神社の宿泊施設には、廊下の天井近くにコイツが壁掛けされていてビックリ! 業界内では有名なのか?

また、みなさんはホテルや旅館などの布団に入ったとき、前の人のニオイがほとんど感じられず、不思議に思ったことはないだろうか? 安いホテルや海外だと、前の人の香水の残り香を感じるときもあるが、国内のホテルではまずない。じつは、これにもオゾンが使われている。前の人がチェックアウトすると清掃が始まり、同時にオゾンで部屋を消臭・除菌する。さらに、別の場所では、汚れたリネンをオゾンで消臭しているのだ。

「ええ!? じゃあ部屋がオゾン臭くならないの?」と思う人も多いだろう。確かにそのとおり! でも、消臭後に必ず換気をしてから、次の人がチェックインしても、ほとんどオゾン臭を感じることはない。ただ、筆者の経験上、チェックインして枕や布団に鼻を押し当てて、ニオイを嗅ぐとオゾンのニオイのするホテルが結構ある(笑)。先日京都のサウナ&カプセルホテルに泊まってきたのだが、いつものようにニオイがするかな? とスーハーしたら案の定、オゾンの香りがほんのりした(笑)。

とあるカプセルホテルは、枕をクンカクンカしたらオゾンのニオイが! ここでも使ってるのか!

ほかにも賃貸不動産で前の住人が退去したあとのニオイ消しや、中古車を販売する際のタバコのニオイ消し等々、業務用ではあらゆるところで活躍しているのがオゾンなのだ。

クルマのシガーソケットからも電源が取れるので、タバコやペットのニオイ消しなどにも有効。エアコンで送風している状態にすれば、エアダクトの奥まで消臭・除菌OK!

このようにオゾンは、消臭や除菌効果にとても役に立つという点をまず理解してほしい。唯一危険なのは、高濃度のオゾン。たとえば夜間工場を閉め切って殺菌するためには、高濃度オゾンを使っているので、人間の立ち入りは禁止だ。でも、そこまで高濃度になるシーンは、日常ではまずない。少しニオイがする程度なら、まったく安全といってもいいだろう。

ペットのトイレ周りにタイマーをセットして消臭

これまで業務用機器で価格も高く、操作する側が安全性に注意しなければならなかったオゾン発生器だが、オースリークリアはあくまで民生機で業務用に比べるとパワーは抑えてある。しかし、ペットのトイレの近くなどで使うと、数日間でその効果を実感できるはずだ。

使い方は簡単で、オースリークリア本体が発生したオゾンを吸い込まない場所に設置。そこからホースでペットのトイレなどに吹き出し口をセットする。基本的に無人の状況で運転させるため、運転中は人もペットも退室しておこう。

実際にはペットのトイレから離れた場所に本体をセット

あとはタイマーをセットするだけでいい。このタイマーは、運連する時間(1~40分)と、待機時間(30分~6時間)をセットするようになっていて、コンセントに差し込んでいる間、間欠運転をするようになっている。

40分動作して消臭・除菌するモード。スイッチの切り替えでONとOFFの時間を指定する

部屋の大きさやニオイの強さ、ペットの安全性も考慮して、最初は10分運転・60分待機でいいだろう。なお、閉め切った部屋で運転すると、オゾンがどんどんたまっていく(空気より重い)ので、ペットのトイレならドアを開放しておくといいだろう。

家で使用するときはコンセントにACアダプタを差し込む
ホースを接続して、オゾンを放出する場所から離したところへ本体をセット。こうすると本体がオゾンを吸い込まなくなり、機械が長持ちする

また、高気密住宅では、運転時間を長く待機時間を短くし、長時間運転し続けると目やのどに異常を感じる場合もあるかもしれない。こんなときはペットも不快なはずなので、運転時間を短く、待機時間を長くしてやるといい。

どんなに高気密住宅であっても、法律上空気が入れ替わるようになっているので、待機時間を長くとれば問題ない。

さて、ペットのトイレ消臭には、少し時間がかかるので、短時間で実験できるようにしたのがコレ。用意したのは薬局で売っているアンモニア。要は虫刺され用のキンカンだ。これをたっぷりティッシュに染み込ませ、2リットルの麦茶ボトルに入れてどれだけニオイが違うかを実験してみた。

まずはふつうの空気が入ったボトルで、3分間アンモニアティッシュを入れ、フタを開けてニオイセンサーでその強さを測定。もう一方はあらかじめオゾンで満たしておいたボトルにいれ、測定した結果だ。

ふつうの空気中に3分間アンモニアを入れておくと、ニオイのレベルは205。これは強烈に目を刺すニオイ
あらかじめオゾンをたっぷり入れておき、ここにアンモニアをたらして3分放置。なんと、ニオイが分解され数字は28に! これはもう無臭に近い数値

驚くほどの消臭能力! これなら、なんだかいつもヘンなニオイのする冷蔵庫も消臭できるのでは? と考え、一晩オゾンを注入して消臭してみた。

センサーによると、ニオイのレベルは101。アンモニアより臭くないけど、あの冷蔵庫独特のイヤなニオイ
一晩オゾンで消臭したら……。およそ1/3の37に! すげー!

ちなみに消臭とは少し趣旨が違うが、こんな実験もやってみた。用意したのは、プリンタの詰め替え用インクとペットボトルに入った水。インクジェットプリンタを使ったことがある人なら、誰でも経験しているはずだが、あのインクって手に付くとなかなか取れない! お風呂で石鹸でゴシゴシやってもダメ、アルコールでもなかなか落ちない。結局数日間、汚れっぱなしになってしまうというインク。

インクジェットプリンタのインクは手に付くと数日間取れない強力インク
ホースの先に金魚用のエアストーンをつけて、インクで真っ黒にしたペットボトルの水の中へ!

このインクを景気よく水が真っ黒になるまで入れる。で、オゾンのホースの先に水とより混じりやすくするために、金魚用のエアストーンをつけてみる。

あとはしばらくオゾンを放出していると……、なんと! 水が透明に!

スイッチON! オゾン発生開始
大体1時間半で黒色から茶色になった!
そのままで2時間半経過したところでは、ほぼ黒がなくなって、向こう側が透けて見えるほど漂白された

これはインクとの科学反応なので、すべてのインクがキレイになるって話ではないが、オゾンにはこんな漂白効果もあるという実験。なので、こうしてオゾン水をつくって、ペットの毛を拭いてあげれば、シャンプーなどに頼ることなく、ナチュラル素材で毛並みのお手入れもできるというワケ。

ペットの消臭やケアにも! いろいろ使えるオゾン発生器

部屋を閉め切ったりしなければ安全なオゾン。その消臭効果は活性炭を大量に使った空気清浄機と同じくらいで、なおかつ除菌効果もある。さらにオゾンを溶かしたオゾン水を使えば、ペットのヘアケアにも使えるという万能っぷり。

ペットだけじゃなく冷蔵庫やキッチンまわり、トイレの消臭などいろいろと使えるオゾン発生器。これまで業務用でしか存在が知られていなかったオゾン発生器が、ようやく民生機として登場。オースリークリア2はPSEマークを取得しているため、安全性も高く安心して使えるし、これは便利!

[藤山哲人]