藤山哲人の愛犬生活プラスワン Vol.1

ワンコやニャンコとのコミュニケーションツール

[2015/10/23 6:00 am | 藤山哲人]

子どもの気持ちを理解するには、子ども視点でモノを見るといいという。もちろん「子どもの立場になって考える」という意味だが、実際に子どもと同じ目線でまわりを見ると、大人の視線の高さからは見えなかった世界がいろいろが見えてくる。

それは子どもという存在に近いペットたちにもいえること。彼らは言葉が話せないので、子どもを理解するよりはるかに難しい。なにより小型のワンコやニャンコの目線で世界を見るのは超難問だ。

そこでオススメしたいのが、ペット目線でムービーが録画できる超小型軽量カメラ「EYENIMAL」だ。英語のスペルそのままに読むと「アイニマル」なのだが、おそらく「イ」は発音しないで「アニマル」と呼ぶのだろう。

超小型軽量カメラ「EYENIMAL」。価格は1万5000円(税別)
カメラと一体型のクリップを首輪に挟むだけで固定できる

カメラの中に充電式の電池を内蔵しているので、パソコンやスマートフォンの充電器のUSBコネクタに、付属のUSBケーブルを差し込んで接続すると充電できる。

録画したムービーの再生にはパソコンが必要。付属のUSBケーブルでパソコンと接続して、保存されているAVIというファイルをコピーや移動して再生すればいい。

付属のUSBケーブルでパソコンと接続して保存されているムービーを再生するだけ

解像度は640×480ピクセルで、スマートフォンのムービー撮影で一番画質の低いモード。ハイビジョンだとカメラがそれなりに大きく重たくなるので、ペットへの負担を一番に考えてのことだろう。だいたいネット動画ぐらいの画質で見られるので、十分に実用範囲の映像だ。

いろんな「?」の糸口が見つかるコミュニケーションツール

使い方は簡単。カメラにはクリップがついているので首輪に挟むだけでいい。クリップには「かえし」がついているので、元気に走り回る子でも落ちたりしないようだ。

わが家のマルチーズの定吉くんにつけてみたところ、まったく嫌がることもなく、まるで気にしていないようだった。重量は33gでだいたい単3電池1本ぐらいの軽さ。大きさは貝の「ハマグリ」程度だ。

注意してほしいのは、首から胸元にかけての毛が長い子は、ちょっと映像が毛に隠れることがある。短毛種やきちんとトリミングしているワンコ、ニャンコなら問題ないだろう。

小型で軽いカメラをまるで気にすることのない定吉くん。まぁ、コイツはオレに似て神経太いからなぁ~
リードの張り方や頭の向きによって、カメラの前に毛がかぶさってしまい写らないことも……

このEYENIMALは言葉で説明するよりも、まずは映像を見た方がわかりやすい。散歩や家でのムービーを見てほしい。なお音量は小さいが、音声も入っている。

定吉の視点では外の世界はどのように見えているのか?
EYENIMALをつけた定吉の視点での自宅

中型~大型犬だとほぼ同じ目線の映像に見えると思うが、小型のワンコやニャンコだと、目線よりかなり低めな映像に見える点は仕方がない。より彼らの目線に近い映像を見たい場合は、ハーネスなどを工夫するといいだろう。

さて、散歩中のムービーでわかるのは、どんなモノに興味を持っているのか? なんでいつも散歩の途中で立ち止まるポイントがあるのか? お散歩コースに危険はないか? などだ。

定吉くんは、草むらや植木の中が大好きで、よく突進していく。飼い主としては白いマルチーズが、あっという間に真っ黒になり、毛に絡みつく種だらけになるので、行ってほしくないところナンバーワン。

やめてくれー!とリードを引っ張っても、草むらに突進する定吉さん
うんちをするわけでもないのに、草むらで恍惚の表情を見せる。秋になると自慢の毛に種がついて大変なのに!

ただEYENIMALの映像を見ると、入りたくなる気持ちもわかる。レンタルビデオ店にある「のれん」の向こうに何があるのか? という興味と一緒で、定吉くんには植木の暗闇の向こうにパラダイスがあるように見えるのだろう。まぁ、オスってそんなモン。

ワンちゃんによっては、いつも散歩コースで立ち止まるポイントには何があるのか? なども写るだろう。また、ヒトには気にならない道路の穴や落ちているものなど、危険を調べるのにも役立つだろう。

外出中に何をしているかを録画しておけば、留守番中に何をしているかもわかってくる。だいたい、ひと通りの巡回コースを巡って、自分の基地に戻ってひと眠り。物音が聞こえると玄関に走っていって、ご主人を待つというよい子ならいい。でも、ご主人が不在なのをいいことに、誰かがきたらワンワン吠えたり、テーブルに上ってみたりと、こっそりイタズラをしているかもしれない。

ボク、いつもいい子だけど何か?
あっ、おいしそうなもの食べてるぞ! 落ちてこないかな?
郵便物とっちらかしたのボクじゃないよ。だって、こんなにかわいいボクがやるわけないでしょ?

連続撮影は2時間半まで録画(30分ごとに1本のムービーになる)できるので、週末に長めのお買い物で留守にしても十分に録画できるはずだ。

また、部屋で一緒に遊んでいるとき、ペットには自分がどうやって見えているかもわかる。ふとした動きなおで威圧感や怖さを覚えさせるようなことはしていないか? などを確認するのにいいだろう。

こうしていろいろなシーンを映像に撮ってみると、これまでの「?」の糸口が見つかり、ペットの気持ちがよくわかるコミュニケーションツールとして使えるはずだ。

[藤山哲人]