名古屋市内で自宅のように寛げる宿に泊まる旅
「名古屋には猫と泊まれる宿が少ない」とよく耳にします。もともと愛知県名古屋市はペットと泊まれる宿が少ないのですが、猫と一緒に宿泊となると探すのは至難の業。そんなみなさんに朗報です。
名古屋でキャットショーがあるときには、私は高速道路で40分ほどクルマを走らせ、知多半島の猫可ホテルに宿泊していました。遠いなあと思いながらも、名古屋市内に愛猫と泊まれる宿がないなら仕方がないと諦めていたのです。
今回、私が泊まった宿は「デザイナーズアパートPolaris」。いわゆる民泊(個人宅や投資用に所有している部屋を有料で貸し出す宿泊サービス)です。名古屋駅から3.6㎞、クルマで約13分の場所にあります。電車の場合は、名古屋市営東山線の伏見駅で乗り換え、名古屋市営鶴舞線の浄心駅で下車して徒歩6分。住宅街の中にあり、とても静かな環境です。
今回は、キャットショーに参加した知人の愛猫であるメインクーンのリャムリャムちゃんと「自宅のように寛げる宿」で1泊2日の旅を楽しみました。

名古屋に辿り着けるのか!?
滋賀県の陶芸で有名な信楽に住んでいる私は、普段は信楽ICから高速に入ります。しかし、前日の夜から天候が悪化し、名古屋方面に向かう高速道路が21:00に封鎖されてしまいました。信楽は雪の影響がなかったので、「明日には解除されますように」と祈りながら休みました。
しかし、朝になり玄関を出ると、一面の雪景色。「あぁ……どうしよう」と思わず声が出るほどの積雪でした。 今回のキャットショーは2日間の開催で、私は猫を出陳していなかったのですが、1日目終了後に知人の愛猫を預かり、翌日は私が出陳のサポートをすることになっていました。そのため、夕方までに名古屋駅に到着する必要がありました。しかし、この雪では駐車場からクルマを出せない。仮に出せたとしても、その先の急な坂道が危険すぎる……。
「なんとか自宅から信楽駅まで行って、そこから電車と新幹線を乗り継いで名古屋駅まで行くしかない」とプランを練り直しました。この日の天気は晴れ。お昼までに雪が解ければ、信楽駅までクルマで行けるはず。タイムリミットは12:00。
その後、幸いにも雪が解け、無事に信楽駅まで車で行くことができました。そして、名古屋駅にも無事到着。
知人の愛猫と一緒に猫ルームに宿泊
キャットショーに出陳していた知人から愛猫のリャムリャムちゃんを預かり、一緒に宿泊する知人のクルマで宿へ向かいました。宿泊するのは「Polaris102号室」、猫専用のお部屋です。駐車場は敷地内に1台分と、徒歩3分ほどの場所に1台分。今回は敷地内に停められたので、荷物の運搬が楽でした。

チェックインは非対面式で、指定された場所に置かれたカードキーで開錠。 部屋はロフト付きのワンルーム。玄関を入ると左手にキッチン、右手にお風呂とトイレ。奥に進み、小さな階段を上がるとリビングルームになっており、ロフトが寝室になっています。
まずは荷物を置き、宿泊者名簿に記入。「室内では放置せず、ペットから目を離さないでください」「外出時はケージに入れてください」などの注意事項がありました。それを守れば、愛猫は自由に室内を動き回れ、ストレスフリーで過ごせます。 どの場所も嫌なニオイがなく、清潔で好印象でした。

さっそく持参した折り畳み式ケージを組み立て、リャムリャムちゃんの落ち着ける場所を作成。ケージの敷物やブランケットは、宿の備品を使用しました。 キャットショーの間はあまり食事をとらないので、落ち着いた環境でご飯タイムです。
猫用の設備は充実しており、ベッド、トイレ(猫砂付き)、食器、折り畳み式ケージ、爪とぎ、ブランケット、おもちゃが完備。 さらに、猫用のおやつも用意されていて、ご飯さえ持参すれば快適に過ごせます。フローリングは表面加工されており、粗相してもサッと拭けばOK。階段には滑り止めが付いているので、飼い主も猫も安心です。

「猫ルーム」と名付けられたこの部屋には、リビングルームの壁一面にキャットステップが備え付けられています。 ロフトがあるため天井も高く、登りがいのあるつくり。リャムリャムちゃんをキャットステップに乗せてみると、最初は恐る恐るでしたが、やがて最上段に登頂成功。その後、気に入ったのか、なかなか降りてきません。
玄関を入ってすぐのキッチンには、ガスコンロや電子レンジ、トースターに炊飯ジャー、電気ポットなどの設備が整っています。調理器具や食器類、基本的な調味料も揃っているので、食材を持ち込めば自炊も可能です。さらに、インスタントのコーヒーや紅茶、お茶などが無料で用意されているのも嬉しいポイント。コーヒー好きの私にはたまりません。


そして、キッチンには冷蔵庫もあり、販売用に缶ビール、缶酎ハイ、ジュース、お茶、お水などが取り揃えられています。しかも、これがなかなかリーズナブル! 外に買いに行かなくても、冷蔵庫の中の赤いポスト(なぜ冷蔵庫に!?)にお金を入れるだけなので、とても便利です。

風呂場の脱衣所には、大型のドラム式洗濯機が備え付けられていました。洗剤や柔軟剤も置いてあります。1泊2日では使う機会がないかもしれませんが、長期滞在者には嬉しいサービスです。
ワンルームですが、バス・トイレ別で、しっかりと湯舟があるので、ゆっくりと寛げるなあと思いました。洗面所には歯ブラシ、シェービングフォーム、女性向けのクレンジング・化粧水・乳液の携帯セット、髪留めなどが豊富に置かれていて、オーナーの気遣いを感じました。

リビングにはエアコン、空気清浄機、ダイソンの羽なしの扇風機が完備されており、気温・湿度に応じて調整可能です。カーテンレールの上には折り畳み式の物干しが設置されており、猫の手が届かない高さなので洗濯物を干す際も安心です。
浄心駅近くのネパール料理&沖縄料理を満喫
夕食は事前に調べて予約しておいた、地下鉄鶴舞線の浄心駅から徒歩1分の「ナマステ南風 浄心店」でネパール料理と沖縄料理を楽しみました。宿から徒歩10分程度の距離です。駅周辺には飲食店が多く、外食には困ることはなさそうです。

まずは「エビとアボカドのコブサラダ」を注文。大きな器に新鮮な野菜がたっぷりで、リーズナブルだと感じました。次に注文したのは「バターチキンカレー&チーズナン」。本格的なカレーがおいしいのはいうまでもありませんが、絶品なのはチーズナン! 隠し味ははちみつ!? ほのかに甘さがあり、それがカレーと絶妙にマッチしています。知人と一緒に「おいしい~」を連発しました(笑)。
最後に悩んだ末、私も知人も大好物の「自家製ラフテー」を注文。沖縄料理の定番ですが、これまた絶品! この店を選んで大正解でした。お腹いっぱい食べました。
外出中、リャムリャムちゃんはケージ内でお留守番。見ていられないときは、宿に迷惑をかけないため、また慣れない環境で愛猫が怪我をしないよう、ケージを活用するのも猫旅のマナー。飼い主としての責任ですね。
自宅のように寛げる癒しの空間
夕食後は歩いて宿まで戻り、途中コンビニに立ち寄り朝食を調達。宿には大きめの冷蔵庫があるので、冷蔵・冷凍が必要なものも安心して購入できます。電子レンジもあるため、温めが必要な食品もOK。「朝はゆっくりしたい」「朝食は軽めでいい」といった希望に合わせられるので、とても便利でした。
夕食の間、リャムリャムちゃんはおとなしく待っていてくれました。ご褒美におやつをあげると、嬉しそうに食べていました。初対面の私たちにも友好的で、初めての場所でも物怖じせず動き回れるのは、さすがショーキャット。リャムリャムちゃんの様子を見ながら、私たちは猫談義に花を咲かせました。とても落ち着く空間で、まるで自宅にいるような感覚。これが民泊の良さですね。

その後、ゆっくりお風呂に入り就寝。ロフトに布団が敷かれており、秘密基地のようでワクワクしながら階段を上がりました(笑)。 宿は住宅街にあるため、夜は本当に静か。しかし、電気を消すと1Fのケージにいたリャムリャムちゃんが鳴き始めました。
しばらく様子を見ましたが、「もしかしたら人の気配がしなくなって不安になったのかも?」と思い、ケージごとロフトへ移動。ちょうど私の布団の頭側にケージを置けるスペースがあり、まるで添い寝のような状態に……その後、リャムリャムちゃんも安心したのか、横になって眠り始めました。ロフトに移して大正解。朝までぐっすり眠れました。
キャットショーを楽しむ!!
この宿のチェックアウト時間は12:00。ゆっくり過ごしたいところですが、キャットショーが10:00スタートのため、8:30に出発しました。今回のショーは、TICA傘下のオールジャパンキャットクラブが主催する2日間のイベントで、会場は名古屋動物専門学校。子猫、成猫、ハウスホールドの部を合わせて約60頭が参加しました。昨日は雪の影響で私は不参加でしたが、リャムリャムちゃんは2日目の出場です。

リャムリャムちゃんは6リンクの審査に出場。大きな男の子が多いため、女の子はFINALに残るのが難しいのですが、なんと1リンクでベストキャットを獲得! 想像以上の頑張りを見せてくれたリャムリャムちゃん。じつは彼女はわが家の孫猫にあたります。そのため、私もその頑張りがとても嬉しかったです。リャムリャムちゃん、オーナーさん、おめでとうございます! その後も和やかな雰囲気のなか、猫仲間といろいろな話をしながら楽しく過ごしました。
愛犬も泊まれる部屋
じつは、この民泊には「Polaris101号室」もあります。こちらは犬・猫どちらも同伴可能。部屋の間取りや設備は同じ(キャットステップはなし)ですが、インテリアが異なり、雰囲気が変わります。私も宿泊しましたが、自宅のように寛げる癒しの空間であることに変わりはありませんでした。 愛犬連れの方にもオススメです。

まとめ
「Polaris102号室」は、自宅のように寛げる癒しの宿。民泊の良さを感じられる「痒いところに手が届く」宿でした。名古屋には猫同伴可能な宿が少ないため、愛猫との旅を考えている方には朗報。ぜひ一度訪れてみてください!