世界最大級の愛猫団体が発表! 世界人気猫種ランキングTOP15

日本では、ペット保険会社などが、自社の契約者を集計した人気猫種のランキングを発表しています。今回は視点を広げ、世界的なランキングをご紹介します。

The Cat Fanciers’ Association(CFA)は、純血種の猫を対象にした世界最大の愛猫団体のひとつでであり、長い歴史を誇ります。CFAが2023年に発表した「世界で最も人気のある15の猫種」は、多くの愛猫家から注目を集めました。

では、さっそく順位を見ていきましょう。

15位はベンガルです。2018年に認定されたベンガルは、ヒョウのような印象的な被毛と遊び好きなで性格で知られています。活発で愛嬌のある性格と野性的な外見を求める人々にとって、ユニークな選択肢となっています。

14位はオリエンタルショートヘアです。1977年に認定されたこの猫種は、すらりとした長い体、大きな耳、アーモンド形の目をしています。非常に賢く社交的なので、活発でフレンドリーな猫を好む家庭に最適です。

13位はノルウェージャンフォレストキャットです。1993年に認定されたこの猫種は、寒冷地でも生活できる丈夫な体を持っています。友好的な性格と力強いクライミング能力は、スカンジナビアの歴史を感じさせる猫を好む人々にとって魅力的な選択肢となっています。

12位はロシアンブルーです。1906年に認定されたこの猫種は、輝くブルーの豪華なダブルコート、グリーンの目、しなやかで筋肉質な体つきをしています。穏やかで遊び好きな性格で知られ、家族にとって理想的な選択です。

11位はアメリカンショートヘアです。1906年に認定されたこの猫種は、楕円形の頭、短いコート、筋肉質の体格で知られています。友好的でのんびりした性格のため、世話のかからない猫を探している人には最適です。

10位はスフィンクスです。2006年に認定されたこの猫種は、被毛がないことで有名です。社交的な性格、旺盛な行動力、家族に対する愛情は、他と違った猫を求める人々にとってユニークな選択肢となっています。

9位はサイベリアンです。2000年に認定されたこの猫種は、たくましい体格、丸い耳、分厚いトリプルコートで人気があります。友好的で賢く、機敏な性格は、活動的でアクティブな猫を好む人にぴったりです。

ユニークな折れ耳を持つスコティッシュフォールドは8位です。1978年に認定されたこの猫種は、甘えん坊で、愛嬌のあるポーズをとることで知られています。ユニークな外見と遊び好きな性格は、面白くて愛らしい猫を求める人に人気があります。

7位はアビシニアンです。1906年に認定されたこの猫種は、遊び好きで活発な性格で知られています。暖かみのあるティックトタビー(毛の一本一本に縞模様がある)のほっそりとした体は、家猫の体に野生の猫の精神が宿っているようです。

6位はブリティッシュショートヘアです。1980年にCFAに公認されたこの猫種は、がっしりとした体格、緻密な被毛、大きく丸い目が私たちを魅了します。穏やかでありながら丈夫な猫を求める人に最適です。

5位はデボンレックスです。1983年に認定されたこの猫種は、大きな目、短い巻き毛、妖精のような耳で知られています。やんちゃで愛情深い性格は、遊び好きでキュートな猫を求める人にうってつけです。

4位はエキゾチックショートヘアです。1967年に認定されたこの猫種は、ペルシャの短毛種としてブリードされました。丸みを帯びた外見と優しい表情、豪華な被毛、落ち着いた気質で愛されています。愛情深く手のかからない猫を探している人には最適です。

ペルシャが3位を獲得しました。1906年以来CFAで重要な位置を占めているため、世界中のキャットショーで数多くのペルシャに出会うことができます。贅沢な長い被毛、表情豊かな丸い目、洗練された顔立ちで知られるペルシャは、猫の優雅さの頂点とみなされています。

2位にランクインしたのは、ジェントルジャイアント(穏やかな巨人)として知られるメインクーンです。メイン州公認の州猫として認定され、アメリカにおける最古、最大の猫種で、1976年に認定されました。大きな体、リンクス(耳先の飾り毛)のある大きな耳、ふさふさした尻尾で知られています。 大きくて人懐っこい性格の猫を探している人にとって最適な選択肢です。

1位はラグドールが獲得しました。2000年に認定されたこの猫種は、大きな体に絹のようなセミロングの毛皮、印象的な青い目、そしてフレンドリーな性格で知られています。愛情深く、従順で人懐っこいラグドールは、抱っこしたい人にとっても理想的な選択であり、最も人気のある猫種の称号にふさわしいものです。

ネットの人気ランキング

また、米国の猫メディア「catster」も世界で人気の猫種ランキングを発表しています。こちらは、SNS(Instagram、TikTok)のハッシュタグの閲覧数、Googleの検索数に基づいて集計されています。

トップはメインクーンです。続いて2位がベンガルで、3位がブリティッシュショートヘア、4位がラグドール、5位がサイアミーズと続きます。

CFAのランキングでも上位にくるメインクーンやラグドールが人気ですが、オンラインでは2位にベンガルがランキングされるなど、野性的な猫も好まれているようです。

またcatsterは、短毛種と長毛種のどちらが人気なのかも集計しています。結果は短毛種のほうが人気があるようです。その理由として、長毛種の遺伝子は劣性で短毛種の遺伝子は優性なので、短毛種の方がよく見られるからだろうと推測しています。

さらに、純血種と雑種についても調査しています。雑種のほうが一般的ですが、オンラインでは純血種のほうが人気という結果が出ました。

そして、このランキングの最後に以下のようなコメントを掲載しています。


 これらの美しくて愛らしい猫たちを見て、自分も猫を飼いたいと思ったなら、考慮すべきことがたくさんあります。どんな猫が欲しいかを決めるだけでなく、どうやってその猫(子猫)を迎えるかも考えるべきだ。

 純血種の猫を飼う場合は、ブリーダーにコンタクトする必要がありますが、責任ある倫理的なブリーダーであることを見極めましょう。無責任な繁殖を行う、kitten mill(子猫工場)が数多くあり、その結果、疾患を持つ子猫が生まれています。

 CFAや、もうひとつの世界最大の愛猫団体「The International Cat Association(TICA)」には、登録ブリーダーのリストが掲載されているし、地元の獣医師も推薦してくれるかもしれません。

 また、純血種にこだわりがない場合は、里親になることを検討してください。地元の保護施設を調べてみてください。さまざまな雑種の猫(時には純血種の猫)が見つかるでしょう。

 お住まいの地域に野良猫がたくさんいるなら、そのうちの1匹を飼うことを考えてもいいかもしれません。世界には里親のいない猫がたくさんいるのです。

出典:catster

迎え方を見直す時にきている

欧米では、日本と違ってペットショップでの生体販売が行われていません。そのため、純血種のペットが欲しい場合は、ブリーダーから迎えるのが一般的です。

最近では、日本でもペットショップではなく、欧米のようにブリーダーからペットを迎える社会的な傾向が高まってきています。

しかし、まだまだ日本には「責任ある倫理的なブリーダー」は多くはありません。ブリーダーの質を見極めるのは難しい面があり、独立行政法人国民生活センターも注意喚起するほどです。

ネットを検索すると、いかに自分が素晴らしいブリーダーなのかをアピールする者を見かけます。しかし、そういう者ほど利益目的であったり、さほど知識や経験がなかったりと表面を繕っているだけの偽りのブリーダーだったりします。そういった誇張されたアピールに惑わされず、本質を見極めることが大切です。

ペトハピでは、責任ある倫理的なブリーダーを「エシカルブリーダー」と呼んでいます。その基準は以下のとおりです。迎えようとしているブリーダーがエシカルブリーダーなのかどうかを見極める際の参考にしてください。

・法律を遵守している
・愛情をかけて少ない猫種を飼育している
・目が行き届く適正な頭数を維持している
・繁殖する猫種について高い知識がある
・飼育環境は整頓されて清潔(異臭がない)
・親猫の健康を考えた繁殖計画を徹底している
・血統を考えた繁殖をしている(ミックスは生み出さない)
・スタンダードを理解し、それに沿った繁殖を目指している
・遺伝的疾患に対する検査や定期的な健康診断をしている
・見学時にキャッテリーや親猫を見せることができる
・社会性が身につくまで親猫・兄弟姉妹と暮らす
・自ら飼い主を厳選し、譲渡時には契約書等を交わす
・世界基準の血統書を発行している
・猫の生涯にわたりアドバイス・サポートする


まとめ

日本では「動物愛護管理法」が改正され、第一種動物取扱業者に対する規制が強化されています。しかし、残念ながらその規制をすり抜ける業者も依然として存在しています。

一方で、責任ある倫理的なブリーダーにとって、このような基準は当然クリアすべきものです。改正動物愛護管理法の数値規制も、彼らにとっては言われるまでもなく守られているものなのです。

そして最も重要なのは、そうしたブリーダーが愛情を持って動物を育て、その命を次の世代に繋げていることです。彼らにとって、ビジネスよりも愛情が優先されます。

愛情があるからこそ、健康に配慮し、快適で清潔な飼育環境を整えます。愛情があるからこそ、適切な頭数の管理を行い、無理な繁殖はしません。愛情があるからこそ、ペットオークションやペットショップに卸すことはありません。愛情があるからこそ、終生にわたり、飼い主とペットをサポートします。

もし気になる猫がいたら、前述の基準に沿っているかを確認しましょう。また、直接ブリーダーに連絡を取り、疑問点があれば遠慮せずに質問することが大切です。少しでも不安を感じたら、他のブリーダーを探すべきです。

運命の出会いだと思って衝動的に動物を迎えるのではなく、慎重に見極めることが重要です。その手間と時間こそが、迎えた後のペットの生活を大きく左右するのです。