【猫飼いTIPS】愛猫の健康を維持するために知っておきたい7つの秘訣
愛猫の健康で幸せな生活を保つためには、日々のケアが欠かせません。しかし、何から始めればよいのか悩むことも多いでしょう。
今回は、初心者でも簡単に実践できる7つの秘訣を紹介します。これらのポイントを押さえることで、愛猫が元気で長生きできるようサポートします。愛猫との楽しい日々を過ごすために、ぜひ参考にしてください。
毎日ブラッシングをする
毎日のブラッシングやコーミングは毛玉を減らし、特に長毛種における被毛の毛もつれや毛玉を防ぐのに役立ちます。
猫は毛づくろいに多くの時間を費やしますが、定期的なブラッシングで抜け毛を取り除くことで、飲み込んだ抜け毛が消化管内にたまるのを防ぎます。
ただ、ブラッシングされることを嫌う猫もいます。ブラッシングに応じてもらうためには、ブラッシングを嬉しい出来事と関連付けるようにするとよいでしょう。
例えば、遊ぶ前、食事やおやつの前に必ずブラッシングするとか。はじめは短時間からスタートして、徐々に時間を伸ばし、ブラッシングする範囲も広げましょう。
フードのバランスを考える
犬とは異なり、猫は偏性肉食動物(完全肉食動物)です。つまり、動物性のタンパク源を食べなければ生きていけない動物ということです。
猫に市販のドライフードだけを与えると、炭水化物を摂りすぎてしまいます。ドライフードの与えすぎで、肥満になったり、2型糖尿病を発症したりする可能性があります。
猫の食事の全部ではないにしろ、ウェットフードを与えることを検討しましょう。成分表示上は、ドライフードのほうが高タンパク(粗タンパク質○○%以上などと表示)に見えることがありますが、これはウェットフードの水分量によるものです。比較する場合は乾物換算する必要があります。計算式は以下のとおりです。
粗タンパク質÷(100−水分)×100
たとえば、エゾシカ肉のウェットフード(缶詰)の成分値をみると、粗タンパク質21.1%以、水分量72%以下となっています。これを乾物換算すると、粗タンパク質は75.4%以上となります。
ちなみに、ペットフードにはタンパク質、脂質、粗繊維、灰分、水分の表示がペットフード安全法によって義務付けられています。しかし、そこには炭水化物は見当たりません。これは、グローバルで採用されているAAFCO(米国飼料検査官協会)栄養基準に設定されていないからです。ちなみに、大まかな炭水化物量はわかります。100%からそれぞれの項目を引けばいいだけです。
水分を摂らせる
現代の猫は、アフリカの砂漠地帯に生息するリビアヤマネコから進化したため、犬ほど水を飲みません。猫はほとんどの水分を食べ物から摂取するのが理想的です。
野生の猫が食べるネズミなどの小動物は、約70%が水分です。ウェットフードには約70%の水分が含まれていますが、一般的なドライフードには5%程度の水分しか含まれていません。
フードの種類に関係なく、猫には常に新鮮な水を飲ませることは大切ですが、主にドライフードを食べている猫のほうが、水を飲む量が多いことに気づくでしょう。
高齢の猫、授乳中の猫、慢性疾患のある猫は、通常の場合よりも脱水症状になりやすいため、目がくぼんで見えたり、動きが緩慢もしくはほとんど動かない、パンティングしているなどの症状がないか、つねに気を配るようにしましょう。
適切なトイレを設置する
トイレの数は、猫1頭につきトイレ1つが基本です。余裕があれば、頭数+1つあるとよいでしょう。つまり、猫が2頭いる場合は、トイレ3つが理想です。ただし、全自動猫トイレの場合は1台でも複数頭で利用できる場合もあります。
また、形状においても、オープンタイプやドームタイプなど、猫によって好き嫌いがあるので、両方あるとよいでしょう。猫砂もいといろなタイプがあります。猫の好みにあったトイレの形状や猫砂を用意しましょう。
さらに、トイレの場所については慎重に検討する必要があります。猫は狭くて暗い場所を好む傾向がありますが、トイレの場所は別のニーズがある場合が多いです。動物は、トイレ中は無防備な状態になります。ですので、トイレは周囲を見渡せるようにしたいとう本能が残っている猫もいます。
トイレの粗相を見逃さない
通常、猫は1日に2~4回おしっこをし、1~2回うんちはをするのが平均的です。トイレは猫にとっても大切な施設であり、空間であるといえます。
しかし、猫がトイレ以外で排泄してしまうことがあります。多くの場合は、なんらかの理由でトイレが気に入らないのでしょう。
まずは、前述のとおり、トイレの数や形状、猫砂の種類、設置場所を確認しましょう。そして、トイレはつねに清潔に保つようにし、汚れを放置せず速やかに掃除しましょう。また、人の往来が多い場所や、音を発する家電の近くにある場合は、静かな場所に移動します。
それでもトイレ以外での排泄が改善しない場合は、病気を疑いましょう。この異常行動の原因となり得るのが、尿路感染症(UTI)や変形性関節症(OA)などの疾患です。その場合は、動物病院で診察してもらいましょう。
爪とぎを設置する
ソファやラグ、カーテンや壁紙などをボロボロされた経験がある人も多いでしょう。その対策には、適切な爪とぎを設置することが大切です。
爪とぎにもさまざまな種類があります。素材は、ダンボールや麻、木材など。形状もポールタイプから、床置きから敷くタイプまでいろいろあるので、猫のニーズにあわせて用意してあげましょう。
ただし、はじめて爪とぎを用意する場合は、魅力を感じるように仕向けることを忘れてはいけません。ブリーダーに育てられた子猫は親猫やほかの成猫の爪とぎを見て覚えますが、保護した猫は興味を示さないこともあります。
そうした場合には、目立つところに設置します。はじめは部屋の隅などは避けましょう。キャットニップオイルを滴下したり、スプレーすると興味を示してくれる場合もあります。爪とぎを使うようになったら、適切な位置に移動しても構いません。
避妊去勢を徹底する
猫の長期的な健康にとって、避妊去勢手術ほど有益なものはありません。メス猫は発情すると、とても落ち着かなくなります。
避妊去勢手術は猫の安全を守ることにも役立ちます。去勢手術を受けていないオス猫はよくケンカをするので、引っ掻かれたり噛まれたりすることで病気に感染する危険があります。
メス猫は早ければ生後4カ月で妊娠することがあり、交配により複数の子猫を産むのはとても負担になります。
不幸な猫を増やさないためには、意図しない交配・出産を防ぐことです。必ず避妊去勢手術をして、数を増やさないようにしましょう。
まとめ
毎日ブラッシングするのは、毛玉の防止と血行促進が期待できるだけでなく、猫とのコミュニケーションを促進させ、ちょっとした変化や異常の発見に役立ちます。
食生活に配慮し水分摂取を促進することで、栄養バランスが向上し生活習慣病や腎臓病の予防になります。また、適切なトイレの設置と爪とぎの設置もQOLを向上させ、年に一度の健康診断を受けることで病気の早期発見と予防が可能です。
そして、最後に避妊去勢を徹底して望まない命を増やさないことが飼い主の責任であることを肝に銘じましょう。