【猫飼いTIPS】意外と知らない猫の歯に関する興味深い7つの事実
あたなの愛猫はすでに獰猛なハンターではなく、かわいいパートナーでしょう。でも、口のなかを覗いてみると、野生のルーツがよりはっきりとわかるかもしれません。
彼らの小さな口には歯がたくさんあり、獲物に食らいつく鋭いものもあれば、もう少し繊細なものもあります。私たちと同じように、猫にもさまざまな種類の歯があり、それぞれが生き残るために異なる役割を果たしています。
猫の口のなかは多くの飼い主にとって謎です。実際に、どのくらいの頻度で口内を覗いているでしょうか。しかし、猫の歯の状態をつねに把握しておくことは、猫の健康を維持するために不可欠です。
そこで、今回は猫の歯の健康について理解を深めるために、猫の歯に関する7つの興味深い事実をご紹介します。
人間の歯と猫の歯には共通点がある
猫の歯は人間のような輝く白い歯とはかなり違って見えますが、人間も猫も(犬も)二生歯性の動物です。つまり、歯が生え替わります。
猫も人間と同様に歯が生えていない状態で生まれますが、生後約2週間くらいで乳歯が生え始めます。その後、生後約3カ月くらいから抜け始め、永久歯が生えます。
猫の乳歯は26本、永久歯は30本です。ちなみに、犬の乳歯は28本で永久歯は42本、人間の乳歯は20本で永久歯は32本です。
猫の歯は狩りに最適化されている
猫の歯の形は、真の肉食動物の特徴を表しています。野生のネコ科の動物と同様に、獲物を噛み切ったり引き裂いたりするのに有利な形状になっています。
特徴的な4本の犬歯(牙)は、獲物の皮膚に穴を開けるために最適化されています。もちろん、それは猫に噛まれると本当に痛いことを意味しています。
歯によって役割が異なる
猫の切歯(犬歯と犬歯の間にある小さな歯)は、狩りにはあまり役に立ちません。しかし、毛づくろいをしたり、物を拾い上げたりするのには適しています。
一部の猫は、切歯を使って爪を噛んだり、剥がれた爪を取り除いたり、かゆいときに掻くこともあります。
虫歯にならない
猫は虫歯になりません。これは歯の形状や口腔環境、食事に関係しています。虫歯を引き起こす代表的な菌(ミュータンス菌)は、糖と酸性の環境を好み、咬合面や歯のくぼみで繁殖します。
人間や犬とは異なり、猫の歯は、間隔が空いていて食べカスが隙間に入り込むことがありません。また、臼歯には咬合面が少ないため、虫歯菌が住みにくい環境なのです。
猫の口腔内はアルカリ性で、糖に分解する酵素(アミラーゼ)もないので、そもそも虫歯菌が生息することができません。つまり、虫歯にはなりません。
歯の問題がなくはない
人間と同様に、猫も歯周病や歯肉口内炎、歯肉がんを発症することがあります。また、猫は吸収病巣と呼ばれる病気になりやすいのです。
吸収病巣は、破骨細胞に似た破歯細胞と呼ばれる細胞によって、1本または複数の歯が溶かされ、吸収され、最終的に顎の骨に吸収されてしまう病気です。これは猫にとってかなりの痛みを伴うことがあります。
吸収病巣は、実際に歯に穴が開いているような症状から、歯肉の境目に小さな赤い点があるような症状までさまざまであるため、診断が難しい場合があります。
抜歯のリスク
抜歯が必要と診断されたとしても、悩む必要はありません。猫は歯の一部がなくても、食べることができます。実際に全部の歯ががなくてもウェットフードを食べることができます。
問題を抱えた歯が揃っているよりも、健康で痛みのない口のなかであることが重要なのです。通常、獣医師が抜歯を勧めるときは、猫にとって痛みを伴うものである可能性が高いので、問題のある歯がなくなればずっと快適になるでしょう。
歯磨きは必要?
猫にとって毎日の歯磨きは、多くの歯の問題を引き起こす細菌の蓄積を防のに効果的だといわれています。
猫の歯磨きは難しいと思われるかもしれませんが、多くの猫は根気よく続ければできるようになります。子猫のときに始めると、大人になってからも問題なく行うことができます。
また、年に一度の健康診断の際に、必ず口腔検査も受けるようにしましょう。早期発見は、そのあとの治療が行いやすくなります。
まとめ
猫の歯は単なる食事のための器官ではなく、進化や健康に深く関わる重要な部分です。日々の観察とケアを通じて、猫との生活をより豊かにしましょう。
歯を含めた口腔環境を健康に保つことは、猫の健康寿命を伸ばすひとつです。家庭でできるケアとともに、定期的な口腔検査を受けることをオススメします。