【猫飼いTIPS】猫のおならの謎解明! 原因、頻度、ニオイの理由とは?

私たちの体は食べ物を消化する過程でガスを発生し、それが体外に排出されます。それが「おなら」です。じつは、猫も私たちと同じようにおならをします。

今回は、なぜ猫はおならをするのか、どのくらいの頻度なのか、なぜあんなに臭いのかといった飼い主が知りたくてたまらない疑問についてのお話です。

猫はなぜおならをするの?

猫がおならをする理由は人間と同じです。つまり、食事中に空気を飲み込むか、腸内細菌によって過剰なガスが発生するかのどちらかす。

そして、猫も人間と同様に、この気体を2つの出口から排出する必要があります。そう、猫はゲップをすることもあり、おならをすることもあります。これらは、まったく正常で健康的なことです。

猫は、怖がっているとき、ストレスを感じているとき、不安なときでもおならをします。ストレスは、体調や免疫システム、食習慣、腸内細菌叢に大きな影響を与えます。

猫のおならは年齢と直接の相関はありませんが、免疫システムが未熟な子猫や免疫システムが衰えたシニア猫は胃腸の不調を起こしやすく、そのためおならが出やすくなります。

さらに、ブリーダーはよく知っていることですが、母乳から固形食への移行期の子猫は、ガスが溜まりやすく、おならが出やすくなるようです。

猫が余分にガスを出している場合は、ストレス要因や不適切な食事、病気の可能性が高いです。猫が余分にガスを出している場合は、以下のことが考えられるようです。

猫が過剰におならをする場合は、ストレス要因や不適切な食事、または健康上の問題を示している可能性があります。おならの頻度が高い猫には、次のようなことが考えられます。

細菌、ウイルス、または真菌による感染症 蠕虫や原虫などの寄生虫 免疫介在性疾患 炎症性腸疾患 甲状腺機能亢進症 慢性腎臓病(腎不全) 毒素または毒物の摂取 一部の種類のがん

少しおならの回数が多い程度で、そのおかは元気であれば急いで動物病院に行く必要はありません。ただし、次回の健康診断の際には、おならについて獣医に意見を聞くとよいかもしれません。

猫はどのくらいの頻度でおならをする?

猫が1日に何回おならをするかは、個体が大きくかなりばらつきがあります。ただ一般的には、1日に1~2回は正常とされています。

人間も1日に10〜20回とばらつきがありますが、猫は人間よりもはるかに少ないといえます。健康な猫のおならは頻繁ではありません。

猫のおならの頻度が低いのは、猫の食事とエネルギーをつくり出すしくみによるものです。猫は、牛のように消化しにくい(セルロース(繊維素)に栄養とエネルギーを依存していません。

猫の腸内細菌の数はずっと少なく、それらの細菌はそれほどがんばって働く必要がないのです。もちろん、猫の腸内細菌叢はタンパク質ベースの食事と脂肪を分解する必要がありますが、ガスを排出する細菌叢は必要ありません。

猫のおならはなぜ臭いの?

猫は絶対肉食動物なので、タンパク質ベースの食物を分解するように体がつくられています。炭水化物や野菜のように、分解して消化するのに余計な手間がかかるものは、ニオイがきつく、柔らかいうんちになります。

愛猫が生物学的に適切な食事を摂っていれば、うんちはほとんど無臭になり、おならもほとんど臭わない気体になります。

市販のキャットフードの原材料はじつにさまざまです。炭水化物や野菜が多いものもあれば、炭水化物を含まないウェットフードもあります。つまり、猫のおならやうんちがより臭くなるのは、与えている市販のキャットフードの原材料に影響されるということです。

猫のおならの対処法

愛猫が1日に数回、それほど臭くないおならをするのであれば、それは正常なことであり、生理現象を制限する必要はありません。

この場合は、食事の際に空気を一緒に吸い込んでいる可能性があります。空気が入る量を減らすには、食事をゆっくりさせる必要があります。食器をスローフィーダーに取り替えてみてください。

嘔吐や下痢、食欲の変化といったほかの症状を伴わず、猫のおならが過剰であったり、特にニオイがきつい場合は、フードを変えてみるのがよいかもしれません。

まずは、別のタンパク源を含むフードに変えてみてください。低残渣食、成分制限食、または加水分解食などの食事療法を試したい場合は、かかりつけの獣医に相談するとよいでしょう

新しいフードへの移行は徐々に行う必要があります。最初の数日間は、古いフードに新しいフードを混ぜて与え、徐々に新しいフードの量を増やし、古いフードの量を減らしていきます。

さらに、新しいフードを試したい場合でも、少なくとも8週間は継続したあとにしましょう。

おならの質を改善するために、プロバイオティクスや食物繊維を加える場合、まず獣医に相談するのがよいです。これらは安全な添加物と考えられていますが、おならの原因によっては悪化させる可能性もあります。

まとめ

猫もおならをすることは自然な現象です。ただし、異常な頻度や強いニオイが続く場合は、健康上の問題が隠れている可能性があるため、獣医に相談することが大切です。

猫の消化器系を理解することは、一緒に幸せで健康的な生活を送ることと密接に関係しています。普段は愛らしい姿ばかり見せる愛猫にも、意外な一面があるのです。知識を深め、愛猫がより健康的な生活を送れるようサポートしましょう。