犬旅・猫旅
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ペットジャーナリスト 阪根美果
箱根で愛犬と一緒にウェルビーイングの旅を楽しむ
古くから温泉町として栄えた箱根。毎年1月2日と3日に行われる東京箱根間往復大学駅伝競走は長い歴史を持ち、箱根が最も活気に溢れる正月の恒例行事です。
2016年には芦ノ湖周辺が森林セラピー基地として認定を受け、2017年には環境省が公表した「富士山がある風景100選」では町内12カ所が選定されている癒しの地でもあります。
温泉郷としての賑わいと、高級別荘地だった往時の雰囲気を同時に味わうことができる強羅エリアに「ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ」はあります。
2006年の開業当初より、愛犬と同伴で宿泊できる「ドッグフレンドリールーム」を6室備え、充実した設備とサービスを提供しています。
バルコニー付の72㎡以上の広々とした客室は、滑らない安全な床やビニールレザー製のソファを設置し、窓際には広々としたケージルームを備えるなど、傷や汚れを気にせずに“わが家”にいるように愛犬と過ごせる配慮がなされています。ですので、料飲施設もレストランを「ダイニングルーム」、バーラウンジを「リビングルーム」としています。
最近よく耳にするウィルビーイング(Well-being)とは、よい(Well)と状態(being)が組み合わさった言葉で、心身ともに満たされた状態を表す概念です。もともとは「健康的な・幸せな」を意味する、16世紀のイタリア語「benessere(ベネッセレ)」を始源としているそうです。
今回は、わが家の愛犬であるウイぺットのジギーベイ&リーティラと「ウィルビーイングな1泊2日の旅」を楽しみました。
驚きのお出迎えが待っていた!
滋賀県の陶芸で有名な信楽に住んでいる私は、最寄りのインターチェンジから高速道路に乗り箱根を目指します。天気は薄曇りで、「ちょうどよい」という気候です。
今回は、2時間ごとに最寄りのPAでトイレ休憩をすることにしました。休憩しながらPAで何かを食べるのも、旅の楽しみのひとつです。途中、売店で目にした生クリームたっぷりのチョコバナナクレープを堪能しました。
その後、高速道路と一般道でホテルに向かいました。クルマをエントランスに停めると、スタッフが笑顔で迎えてくれました。愛犬専用スタッフである「ドッグアテンダント」です。なんと、希望により愛犬は無料のグルーミングサービス(ブラッシング、イヤークリーニング、爪切り・肛門腺絞り等)を受けてから客室に案内してくれるとのこと。
「痒いところに手が届く」というのはまさにこのことです。ただ、リーティラは初対面の人を少し警戒するところがあるのですが、ドッグアテンダントの八谷さんが「大丈夫だよ」と優しく声をかけてくれたので、その言葉に安堵し、お願いすることにしました。
滞在中も外出の際には、「ドッグお預かりサービス」を無料で利用できます。このサービスは、チェックイン前やアウト後も利用することが可能(有料550円/1時間)で、ペット不可の観光地を巡る際にはとても嬉しいサービスだと思いました。
愛犬と一緒に快適なお部屋を満喫
宿泊するのは、「ドッグフレンドリールーム」です。一般の客室フロアとは違う経路で出入りできるので、気兼ねなく安心して滞在することができます。ドッグ専用エリアへは、駐車場から直接アクセスできます。
今回は「ドッグフレンドリールームで愛犬とReFaのファインバブルで肌ケア体験」というプランを利用しました。チェックインは愛犬を預けている間に、客室で行われます。大きな窓から中庭を臨む、開放的な客室です。
宿泊内容の確認をして館内の利用方法などの説明を受けます。ちょうどその説明が終わるころに、愛犬たちが客室に案内されてきました。「そうか、落ち着いてチェックインができるんだ」と、あらためてグルーミングサービスの利点を感じたのでした。
部屋に入ると、アテンダントからのウェルカムメッセージと愛犬用のおやつが用意されていました。ホテルスタッフの「おもてなしの心」を感じ、これからの滞在がとても楽しみになりました。
同伴できるのは生後4カ月以上の愛犬で、1室につき3頭まで(10kg以上の犬は2頭まで、30kg以上の犬は1頭のみ)。2匹以上を同伴の場合は、2匹目より1匹につき10,000円(税・サービス料込)の追加料金が必要になります。
安全面の理由から滞在不可の犬種もいるので、公式サイトで確認されることをオススメします。また、事前に「ドックフレンドリールーム宿泊滞在同意書」に署名のうえ、宿泊日より1年未満のワクチン接種証明書・狂犬病予防注射済証とともに提出する必要があります。私は事前にホテル宛にFAXしました。
客室は72㎡のワンフロアでリビングと寝室が一体になっています。シャワールーム、浴室、トイレがあり、大きなクローゼットも完備されています。インテリアはシンプルな家具でコーディネートされ、モダンでスタイリッシュな印象です。 冷蔵庫上のカフェコーナーに置いてあるミネラルウォーターは無料で、愛犬用にも利用できます。そのほか、空気清浄機やアロマ加湿器も設置されています。
ソファは愛犬の引っ搔きや汚れに配慮した素材が使用されています。床は磁器質タイルなので、万が一愛犬が粗相をしてしまった場合でも拭き取り可能。滑らないので、愛犬の足腰にもよく、シニア犬にも優しい素材です。
中庭を望む窓際には広々とした愛犬のためのケージスペースや窓を開け放つことができるサンテラスがあります。窓も大きく明るく開放感に溢れる空間で、すぐに居心地のよさを感じました。
ケージスペースは開閉式のドアが設置されているので、部屋を一時的に空ける際にはなかで待ってもらうこともできます。スペース内には、ドッグ用トイレ(ワイドダブルサイズ)・密閉式汚物入れ・敷マットが用意されています。
そして、驚いたのは客室入り口に愛犬用シャワールームがあることです。しかも、大型犬でも余裕の広さです。タオルも複数枚用意されているので助かります。「清潔で心地よい滞在ができる」と思いました。
基本的に客室内ではドッグフリー(愛犬だけを客室に残して外出する場合はドッグケージに入れることを推奨)ですが、備え付けの寝具では寝かせないようにする必要があります。愛犬がベッドにあがる心配のある場合は、大きめのマルチカバーを持参して寝具の上に敷くとよいかもしれません。
また、客室には愛犬の飛び出し防止のゲートが用意されているので、それをつねに玄関手前に置いておくようにしました。
愛犬用(2匹)に客室で用意されているのは、純植物性のドッグ用シャンプー&ブラッシングスプレー(持ち帰り可)・ドッグ用フェイスタオル(持ち帰り可)・トイレシート(ワイドサイズ)・散歩用エチケット袋・粘着ローラー・食器&食器台(頭数分)です。持ち帰りができるものがあるのは、とても嬉しいサービスだと思いました。 なお、用意されている食器台はそれほど高さがないので、中型犬・大型犬の場合は使い慣れたものを持参することをオススメします。
今回の旅も愛犬用にといろいろと持参しましたが、ホテルの用意が十分でしたので、ほとんど使用せずに済みました。
彩鮮やかな夕食をルームサービスで楽しむ
夕食は、愛犬とともに客室で楽しむことにしました。私はあらかじめ、ルームサービス用の「ディナーセット」をオーダーしていました。和洋折衷のメニューでしたが、客室の冷蔵庫に用意されている白ワインを飲むことに。
まずは、エビ・アボカド・ゆで卵・チキンなどが入ったサラダを特製ドレッシングでいただきます。ステーキや焼野菜、卵焼き、酢の物、イクラやマグロのお刺身、根菜たっぷりの炊き込みご飯やお味噌汁、お新香など、素材を生かした彩鮮やかな料理は、ルームサービスとは思えないほどのおいしさでした。
愛犬たちは、少し早めの時間に持参したドッグフードをペロリと完食。そして、私の夕食時にはドッグ用ルームサービス(10:00~19:00)を利用しました。愛犬たちが大好きな「鹿肉のポトフ」を注文。赤身の良質な鹿肉を野菜と一緒にコトコトと煮込まれています。数秒くらいで完食してしまったので、よほどおいしかったのだと思います。
そのほかにも、大山鶏の胸肉と砂肝をローズマリー、少量のにんにく、オリーブオイルでソテーした「チキチキ」や「馬肉のソテーごはん」、季節のメニューも用意されていました。
「ReFa」のファインバブルで肌ケア体験
今回の旅のもうひとつの楽しみは、「ReFa」のファインバブルシャワーで肌ケア体験をすることでした。
ファインバブルは日本発祥の技術です。毛穴よりはるかに微細な泡によって、肌のキメの汚れを落とす、頭皮の汚れを洗い流す、肌に潤いを与える、全身を心地よく温めるなどの効果が得られるとか。
また、最新のエビデンスによると、犬アトピー性皮膚炎への有効性も80%の症例において立証されているそうです。
利用したプランでは、ゲスト用のシャワールームには大きなシャワーヘッドの「リファファインバブル ダイア120」が設置されています。まずは、私が入浴して体験してみました。
水流はストレート・ピュアストレート・ミスト・ポイントジェットの4つから目的に合わせて選択できます。ヘッドが大きいので「浴びている」「温まる」という体感をとても強く感じます。まさに「ボリューム感ある贅沢な浴び心地」です。ふたつの気泡からなるダブルの洗浄力からか、お風呂上がりの「爽快感」は格別でした。
そのほか、軽量コンパクトドライヤー「リファビューテック ドライヤースマート」や髪をストレートにする「リファストレートアイロン プロ」、エステティシャンのニーディングを再現した「リファカラットレイ 」などが洗面台に置いてあります。
特に、深くつまみ流す動きで、全身の血流やリンパにアプローチできるという「リファカラットレイ」が私のお気に入り。防水構造でバスタブでも使用可能なので、湯船に浸かりながらそれを満喫しました。
さあ、次は愛犬たちの番です。ドッグ専用バスルームには最新シャワーヘッドである「リファファインバブル U」が期間限定で設置されています。また、ピンポイントで水流を操ることができるコンパクトサイズの「リファファインバブル フィット」もレンタル(無料)できると聞いたので、使ってみることにしました。
まずは、「リファファインバブル U」で全身をくまなく濡らし、蓄積された汚れやニオイを洗い流します。その後にドッグ用シャンプーで体を洗いました。
そして、シャワーヘッドを「リファファインバブル フィット」に交換。コンパクトかつ軽量なヘッドはとても持ちやすく、愛犬たちの体の細かい部分を洗い流すのに役立ちます。耳・鼻・口などに水が入らないように、細かくヘッドを動かしながら洗い流します。
愛犬たちも気持ちよいようで、とてもおとなしくしていました。愛犬たちは短毛種なので、シャワー後はタオルで水分をとり、自然乾燥すればOK。被毛が乾くにつれて、触り心地がすべすべになりました。予想以上の仕上がりに感激しました。
ドッグ専用バスルームにはコンセントもあるので、長毛種などはそのままブース内でドライヤーを使って乾かすことも可能です。これは嬉しいポイントです。
サンテラスでの朝食は贅沢な時間
シャワーヘッドの「全身を心地よく温める」という効果があったのか、私も愛犬たちも朝までぐっすり眠れました。
気分爽快に目覚めましたが、ロールカーテンを開けて外を見ると霧雨が降っています。天気予報では昼前には晴れるということですが、雨が降り続けるようなら予定していた観光をあきらめないといけません。
気分が下降気味になりましたが、ルームサービスで運ばれてきた朝食を見て一気にテンションがアップしました。
サンテラスに用意してもらった朝食は、彩豊かでボリューム満点。とにかくおいしそうです。逸る気持ちを押さえながら、まずは愛犬たちの朝食です。
持参したドッグフードにウエットフードをトッピング。あっという間に完食でした。そして、雨が上がることを願いながら、私はゆっくりと朝食を楽しみました。
ハイアット箱根には、名前のとおりスパと温泉があります。前日は客室で「ReFa」のウルトラファインバブルシャワーを堪能したので、チェックイン前に、朝風呂で温泉を堪能しました。広々としていて本当に気持ちがよかったです。さらに肌がスベスベになった気がしました。
悪天候の「大涌谷」&癒しの「ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ」
嬉しいことに11:00のチェックアウトのころには、雨があがりました。前日は雨で散策ができなかったので、中庭にあるドッグカフェに行ってみました。晴れた日は、開放的な空間でのティータイムが気持ちよさそうです。
フロントでのチェックアウトや車に荷物を積み込む際には、ドッグアテンダントが愛犬たちを預かってくれました。すっかり懐いたようです。スタッフに見送られながら、ホテルを出発しました。
まずは、箱根屈指の観光地である「大涌谷」に向かいました。ここは標高1,032m。赤茶けた地肌、立ち枯れた木々、あたり一面に硫黄のニオイが立ち込めた荒涼とした風景が広がる場所です。
霧に包まれる日が多いそうで、夏でも雨の日は肌寒く、長袖や雨具が必要なほど。強風が吹く日もあり、つねに防寒具や羽織るものが必要なのです。
駐車場(普通車530円)にクルマを停め、愛犬たちには持参したレインコートを着せて出陣です。飛ばされそうになるほどの悪天候でしたが、大涌谷をしっかり見て、ひとつ食べれば7年寿命が延びると言われている名物の黒たまごを食べてと、観光を楽しみました。おかげで、私も愛犬たちも7~14年寿命が延びました(笑)。
続いて向かったのは、宿泊したホテルからほど近い「ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ」です。ここは、デンマーク人であるニコライ・バーグマン氏が自然を守ることをプロジェクトの核とし、自然を最大限に尊重しながらつくり上げてきたガーデンです。
原生林で覆われた未開の地を整地し、歩道や階段、パビリオン、カフェ「NOMUhakone」をつくり上げたというから驚きです。園内にはフラワーアートインスタレーション(花や木、草などを用いて空間を構成したアート作品)やフラワープランター、鉢物が散りばめられています。
季節毎に姿を変えるそうなので、たびたび訪れるファンも多いそうです。私は「日本人にはない感性」を感じ、とても興味深く園内を巡り、美しい作品と自然との調和を楽しみました。
愛犬たちはというと、軽快に山道を歩いていてとても楽しんでいる様子。ウッドチップや玉砂利が撒かれているので天候を木にせず歩けます。
訪れた日はちょうどコンサートが行われる日で、ニコライ・バーグマンさんに会うことができました。「一緒に写真を」とお願いしたところ、快く応じてくれました。
入園料は大人1,800円(事前Web予約1,500円)、学生1,400円(事前Web予約1,100円)、小学生以下は無料です。併設された駐車場は500円で利用できます。支払いは、クレジットカードや電子マネーのみ。これも、外国人経営者ならではのシステムだなあと思いました。それも含めて「五感を刺激する特別な体験」になりました。
こうして今回の旅は終了。大満足のまま帰路につきました。
まとめ
「ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ」は、ウィルビーイングな滞在ができる宿でした。平日ということもありますが、静かでゆったりとした時間の流れ、上質なホスピタリティ溢れるサービスは格別です。
また「ReFa」とのコラボレーションは、健康的で幸せを感じるものでした。愛犬たちも常に楽しそうで、彼らの柔らかい表情からも居心地のよさを感じました。
まさに「癒し」がそこにありました。愛犬との旅を計画されている方は、ぜひ“箱根のわが家”を検討してはいかがでしょうか。