【犬飼いTIPS】犬にキャットフードを与えてもいいの?
犬はドッグフードだけでなく私たちの食べ物も大好きで、なんでも食べてしまいます。キャットフードはどうでしょう。きっとそれも彼らにとって魅力的な食事になるでしょう。では、愛犬にキャットフードを与えてもよいのでしょうか。今回はフードスワップについてのお話です。
なぜ犬はキャットフードが大好きなの?
「きっとおいしそう」と思っているのが答えです。ドッグフードとキャットフードは見た目がそっくりです。しかし、それぞれ別の動物が必要とする栄養を満たすためにつくられています。猫は肉食動物なので、肉を食べることは絶対に必要です。キャットフードにはタンパク質がたっぷり含まれおり、11種類の必須アミノ酸を食事から摂取する必要があります。
一方、犬は古代のオオカミから植物を消化できる動物に進化したため、雑食動物とされています。そのためドッグフードにはタンパク質のほかに穀物などの植物性の原材料が含まれているのです。そして、必要とするアミノ酸は10種類です。
つまり、キャットフードはドッグフードよりもタンパク質含有量が多く、香りも味もいいので、犬にとってはごちそうに感じることでしょう。
キャットフードは犬に与えてはいけない?
アメリカンケネルクラブ(AKC)は、「犬に最適なフードはキャットフードではなく、ドッグフードである」とアドバイスしています。キャットフードに含まれる食物繊維やタンパク質、および特定の栄養素のバランスは適切でなく、犬の栄養ニーズに合っていないのです。
キャットフードは、タンパク質含有量が多いため犬の肝臓や腎臓に負担をかけます。さらに、猫が摂取できるビタミンDのレベルを犬が耐えることができず重病になったり死亡したりケースもあるようです。そのため、魚や海産物を多く含むキャットフードは特に避けたほうがよいでしょう。
また、キャットフードを食べ過ぎると、膵炎を発症するリスクがあります。その理由は脂質です。キャットフードは、一般的にドッグフードよりも脂肪分が高めに設計されています。キャットフードに含まれる過剰な栄養素は有害ではありませんが、脂肪の摂りすぎは大きなリスクになります。
愛犬がキャットフードを食べないようにするには?
キャットフードだけでなく、フード類は犬の手の届かないところに保管しましょう。ロックできる扉や高い位置の戸棚などでの保管がいいでしょう。
だからといってドライフードを冷蔵庫で保管してはいけません。温度差によって結露が生じ、カビの原因となります。
また、食事の場所を分けることも忘れずに。同じことで食事すると、猫はフードを横取りされてしまう可能性があります。猫が十分なカロリーを摂取できないと、脂肪肝のリスクが高まります。慢性化すれば肝不全など致命的な病気に発展する可能性があります。
キャットフードは与えないほうがいい?
愛犬が少量のキャットフードをときどき食べる程度であれば問題はありません。しかし、日ごろから多量のキャットフードを食べたり、ドッグフードの代わりにキャットフードを与えていたりすると、栄養バランスが崩れて胃腸の不調や肥満、膵炎を引き起こす可能性があります。異常が見られなくても、高タンパク質が肝臓や腎臓に負担をかけている可能性は高くなります。
膵炎を発症している場合は、食欲不振や腹痛、嘔吐に下痢、衰弱、発熱などの症状がみられます。その際にはすぐに獣医師の診察を受けてください。
キャットフードを与えてもよい場合
闘病(がんなど)中、体重減少や筋肉の衰え、食欲低下などの犬にとって、キャットフードは一般的なドッグフードに代わる選択肢となる可能性もあります。
ドッグフードよりも嗜好性が高く、1食あたりのカロリーが高く、栄養バランスに優れている傾向があります。ただし、その際には自分で判断せずに、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
また、おやつやトレーニングのご褒美にはなりますが、やはり少量が望ましいでしょう。
まとめ
犬にとってキャットフードは魅力的な食事に感じるかもしれません。しかし、栄養学的にはリスクにもなります。犬には犬の栄養バランスがあるので、愛犬にはドッグフードを与えるようにしましょう。
ちなみに、猫を一緒に飼っている場合、フードスワップは犬よりも猫のほうがリクスは高くなります。ドッグフードには、猫にとって必要な栄養素が少なすぎるため与えてはいけません。カルニチンとタウリンが不足すると、猫は心臓と眼の問題のリスクにさらされます。