室内飼いも野良猫も同じイエネコ。でも暮らしや寿命には差がある

考えてみたら当たり前のことかもしれませんが、身近にいる猫ってすべて“イエネコ”なんですよね。いま身近にいる猫は、1万年くらい前に野生の猫であるヤマネコ(リビアヤマネコ)が人間により家畜化された猫です。人間とともに生きるように“人間につくりかえられた新しい猫”のことで、野生の猫ヤマネコに対してイエネコと呼ばれています。

野良猫ってヤマネコ? というわけではありません。日本にいるヤマネコは、イリオモテヤマネコやツシマヤマネコぐらいしかいないそうで、ほかはみんなイエネコ。近所で見かける野良猫もイエネコです。

なんでイエネコなのに野良猫? 野良猫は人間からはぐれたり、人間に捨てられたイエネコで、かつては人間とともに暮らしていたハズです。室内飼いの猫だったかもしれない。でもいまは、野良猫。

野良猫の寿命は3~5歳くらいといわれています。一方で飼い猫の平均寿命は、完全室内飼いで16歳くらい、家に出入り自由だと13歳くらいだとか。飼い猫は、人間とともに暮らしているので、栄養も寝床も、ときには治療も、さらには深い愛情も受けられるから長生きなんでしょう。さらに室内飼いの猫だと、生存上のリスクがより少ないので、もっと長生きということでしょう。

もともと人間が家畜化してつくったイエネコなのに、人間と離れて過酷な自然のなかで生きている野良猫を見ると、考えさせられます。イエネコに対して人類は無責任だなぁ、とか。まあ、そう単純な話でもないですけれど、しっかり考えないといけませんね。

室内飼いのイエネコちゃん。人間のことを猫だと思っているようで、家のなかではやりたい放題でのびのびしています
ソファーなども優先的に使います。イエネコ的には「そんなの当然の権利」と考えているようです
室内の安全な場所に、お気に入りの寝床を何カ所も保有している室内飼いのイエネコちゃん。当然ですが、食事も医療も、必要なものはなんでも自動的に提供されます
そして求めれば簡単に、飼い主からの愛情も得られます。愛情がめんどくさいときはお気に入りの寝床へ
こちらは海辺の公園の……たぶん野良猫ちゃん。近くに餌場があり、誰かがフードを与えているようでした
室内飼いのイエネコほどはリラックスしていないようで、寝た状態でもちょっと周囲を気にしている
夜はどこで寝ているのかな。……もしかしたら、公園に遊びにきている室内・屋外出入り自由の飼い猫ちゃん?
野良猫だったら、この猫は何歳くらいまで生きるのでしょう