【編集興記】タイでカラフルなウーパールーパーが販売されている件

ちょっと気になったペット関連のトピックスを、編集スタッフが持ち回りで紹介する“不定期”コーナーです。

先日、タイでカラーリングされたウーパールーパーが輸入され、販売されているという情報がSNSを通じて拡散されました。

タイでは、人気ゲームの影響でウーパールーパーを飼う人が増えているようです。需要を見越して生産・販売が行われているのでしょう。専門家によると、着色は確実に寿命を短くすると警告しています。中国では、チャウチャウ犬をパンダ柄に染めた「パンダ犬」が販売されたこともありました。

しかし、似たようなことが日本でもありました。50歳以上の読者の方は覚えてらっしゃるかと思いますが、40年ほど昔には縁日などでカラフルなひよこが販売されていました。子どもが好きそうだということで業者が色付けしたのでしょう。筆者も、どうしても飼いたくて親にねだった記憶があります。

また、ネットのニュースでは、ペットショップで生体を販売しなくなるという主旨の記事が掲載されました。消費生活を研究する大学教授によるものです。消費行動の視点から、選択の自由により選ばれなかったペット=売れ残るペットが存在することを指摘しています。それを消費者の責任というのには少し違和感を感じますが……。

ペットショップでの生体販売、タイでのカラフルなウーパールーパーの販売など、結局は需要があるからなくならないのであって、経済活動においては間違っていないということになります。

ただ、販売しているのは「モノ」でなく「いのち」です。なので、そこにはより高い倫理観があるべきであって、「売れればいい」「需要があるから供給を増やす」という市場経済の理論にはそぐわない面も多いと思うのです。

需要が変われば流通も変わらずを得ません。流通が変われば、必然的に不幸な犬や猫も減っていくことになります。法改正によって業者を取り巻く環境はどんどん厳しくなってはいます。しかし、法改正には時間はかかります。それを待つのではなく、私たち一人ひとりが現実を知り、行動することで不幸な犬や猫を生み出すしくみは変えられると考えます。