母乳・ミルクへのこだわりが強い子猫

2月7日に1匹の子猫が産まれました。1匹だからかママ猫のお乳の出がよくなく、数日間は私が代わりに人工のミルクをつくってあげることになりました。以前はシリンジ(注射器の針がないもの)を使って哺乳をしていましたが、今はペット用の哺乳瓶を使っています。子猫が産まれ、体重が増えないので、慌てて哺乳を始めました。

ところが、嫌がって飲もうとしません。個体差はありますが、子猫はミルクの温度が母乳に近くないと飲んでくれません。すぐにミルクの温度を確認しましたが、問題はない温度です。そうなると考えられるのは、人工のミルクの味が嫌いということ。メーカーさんがどれだけ頑張っても、完全な母乳はつくれないそうです。嫌いとなると子猫は「ペッ、ペッ」とミルクを吐き出します。大きな声で鳴いて「まずい!!」「この味じゃない!!」と主張します。本当に笑ってしまうほど強く主張するのです。しかし、ママ猫のお乳が出ていなとなると、飲んでくれないと命を落とすことにもなりかねません。万が一のときには、カテーテルで胃に流し込むこともありますが……。

何とかならないものかと考えて、哺乳瓶の飲み口をお湯で温めてみました。ミルクの温度とほぼ同じにして与えてみると、ものすごい勢いで飲み始めました。「あなたのこだわりはミルクと飲み口が同じ温度なのね」と思わず笑ってしまいました。わが家では、いつも飲み口は温めることがありません。でも考えてみればママ猫のお乳は体温と同じくらい暖かいので、今回の子猫は「これは違う!!」と思ったのでしょうね。

しかし、かなりこだわりがある子猫で、その後も少しでも飲み口の温度が違うと飲まないのです。何度もミルクをつくりなおしたり、飲み口を温め直したりしながら、2時間おきに24時間体制で哺乳をしていきました。4日目になると、ママ猫のお乳が出るようになり、子猫の体重も哺乳しなくても毎日20gずつ増えるようになりました。安堵しました。もしお乳が出なければ、離乳するまでの1カ月間はその哺乳が続きます。子猫のそのこだわりがあるとなると……。想像したくないです(笑)。

少し前にこの子猫をFacebookで紹介したのですが、「お姫様のように育てている」と伝えた理由はこれです。ママのお乳が出るようになって安心しました。やっぱり、ママ猫は偉大ですね。ブリーダーになって21年経ちますが、どんなに頑張ってもママ猫にはかないません。