【太鼓判ブリーダー奮闘記】よりよい環境を求めて犬舎をお引越し「ATLANTIS POODLE」

もともと神奈川県小田原市にあったATLANTIS POODLE(アトランティスプードル)犬舎。英国系トイ・プードルとミニチュア・プードルを専門に繁殖する犬舎です。このたび、2020年12月によりよい環境を求めて、愛犬たちと同市の高台の家に引っ越しました。今回は、新しい犬舎のオープンまでの奮闘を北村 美香ブリーダーにお伺いしました。

多頭飼育ができる賃貸物件がない!

北村さんは、数年前から物件を探していたそうです。希望条件は、賃貸であること、戸建てで多頭飼育ができること、ある程度の広さがあること、愛犬たちが走り回れるくらいの庭があること、鳴き声が気にならない程度に隣の家が離れていること、駐車場付きであることでした。

しかし、一番の問題は20頭以上を連れての引っ越しですから、それをOKしてくれる家主さんを見つけることでした。いくつかの不動産屋で聞いたりもしましたが、「そのような物件はありません」と門前払い。そのため、神奈川県をはじめ、埼玉県、千葉県、茨城県など、よさそうな物件があれば、遠くても見に行きました。地域密着型のWebサービスであるジモティーの不動産情報も毎日欠かさずにチェック。「賃貸物件で探すのは無理かもしれない」と思い始めたころ、希望する条件にぴったりの物件に巡り合えたのです。

竹林が望める高台の家

ようやく見つけた物件は、築52年の4DKの平家でした。古い物件で、住むには多少のリフォームが必要でした。しかし、家主さんとの直接の契約でしたので敷金・礼金はゼロ、家賃は手ごろ、ペットの多頭飼育可、駐車場付き、広めの庭があり隣の家ともほどよく離れている希望にあったものでした。

そして、何より気に入ったのは、縁側から竹林が望める心和む風景。「毎日、愛犬たちを庭で遊ばせながら、この風景も楽しめる」と内見の際に、その光景が頭に浮かんでいたのです。また、リフォーム・DIY可で、退去時にも修繕は要らないという条件も気に入りました。賃貸であるにも関わらず、気兼ねなく自分の思い通りに犬舎を造ることができるのはとても嬉しいことでした。内見後、「ここに決めよう!」とすぐに思ったのでした。

仲間たちと楽しいリフォーム

リフォームは費用をなるべくかけずに、自分でできることはやろうと考えていました。リフォームを始めると知人や友人が手伝いにやってきてくれました。4部屋と廊下部分の床は補修も含め、職人である知人が大阪から泊りがけで来て、施工してくれました。4部屋の襖や扉はすべて取り払い、開放感のある1フロアにしてもらいました。

床材は愛犬たちの足に優しく、ふき取りが可能なクッションフロアを選択。クッションフロアには住居用と店舗用があるのですが、その価格には倍ほどの違いがあります。しかし、愛犬たちが走り回ることを考えると、耐久性が高い店舗用にしておく必要があります。考えた末、以前から気になっていた店舗用のペイントした木材風柄のクッションフロアを選びました。色味がブルーとブラウンで、仕上がりは上々。この柄にしてよかったと思いました。

室内の柱や壁は白いペンキで塗り、床に合わせて洋室のような明るい雰囲気にしました。作業箇所以外にペンキがはみ出して汚れるのを防ぐために、作業箇所をマスキングテープで囲み、保護しながら進めました。

壁の一部や押し入れの扉には、レンガ風の壁紙シートを貼ったり、発砲スチロールを使った白いレンガ風のクッションシートを貼ることで、アクセントにしました。2間ほどの大きさの押し入れがあった部分も襖を取り払い、クッションフロアを敷き、壁を白くペイントしました。この部分に同じタイプのケージを3段に重ねて設置しました。

愛犬たちは多くの時間をフリーで過ごしますが、夜はクレートでそれぞれがゆっくりと休めるように頭数分のケージを用意しています。部屋にはエアコンを数台、柱には温度計・湿度計を設置。これで飼育環境の管理をしていきます。友人知人の手伝いのおかげで、あっという間に内装ができあがりました。

鳴き声などの防音対策も万全

隣の家と離れているとはいえ、愛犬たちの鳴き声がご近所さんの迷惑になるのではと気になります。それを気にしながら過ごすよりは、先に対策を講じたほうが良いと考え、窓を2重サッシにすることにしました。とはいえ、ここは築52年の家で、窓のサイズも小さい。そのためそのサイズに合うものを安価で探すのが難しく、内側に壁を作って、そこに内窓を設置することにしました。設置したのは「リクシルの防音・断熱内窓インプラス」。再び床のリフォームをしてくれた職人でもある知人を大阪から招集です(笑) 

2重窓にすると何が良いのかと言うと、防音効果はもちろんですが、抜群の断熱性で、結露も防げます。そのため、冷暖房費を大幅に抑えることができます。設置する前と後では、既に5℃の温度差が見られました。快適な上に、冬場と夏場の冷暖房費がかなりダウンすることが期待できます。ぜひオススメの対策です。

念願のドッグランも完成!

この物件には、十分な広さの庭がありました。玄関から奥の部屋まで縦長に4DKが繋がっていましたので、その長さの分だけ縦長に庭が広がっていました。縁側がある家屋でしたので、以前は日本庭園のような庭にしていたのでしょう。目の前に竹林が広がり、石畳や大きな石などが残されています。

しかし、長年の手入れ不足で草木はボーボー、雑草も生え放題。ドッグランとして使用するには、危なそうな石、不要な石を撤去し、不要な草木を伐採する必要がありました。

ここでも北村さんの友人・知人のパワーが炸裂します。雰囲気のある石畳を残しつつ、あっという間に石の撤去や草木の伐採が進み、愛犬たちが庭から出ないようにするための柵ができあがりました。念願のドッグランの完成です。

愛犬たちは嬉しさのあまり大爆走です。しかし、下地は土。愛犬たちが走り回ると、爪の間に土が入り落とすのが大変だということに気が付きました。そこで、北村さんが考えたのが、ウッドチップを庭全体に敷くことでした。

じつはウッドチップには、足が汚れないほかにも下記のようなさまざまな利点があるのです。愛犬たちのため、しっかりとこの利点も考えたうえで選択したのでした。

【足の負担軽減】
ウッドチップはクッション性があるので、土やコンクリートより足への負担が小さい

【防虫作用】
ウッドチップには防虫作用があるので、虫の発生を抑えられる。蚊の量も少なくなる

【リラックス効果】
木の香りは、自律神経の副交感神経に作用し癒し効果やリラックス効果がある

【メンテナンスが簡単】
排泄物を簡単に処理でき、消臭・殺菌・防腐などの効果もある

【暑さ対策】
コンクリートなどよりも照り返しが少なく、犬の体感温度を下げることができる

こうして、見た目もキレイ、管理が簡単、愛犬にも優しい、念願のドッグランが完成したのでした。

まとめ

リフォーム後、すぐに引っ越した北村さんと愛犬たち。毎日ストレスフリーで、楽しく、快適に過ごしているそうです。愛犬たちの嬉しいそうな姿を見て、「移住をして本当に良かった」と日々感じているとか。魅力あふれる子犬たちは、ブリーダーの深い愛情と努力、そして、良い飼育環境から生れでるもの。ATLANTIS POODLE犬舎の子犬たちから、ますます目が離せなくなりました。どんな魅力を持った子犬が誕生するのか、とても楽しみです!