【犬飼いTIPS】意外に知らない散歩中のおしっこマナー

みなさんは、散歩中に愛犬がおしっこをしてしまった場合、どのような処理をしていますか? うんちの場合には拾って袋に入れて持ち帰りますが、おしっこの場合にはそうはいきません。多くの飼い主さんはペットボトル等に水を入れ、そのマナー水(犬がしたおしっこにかける水)をかけているのではないでしょうか? 今回は、散歩中のおしっこマナーについてのお話です。

自治体で推奨するのは?

多くの自治体では、散歩時のマナーとして飼い主さんに向けて啓蒙しています。例えば、神奈川県厚木市では「尿をしてしまった場合には、水をまくなど臭い等が残らないようにしましょう」とマナー水の使用を呼び掛けています。また、「本来、道路・公園等は、ふん・尿をさせる場所ではありません。散歩が犬のトイレ時間と思っている飼い主さんは、散歩に出かける前に家でトイレを済ませる習慣をつけましょう」とも伝えています。 実際に犬の散歩中のおしっこに関する苦情やトラブルも多く、自治体にはその意見書が寄せられているのです。犬のおしっこはコンクリートや腐敗する原因にもなり、また草木が枯れる要因でもあります。「たかが“おしっこ”じゃないか」と考えてはいけないのです。そのため、万が一してしまった場合には、最低限のマナーとしてマナー水を使用するようにということなのです。

マナー水の使用にはさまざまな意見がある

実はマナー水に関しては、「ただおしっこを広げているだけではないか」「ただの水ではニオイが残るので、ほかの犬がしてしまう要因になるのではないか」「かけないよりはかけたほうがよいのではないか」など飼い主からはさまざまな意見があがっています。実際に動物病院などの近くの電柱などは、よく見るとおしっこのシミが付いていて、スタッフがブラシで擦ったり、熱湯をかけたり、消臭剤をかけたりして苦労して清掃しているのを見たことがあります。犬には「ここは自分の縄張りだ」と言わんばかりにマーキングをする習性がありますので、完全に除去しない限りは、その主張のためにおしっこをかけてしまうのです。多くの犬が集まる場所は、特にこのような問題が起こっています。

もし家の塀にマーキングをされてしまうと、犬のおしっこのニオイが残り、ほかの多くの犬のマーキングの標的にされてしまうのです。マーキングはより高い位置にとそれぞれの犬が背伸びをしてまでおしっこを飛ばすので、徐々に範囲は広がっていきます。また、大型犬になるほど量も多いので、より考えなければいけません。「近所迷惑な飼い主と犬」にならないように、可能な限りおしっこは自宅で済ませ、もし万が一、外でしなければならない場合には、草むら等で行わせることが賢明でしょう。

マナー水を持ち歩くのは、万が一のときのための最低限のマナーです。しかし、マナー水でニオイが消えるわけではありません。そのためクエン酸などを持ち歩く飼い主もいますが、マナー水をかけるかけないということよりも、愛犬のおしっこをどこでさせるかということを、飼い主として考えることが大切なのではないでしょうか。

犬の散歩とおしっこは別々と考えるほうがよい

散歩中のおしっこによる苦情やトラブルを失くすためには、散歩中におしっこをさせるということではなく、散歩前におしっこを自宅で済ませるようにし、散歩とは切り離して考える必要があります。お散歩ですることに慣れていると、なかなか家の中でしようとしません。その場合には、飼い主がサポートして家の中でおしっこができるように、トイレトレーニングをしてあげる必要があります。家の中にトイレを用意し、定期的に連れていきます。上手くできたらご褒美を与えるなどのトレーニングをすると、徐々にトイレでおしっこができるようになります。このような習慣を身に付けることは、トラブルもなく、近所を汚すことなく快適に散歩ができるとともに、結果的に、悪天候のときや病気や怪我などのときに役立つことになるのです。

まとめ

犬の散歩中のおしっこやマーキングは、生理現象だから防ぎようがないと考える飼い主も多いことでしょう。しかし、犬を飼っていない人にとっては、とても迷惑な行為です。飼い主の心がけとして、「自宅でトイレを済ませてから散歩に行く」「自宅でトイレができるようにトレーニングをする」「近所迷惑になる場所ではおしっこをさせない」「おしっこをしてしまった場合はマナー水や消臭剤をかける」など、つねに考えておく必要があります。意識をするだけで、苦情やトラブルを回避できることでしょう。愛犬との散歩は楽しく快適にしたいものです。