【犬飼いTIPS】コロナ禍だからこそ幸せホルモンで安らぎを
数年前になりますが「飼い主と犬が触れ合うことで互いにオキシトシンが分泌される」という麻布大学研究チームによる論文が、アメリカのサイエンス誌に掲載され大きな話題となりました。その後、日本においても「オキシトシン」という言葉が浸透しています。いま、世の中はコロナ禍で人との触れ合いの機会がどんどん減少して、触るものといえばスマホやパソコンです。明らかに、オキシトシン不足になりやすい状況にあります。ストレスを癒し、心身の健康を促進し、幸せな明るい未来を創造するために、オキシトシンを大いに活用しない手はありません。愛犬と触れ合うことで、オキシトシンを分泌し、その安らぎの中で頑張る力を生み出しましょう。
オキシトシンの“神秘なる力”とは
オキシトシンとはギリシア語で「quick birth(早く生まれる)」という意味です。その語源のとおり、遠い昔から女性の出産や子育てに関わるホルモンとして知られてきました。脳の視床下部という場所で生成されるホルモンで、分娩の際の子宮収縮や母乳の分泌を促す働きがあるのですが、じつは男性にもあるホルモンです。
近年、オキシトシンの研究が急速に進み、ほかにも驚くほど多くの効能をもたらすことが判明しています。その神秘なる力が注目されるようになり、「幸せホルモン」「安らぎホルモン」「抱擁ホルモン」「信頼ホルモン」「絆ホルモン」「思いやりホルモン」「癒しホルモン」など多くの異名を持っています。親子や恋人同士など親密なスキンシップが分泌を促すとされていますが、人と動物(特に犬)との関係でも、同じように分泌されることがわかってきたのです。
しかし、ただ犬を飼っていれば自然にオキシトシンが分泌されるかというとそうではありません。家族のなかで一番多く愛犬の世話をしている人のオキシトシンの分泌量が多いこと。また、世話に手間がかかるほどオキシトシンが分泌されることが最新のデータでわかっています。つまり、しっかりと愛犬の世話をし、愛情を持って触れ合うことが重要なのです。信頼関係が築けていれば、愛犬にも同様にオキシトシンが分泌されます。では、オキシトシンはどんな効果をもたらしてくれるのでしょうか。
・幸せな気分になる
・脳や心が癒され、ストレスが緩和する
・不安や恐怖心が減少する
・社交的になり、人と関わりたいという好奇心が強まる
・他者への信頼の気持ちが増す
・親密な人間関係を結ぼうという気持ちになる
・学習意欲と記憶力向上
・心臓の機能を上げる
・感染症予防につながる
・睡眠を促し、質の良い眠りをもたらす
・美肌
・記憶力アップ
このようにオキシトシンを分泌させることは、ストレスを軽減し、幸せな気分にさせてくれるということなのです。それが「幸せホルモン」といわれる由縁で、愛犬にも同様な効果をもたらします。有効活用することで、飼い主も愛犬も一緒に幸せになれるのです。
具体的にどうすればオキシトシンが分泌されるの?
愛犬との関わりでともにオキシトシンを分泌するには、まずは、愛情を持ってしっかりと世話をすることが大切ですが、そのほかに具体的に何をしたらよいのでしょうか?
・愛犬とスキンシップやアイコンタクトをとる
・愛犬のマッサージをする
・愛犬が良い行動をした時に褒める
・愛犬の体を清潔に保つ
・一緒に新しいことにチャレンジする
・一緒に太陽の光を浴びる
・一緒に遊ぶ
・一緒に癒し系の音楽を聴く
オキシトシンは、心地よい感覚刺激、あるいは心地よい心理的刺激によってもっとも分泌が促されます。ですから、上記に限らず飼い主と愛犬が「心地よい」と感じることを、一緒に行うとよいでしょう。
しかし、いまはコロナ禍の最中にいます。海外では特別なケースとしていますが、新型コロナウイルスに感染した飼い主と濃厚接触したペットへの感染の報告がいくつか挙げられています。2020年7月2日には、世界保健機関(WHO)の主任科学者が「ペットが飼い主にCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)をうつすリスクは極めて小さい」との見解を示しています。オキシトシンの分泌を増やしたい時期ではありますが、念のため濃厚接触にならない方法を選択されることをオススメします。
まとめ
オキシトシンの効能を見てもわかりますが、それを分泌させることは「自然治癒力」を上げることにも繋がります。愛犬との触れ合いのなかでともにオキシトシンを分泌し、幸せを感じ、健康維持を促すことができるなら、それほど嬉しいことはありません。日々の愛犬との生活で、頭の片隅にでも構いません。「オキシトシン」という言葉を置いてみてはいかがでしょうか。少しでも意識をすることで、行動も変わることでしょう。コロナ禍での不自由さはありますが、愛犬とともに安らぎ、幸せになりましょう。
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