横浜市芸術文化振興財団は、運営する大佛次郎記念館の1階ロビーにおいて、女子美術大学付属中学校2年生が描いた挿絵138点を展示しています。
大佛次郎(1897~1973)が猫を題材にした作品は60篇以上。そこから10篇を選び、夏休みの課題として挿絵を描いてもらいました。じっくり読みこまなくてはなかなか描くことができないと思われる感性が光る挿絵もあり、見ごたえがあります。挿絵とともに、課題の大佛作品10篇のあらすじ、引用を紹介しています。
エッセイ「猫の風呂番」は、大佛家の浴室で、ほかの猫と離れて暮らしている雌猫の話です。ある寒い日、風呂に入ろうとした大佛次郎は、バスタブの蓋の上に猫がいるので湯船を遠慮する。あとで聞いた話によると、猫はまるで女王様のように浴室で快適に暮らしているのでした。
同じ作品を取り上げても、挿絵はさまざまです。挿絵展示だけでも楽しめますが、これらの作品は単行本『猫のいる日々』に収録されているので、先にじっくり挿絵を鑑賞してから読むのもよし、本を読んでから「どんな場面かな?」と想像しながら展示を楽しむもよし。時を超えて実現した、大佛次郎と中学生とのコラボレーションをお楽しみください。
挿絵展『猫のいる日々』
会場:大佛次郎記念館(横浜市中区山手町113)1階ロビー
会期:開催中~12月25日(土)
時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝休日の場合は翌平日)
入館料:大人(高校生以上)200円
※中学生以下・横浜市内在住の65歳以上無料
※毎月23日「市民の読書の日」と、第2・第4土曜日は高校生無料
※障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料
URL:http://osaragi.yafjp.org/exhibition/