筆者は「家電 Watch」というニュースサイトやテレビ番組などで家電を紹介させてもらっている。たまにペット用家電についても講演する機会があるのだが、そこで必ず質問攻めにあうのがコレ。
「ペット向きの掃除機を教えてください!」。だいたいどこの会場でも質問される。
なぜ掃除機に質問が集中するのか、ペットと一緒に暮らす人なら察しが付くだろう。どんなに素晴らしい売り文句や高価な掃除機を使っても、ペット用となるとどの掃除機もいささか(かなり)不満がつのるのだ。
たとえば、こんな例。
1.ヘッドのブラシに抜け毛が絡まって、まったく吸い込めない
一般的な掃除機だと、ワンちゃんや猫ちゃんの柔らかい毛がヘッドのブラシに絡まってしまい、ぜんぜん吸い込めないというお悩み。とくに絨毯やラグを敷いている家庭に多い。
2.毛を吸い込んでも、ダストカップがすぐ満杯
フローリングが中心の家庭では、「抜け毛が絡むならヘッドを外して吸い込め!」と試してみるものの、今度はかさばる毛ですぐにダストカップが満杯になってしまうというお悩み。
3.ダストカップの毛が詰まって捨てられない
溜まった毛を捨てようとしてダストカップを振ってみるも、なかなか落ちず……。しかも、一緒に吸い込んだ砂ゴミを撒き散らかして、もう一度掃除するハメになんてことも。仕方なく指や割り箸で毛ゴミを掻き出して、ようやく取れたなんてことはペットのいる世帯では日常茶飯事。
おそらく読者のみなさんは、「あー、あるある」とうなづいていることだろう(笑)。
これらのお悩みを一挙に解決する掃除機として筆者が愛用し、オススメしているのが東芝のトルネオシリーズだ。
わが家には犬(マルチーズ)の定吉くんと、猫(メインクーン)のドミちゃんがおり、年間何十機もの掃除機をテストしている。なので、図らずしもペット用の掃除機博士になってしまったという経緯がある。もちろん、わが家で愛用しているのは、数年前から東芝のトルネオシリーズだ。さっそく、そのワケを解説していこう。
ペットと暮らす家庭は、メーカーが想定する掃除機の利用状況から、かなり逸脱した使われ方をしている場合がほとんど(笑)。それゆえ、ペットがいない家庭の掃除はラクラクこなすほどの性能を誇るといえる。
毎日の掃除で手軽にチョイがけ! ならば「トルネオV コードレス」
フローリングの部屋で抜け毛の少ないワンちゃんと暮らす家庭にベストなのが「トルネオV コードレス」(VC-CL1600)だ。もちろん、気がついた時のチョイがけにもオススメだ。
ペットと一緒に暮らしていると「抜け毛」に悩まされる。とくに絨毯や家具についてしまった毛は、なかなか掃除が悩ましい。かといって掃除機で吸い込むと、ヘッドのブラシに抜け毛がびっしり絡んで、ブラシがブラシとして機能しないなんてことが頻繁にある。
トルネオのブラシは静電気が起きにくく毛が絡みづらい
一般的な掃除機のヘッドのブラシは、ペットの抜け毛が猛烈に絡む。ブラシに毛が絡んで、ダストカップには何も入っていないケースもザラだと言っても過言ではない。つまり一般的な掃除機は、抜け毛を吸い込むのではなくブラシに絡めて取る機種がほとんどということだ(これ、ホント)。
でもトルネオは違う。発売されているスティックタイプの掃除機は、ほとんどすべてテストしてきたが、トルネオシリーズだけはブラシに抜け毛が絡まないのだ。ブラシ素材は、各メーカーが凌ぎを削っているようだが、トルネオは一歩リードしているように思う。
トルネオのブラシは3種類の素材でできていて、フローリングから絨毯、微粒子ゴミから綿ゴミまでキレイに掃除できるようになっている。そしてスゴいのは、ペットの毛も女性の長い髪の毛もほとんど絡まらないのだ。その秘密はフライパンなどでお馴染みのフッ素加工と、ヘッド内にある擬似的ちり取りでヘッドについているゴミを落としているという点だ。
ペットの抜け毛はボールみたいに圧縮! ゴミ捨ても簡単
ブラシにほとんど絡まることのないペットの抜け毛。さぞかしダストカップが毛でいっぱいになるかと思いきや、ご覧のとおり、抜け毛はボールのように玉になる!これがトルネオのスゴさ。
一般的な掃除機の場合、抜け毛を吸い込むとダストカップ内側にあるフィルターを目詰まりさせたり、あっという間に満杯になって指や割り箸などで掻き出さないと取れないモデルもある。
でもトルネオならば、ゴミをおよそ1/3に圧縮してくれるから、大量の抜け毛でもスイスイ掃除できる。丸いボール状に圧縮されるので、ダストカップをポンと開ければコロリと捨てられ、抜け毛やゴミ埃が舞うこともない。もちろん手も汚れないし、ゴミ箱回りにゴミをばらまく心配も無用だ。
見えないゴミが見える「ゴミ残しまセンサー」でスッキリ
ペットのいる家庭はもちろん、一般家庭でも便利に使えるのが「ゴミ残しまセンサー」。手元についているランプが赤く光ると、まだゴミが残っているというサイン。砂ゴミならプチプチとホースに当たる音でわかるが、ホコリや抜け毛の残りは目で確認するのは、ほぼ無理。ましてや絨毯やカーペットの上なら不可能なレベルだろう。
でも「ゴミ残しまセンサー」のサインを見ながら掃除すれば、目に見えないゴミまでしっかり掃除できる。しかも、サインは掃除機のヘッドの延長線上にあるので、掃除している床から目を離さず確認できるから便利だ。
ソファーや家具の下の掃除でも、「ゴミ残しまセンサー」は大活躍。暗くて汚れが見えなくても、センサーを頼りに掃除すれば確実にゴミが取れるので、大助かりするだろう。
6気筒フィルターレスサイクロンでゴミをしっかり分離! お手入れも簡単
多くのサイクロン掃除機が、最終段階でフィルターを使って微粒子のゴミを除去しているが、トルネオはフィルターを撤廃して(※)6気筒サイクロンの遠心力で超微粒子まで空気から分離。だから、どんなに掃除してもフィルターがつまらないので吸引力を99%維持できるだけでなく、99%以上の微細な粒子ゴミも6気筒サイクロンでキャッチできる。
※ゴミ分離用フィルターはありませんが、排気をキレイにするフィルターを設けています
さらに、フィルターレスにより、お手入れの時間が大幅に短くなった。なぜならフィルターを洗ったら少なくても半日ほど乾かさねばならず、その間は掃除ができないからだ。しかし、フィルターレスなのでゴミを捨てるだけでよい。サイクロンの汚れが気になったら、水洗いして清潔に使用することができる。
持ち手が丸いので床から階段、エアコン掃除までラクに!
トルネオの持ち手は、どこを握ってもいい丸型。だから身長や体格に関わらず持ちやすい。また、電池やモーター、ダストカップなど重いものがグリップを中心にバランスよく配置されているので、持った感じがとても安定していて軽く感じる。
ふとん用ブラシや丸ブラシ、極細のすき間ノズルも添付されているので、ソファーやベッドは布団ブラシ、丸ブラシでキャットタワー、すき間ノズルでテレビ回りやサッシのレールに溜まったゴミをキレイサッパリ。
滑り止めも便利だ。掃除中に宅配便が来て荷物を受け取ったり、家具を動かしたりする時に、ちょっと壁に立てかけられるのだ。
今回は、リニューアルしたスティックタイプ「トルネオV コードレス」VC-CL1600を紹介した。次回はキャニスタータイプの「トルネオV(VC-SG910X)」をご紹介しよう。
協力/東芝ライフスタイル