Q:フードを選ぶ際にどのようなことに気をつけたらよいでしょうか?
市販されているフードには「総合栄養食」「一般食」「副食」があります。一般食と副食は、それだけでは必要な栄養が摂取できないことを意味します。購入するときは表記を確認して、必要な栄養がバランスよく含まれた総合栄養食を選ぶといいでしょう。
これはドライフードでも缶詰やパウチに入ったウェットフードでも同じです。また、安価なものは素材や添加物などに問題があるものがあり、長年食べ続けることで猫の健康に影響が出てくる場合もあります。産地、素材、添加物等をよく確認してから購入するといいでしょう。猫のフードはたくさんの種類があります。迷ったときにはかかりつけの獣医や猫の購入元など、専門知識のある方に相談することをオススメします。
Q:ドライフードとウェットフード、どちらをあげたらよいのでしょうか?
「栄養面」「歯石がつきにくい」「腐敗しにくい」「コストパフォーマンスがいい」などの理由でドライフードを選ぶ方が多いのですが、ドライフードだけでは水分不足になりがちです。水分不足になると泌尿器系の病気にかかりやすいので、猫の体調を見ながら両方をあげるといいでしょう。
ウェットフードは匂いが強く嗜好性が高い(缶を開けた瞬間に飛んできます)ので、与える度合いが高すぎるとドライフードを食べなくなってしまうこともあります。やわらかいものばかりでは歯石の心配も出てきますので、両方をバランスよく与えましょう。
Q:人間の食事は与えても大丈夫ですか?
人間用の味の濃い食事は猫にとっては危険です。とくに猫の腎臓は小さくて弱いので、人間と同じ食事を食べ続けたらみるみる腎臓が破壊されてしまいます。またネギ類、イカ、貝の内臓などは中毒になります。玉ねぎと一緒に煮込んだ肉なども同じです。ほしがっても絶対に与えないでください。
Q:食事の回数は1日何回がよいのでしょうか? 置き餌でもいいのでしょうか?
猫には小さな胃がひとつしかありません。動物には健康を維持するために胃が空っぽになる時間が必要とされています。猫の場合は8時間くらいがよいということなので、食事は1日2回が適数となります。
また置き餌には時間の経過とともにフードが酸化してしまうという問題があります。猫がちょこちょこ食べる癖がつかないよう、飼い主がきちんと管理しましょう。
Q:1日の食事の摂取量はどれくらいがいいのでしょうか?
ドライフードの袋には必ず体重に対する1日の摂取量が明記されています。避妊去勢手術をする前までは、明記された量を食事の回数で割って与えるといいでしょう。ただ、食べる量は個体差があるので、一概に明記された量を与えればよいということではありません。猫が食べる量を観察して、加減していく必要があります。
また、手術後は太りやすくなりますので、いままでの7~8割程度の量に抑える必要があります。その場合も、体重や体型をチェックしながら加減していきましょう。市販されている避妊去勢後の専用フードや肥満用のフードはカロリーを抑えてありますので、それを利用すると管理がしやすいでしょう。
Q:フードの好き嫌いをなくすにはどうしたらいいでしょうか?
猫は学習します。猫が食べないからといって次々に新しいフードを与えていると、猫は「これを食べなければもっとおいしいものが出てくる」と期待するようになります。すると、好きなもの以外には見向きもしなくなります。好き嫌いは飼い主が原因なのです。好きなものが総合栄養食など必要な栄養がバランスよくとれるものなら問題ないのですが、一般食や副食では十分な栄養が取れません。
もし猫が与えた食事を食べない場合は、さっさと片づけてしまいます。1時間か2時間くらいしたら、また同じ食事を与えます。何度か繰り返すうちに猫もおなかが空くので、根負けしてその食事を食べ始めます。猫の健康を考えるなら、飼い主もときには厳しく接することも必要です。
Q:人間用の牛乳を与えてもいいでしょうか?
人間用には乳糖が含まれていますが、猫はこれを分解するための酵素を少量しかもっていません。そのため、下痢をしてしまうことが多いのです。猫用のミルクを飲ませてあげましょう。
Q:おやつはいつあげたらいいでしょうか?
おやつは猫の好きなものをいくつか用意して試してみましょう。ただ、おやつは匂いが強く嗜好性の高いものが多いです。毎日時間を決めて与えてしまうと、その時間になるとほしがるようになってしまいます。しつけの面でも「留守番して偉かったね」など、ご褒美として不定期に与えるといいでしょう。ただし、与え過ぎは肥満のもとです。飼い主がきちんと管理してあげることが大切です。