とうとう信楽にも熊が現れましたよ!

わが家の愛犬のジギーベイとり―ティラは、夜寝る前に庭に出てトイレを済ませます。玄関前はソーラーライトが点灯するので明るいのですが、周辺は真っ暗です。ご近所さんもかなり早く寝られるようで、明かりがついている家はほとんどなく静けさが広がっています。

最近は夜になると鹿の群れが山から下りて来ているので、私たちが玄関から出る音に敏感に反応して、山に走って戻っていきます。愛犬たちも慣れたもので、吠えることも逃げることもありません。

しかし、この日は様子が違いました。トイレを済ませて方向転換して玄関に向かおうとしたところ、愛犬たちが立ち止まり、家の横にある空き地をジッと見つめています。見つめる先は真っ暗闇。

すると、落ち葉を踏む足音が聞こえてきました。「ガサッ、ガサッ、ガサッ」と。そして、何ともいえない唸り声が聞こえてきたのです。「えっ、何?」と私は思いました。

次の瞬間、愛犬たちは尻尾を丸めて、急いで玄関から家に逃げ込みました。私も、それに引っ張られるように逃げ込みました。玄関に入るとリーティラが「ワン」と吠えたので、「やはり何かがいた」と感じ、すぐに鍵を閉めました。

私は動悸がおさまりませんでした。愛犬たちも何かにおびえている感じで、特にジギーベイは足がガタガタと震えていました。信楽に移住して初めての経験です。私の頭のなかは「野良猫? いや違う」「野犬? いや違う」「イノシシ? いや違う」など、いろいろな動物が浮かんできては消えました。

それから1週間くらいして、近くの自動車整備店に行き店主と世間話をしていたのですが、「最近このあたりで熊の出没情報が相次いでいるけど自宅の周りは大丈夫?」と聞かれたのです。私は驚いて、熊が出没した場所を確認しました。すると、一番近いところはわが家から歩いて5分くらいの距離でした。

「ああ、真っ暗闇に潜んでいたのは熊に違いない」と私は確信したのでした。店主によると出没しているのはツキノワグマで、体格も小さく、比較的に怖がり。人を見たら逃げていくので大きな心配はいらないとのこと。しかし、絶対はないので注意は必要ということでした。

その日から、愛犬たちの夜のトイレは超が付くほど慎重。あたりを確認してから玄関を出て、トイレ後はすぐに家に戻るようになりました。

熊なので明かりをつけていれば来ないというわけではありませんが、見えないほど怖いものはないので、空き地を照らすライトを取り付けて、夜は点灯させておこうかと思っています。