深夜のドライブで見たもの
わが家のある信楽のすぐお隣は三重県伊賀市です。いつも買い物は信楽でしていますが、事足らないときには山を越えて伊賀上野まで行っています。
数年前に新しくトンネルができたので、わが家からはクルマで20分くらいです。山を切り開いてつくった道なので、途中集落があるものの、ほとんどが山のなかを走ります。昼間に走っていても気が付きませんが、日が暮れた夜にはまったく外灯がないので、クルマのヘッドライトだけが頼りです。
先日、夜遅くに買い忘れたものがあり、23時までやっている伊賀上野のスーパーマーケットへ行くことにしました。ハイビームにしてクルマを走らせますが、ゆっくりと進みます。
なぜなら、以前に道路わきから大きな雄鹿が飛び出してきたことがあったからです。もしぶつかったら、鹿が傷つくだけでなく、クルマも破損する可能性、運が悪ければ双方の命の危険があります。慎重に走ります。
しかし、この日はちょうど鹿たちの活動時間だったのか、道路わきのあちこちに鹿がいるいる……。50~100m間隔で2~3匹の雌鹿が草を食べているのです。この日だけで30匹以上の鹿を見かけました。あまりの数に驚きました。
わが家の庭にもよく鹿が出没しますが、草を刈ったあとに生えてくる柔らかい草を好んで食べています。この道も道路に草木が飛び出ないようにと、草刈りをしているのを見かけるので、その後に生えてくる柔らかい草を食べに来ているのかなぁと思いました。昼間は頻繁にクルマが通るので、静かなこの時間を選んでいるのでしょうね。
滋賀県米原市の「伊吹山」では、野生の二ホンジカが植物を食い荒らす被害が深刻化し、山肌がむき出しになっています。国の天然記念物である「伊吹山頂草原植物群」が壊滅的な被害を受けているとか。現在は約2万頭が生息していると推測されています。
先日は大雨による土砂崩れがあり、その原因にはその鹿の食害が絡んでいるとされています。新たに鹿の駆除対策が検討されたようです。しかし、猟師の高齢化などで担い手不足も深刻で、なかなか思うように駆除が進まないのが現状。そのため、県は資格取得に対して補助金を制定して、担い手を増やす努力をしています。
わが家の庭にも母鹿に連れられて、子鹿が良くやってきます。「ああ、ちゃんと繁殖しているなぁ」なんて微笑ましく思っていましたが、増えすぎるのも困ります。深夜のドライブで見た鹿の数を考えると、もしかしたら、この周辺もどんどん増えているのかもしれません。