思いは同じ
先日からぶどう農園のお手伝いを始めました。4月末~7月末くらいまで週に2日程度、三重県伊賀市にある農園に通ってぶどうのつくり方などを勉強します。この農園はたくさんの種類のぶどうを扱っていて、ワインをつくるためのぶどうも栽培しているそうです。
ぶどうは普通にあのような房ができるのかと思っていましたが、店頭で販売されているあのぶどうの形にするには成長段階でいろいろな行程があり、本当に手をかけて育てられたものなのだと初めて知りました。
同じ場所から出た枝を1つにする作業(芽かき)、房の長さを切り詰める作業(房切り)、伸びた枝を誘引機で棚に固定する作業(誘引)、ジベレリン液に浸けて種を抜く作業(ジベつけ)、枝の先端の葉を摘み取る作業(摘芯)、粒の数を減らす作業(摘粒)、袋かけ、笠かけなどの行程を経て、やっと出荷になるのです。
初日にして、「ぶどう栽培は奥が深い」と思ったのでした。
初日は「巨峰」の房切りの作業でした。淡々と同じ作業をしていくのですが、これがまたなかなか難しい……。というか美的センスが問われる作業だなと感じました。
作業自体は楽しいのですが、ずっと上を向いて行う作業なので、首と腕がかなり痛くなります。しかも背中を反るので、腰も痛くなります。人によっては、長時間続けるのは無理だなと感じました。
作業の仕方を農園の方に教えていただくのですが、その説明中に何度も出てくる「この子」という言葉がとても心に響きました。ぶどうの房の1つひとつを「この子」と呼んでいるのです。
この農園のぶどうは本当に愛情をかけて育てられているんだなあと思いました。ブリーダーをしている私はとても共感できて、嬉しく思いました。
動物も果物も「育てる」ということに変わりはありません。思いは同じ……。愛情をかけて育てられるこの農園のぶどうは「おいしいに違いない」と確信できました。
そんな愛情あふれる農園のお手伝いができることを、心から嬉しく思います。収穫後のぶどうを食べるのがとても楽しみです。