【犬飼いTIPS】“夏の果実の王様”といわれるスイカは、犬も食べることができる?

この時期には食品スーパーなどにたくさんのスイカが並びます。夏に収穫されるスイカは「夏の果実の王様」と呼ばれています。

日本の夏は非常に暑く湿度も高いため、甘くさわやかなスイカは多くの人々に親しまれています。夏祭りや花火大会、海水浴などにも欠かせない存在で、まさに夏の風物詩ともいえます。

水分が多く含まれているため、熱中症対策の水分補給にも適しています。それは犬でも同じでしょうか。今回は、犬とスイカの関係についてのお話です。

犬はスイカを食べても大丈夫?

スイカは犬にとって安全なおやつといえます。スイカは約90%が水分でできているので、水分補給に適しています。水分不足は熱中症のリスクを高める要因のひとつであり、スイカのような水分の多いフルーツを摂取することは体温調節にも役立ちます。

ただし、食べるのはあくまでも果肉の部分だけです。与えるときには、皮や種は取り除くようにしましょう。スイカの皮や種は、下痢や胃もたれ、腸閉塞などの胃腸障害を引き起こす可能性があります。

分量に注意しよう

適度な量が重要です。ほかの多くの果物と同じように、スイカも食べ過ぎると便がゆるくなることがあります。果肉を小さくカットして数個与え、お腹の調子を観察するとよいでしょう。

その際には、スイカを喉に詰まらせる危険があるため、皮や種を取り除いて一口大に小さくカットしてあげましょう。

一般的に、おやつは愛犬の1日の摂取カロリーの10%程度とされています。愛犬が理想的な体重を維持するために必要なカロリー数は、年齢・運動量・活動レベル・健康状態などを考慮する必要がありますが、おおよそのカロリー必要量は「ペット肥満予防協会(APOP)」の公式で計算することができます。

 1日あたりの必要カロリー=(体重×30)+70


この計算式によると、例えば体重5㎏の小型犬の必要とするカロリー数は約220㎉となり、おやつとして与えるスイカは約22㎉となります。

スイカは100gあたり約40㎉ですので、50gくらいが適量となります。食べやすいように3㎝くらいのサイコロ状にカットしたスイカ2個程度です。

スイカの栄養効果

スイカは水分が豊富で低カロリーなフルーツでありながら、さまざまな栄養素を含んでいます。ビタミンC、A、B6、B1(チアミン)に加え、カルシウムとカリウムがたっぷり含まれており、免疫系をサポートします。

スイカの果肉の赤い色は、リコピンという抗酸化物質によるものです。リコピンは、体内の活性酸素を除去する働きがあります。

スイカには糖分も含まれているので、犬にとっても最高のごほうびになります。また、スイカをカットして冷凍しておけば、猛暑などで気温が高いときの冷たいおやつにもなります。

スイカは愛犬と一緒に食べるのに最適なおやつです。きっとこの爽やかで栄養たっぷりのおやつが大好きになるでしょう。

そのほかの果物

スイカは愛犬と一緒に食べるのに最適な果物ですが、そのほかにもたくさんあります。犬にとって安全な果物、危険な果物を確認しましょう。

また、果物はあくまでもおやつとして与え、本来必要とするカロリー摂取量は、バランスの取れたドッグフードから得るようにすることをお忘れなく。

犬にとって安全な果物

基本的に皮を取り除き果肉だけを小さくカットして与えましょう。また、種や芯がある場合は取り除くようにしましょう。

 ・マンゴー ・バナナ ・パイナップル ・オレンジ
 ・桃 ・りんご ・いちご ・みかん
 ・ブルーベリー ・ラズベリー ・クランベリー


犬にとって危険な果物

ブドウやレーズンは犬にとって有毒であり、腎不全を引き起こす可能性があるため、どんなことがあっても与えないように注意してください。

大量に摂取すると健康を害する可能性のある果物は以下のようなものがあります。

 ・ココナッツ
 ・アボカド


チェリー(さくらんぼ)、プラム(プルーン)、ネクタリンも推奨されない果物です。果肉自体に害はありませんが、種には人にも毒となるシアン化合物が含まれています。

これらの果物は種を取り除くのが難しく一緒に食べてしまう危険もあるため、与えないほうがよいでしょう。

まとめ

犬は雑食性なので、健康を維持するためには動物性材料と植物性材料の組み合わせが大切になります。

犬にとって果物はおいしく栄養価もあるものが多いのですが、糖分が高いものもあるので量や頻度には気を使う必要があります。

基本的には、バランスのとれたドッグフード(総合栄養食)を与え、果物はおやつとして与えることが推奨されています。