南フランスの犬のふん害対策
先日、フランス南部ベジエで犬のふん害対策に関する記事を目にしました。犬のふんが歩道に散乱している現状に対処するために、ペットのDNA検査を飼い主に義務付ける条例が試験的に施行されたそうです。この条例は2年間の期間限定で、清掃作業員がふんを見つけた場合、その検体を採取して飼い主を特定するのだとか……。
散歩中など犬のDNA検査証明書の提示を警察に求められた場合、提示しなければ38ユーロ(約6,000円)の罰金が科せられ、さらにふんを放置すると清掃料として120ユーロ(約19,000円)の支払いが求められるそうです。
これって、結構な金額ですよね。しかし、この市の犬のふんの清掃にかかる費用は年間約8万ユーロ(約1,200万円)もかかっていて、これが税金だと考えるとこの措置もしかたがないのかなぁと思います。
イスラエルのテルアビブ、スペインのバレンシア、イギリスのロンドンの一部地域など、世界の多数の都市で同様の措置が取られているそうです。
日本でも犬のふん害はよく見聞きします。でもそのための清掃員がいるわけではないので、前述した国に比べたらそれほど多くはないのかもしれません。
首都圏に住んでいたころは、歩道の植え込みなどでときどきふんが放置されているのを見かけましたが、多くの飼い主がお散歩バックを持って愛犬がふんをしたときには拾っています。
しかし、信楽に移住してからは、これが結構な頻度でふんが放置してあるのを見かけるようになりました。歩道の植え込みはもちろん、歩道にも放置してあります。田んぼや畑のあぜ道では、さらに多く見かけます。愛犬を連れて散歩に行く「陶芸の森」でもあちこちに……。
考えてみると、お散歩バックを持って散歩をしている飼い主が圧倒的に少ない。各町内の掲示板には「犬のふんは持ち帰りましょう」と書かれているのに。
田舎の場合は「畑の肥料になるから」という理由付けから、放置をする人が多いと聞きました。しかし、それはきちんとふんを拾っている飼い主や犬を飼っていない人からすればとても迷惑なこと。飼い主としてのモラルを問われることです。
ネット上では「それは罪に問われないのですか?」という質問をときどき目にします。それに対する回答は以下のとおりです。
軽犯罪法1条27号は、「公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者」と規定しています。また、これに該当するものは、拘留又は科料(1000円以上1万円未満)に処するとされています。一度や二度の不始末で逮捕または立件されたりすることは、現実的には考えにくいですが、何度注意されても犬のフンを始末せず、近隣住民に常に迷惑をかけているなど悪質性が高い場合は、逮捕される可能性もゼロではないでしょう。
日本では、ふんをしてあるところをチョークで囲んで日時を記入する「イエローチョーク作戦」という対策を取る自治体もあります。
南フランスのような犬のふん害対策が義務付けされたら大変です。犬の飼い主として、モラルはしっかりと守りたいですね。
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