【猫飼いTIPS】猫の被毛に毛玉ができる原因と自宅でのグルーミング
朝鏡をみて、髪のセットに納得いかない経験は誰にもあるでしょう。もしかしたら、猫も同じように思っているかもしれません。
愛猫の被毛に小さなもつれや絡まりがあるうちはいいのですが、それが塊のようになってしまったら解くのは大変です。
猫は自分の舌や歯、前足を使って毛づくろいをします。しかし、特定の猫種にとっては大変な作業であり、加齢や体重増加、季節の変わり目などにはより困難になる可能性があります。
今回は、猫の被毛に毛玉ができる根本的な原因とそれを防ぐ方法、さらにショーブリーダーによる毛並みを整える方法をご紹介します。
猫の毛玉の原因
猫種や健康状態だけでなく、天候(室内環境)まで、あらゆることが毛玉を引き起こす可能性があります。以下が代表的原因です。
猫種
アンダーコートが厚く、毛玉になりやすい猫種もいます。豊かで優雅な被毛を持つ猫種は以下のとおりです。
ノルウェージャンフォレストキャット
サイベリアン
メインクーン
ラグドール
ペルシャ
ヒマラヤン
ロシアンブルー
余分な被毛
自然脱毛がうまくいかなかったり、定期的なブラッシングされていと、アンダーコートに余分な被毛が蓄積され毛玉ができます。これは特に長毛種の猫に当てはまりますが、短毛種でも無関係ということではありません。短毛種の猫の毛は、長毛種の猫よりも太いことが多いので、毛玉ができることがあるのです。
体重
高齢の猫と同じように、太りすぎの猫は運動能力が低下してグルーミングがうまくできません。また、体重が増えすぎると油分も過剰に分泌され、よけいに毛玉ができやすくなります。
加齢
健康で活発な猫は、躰の隅々までグルーミングすることができます。しかし、高齢になると運動能力が低下し、背中やお尻、尻尾の付け根などのグルーミングが難しくなり、毛玉ができやすくなります。
過剰な皮脂の分泌
過剰な皮脂の分泌は、避妊去勢していない猫(特にオス)、脂漏症(マラセチア皮膚炎)や甲状腺機能亢進症の猫によく見られます。特に、過剰な油分を発生させる疾患は、毛玉の原因にもなります。
感染症
皮膚の感染症や傷口から出る分泌物によって、患部周辺に毛玉ができることがあります。その結果、換気ができなくなり、感染症を悪化させる可能性があります。
湿度
くせ毛の人と同じように、猫のアンダーコートは、湿度や水分の多い環境ではうねりが出てしまいます。特に換毛期のピーク時(春と秋)には、毛玉の原因になりやすいと言えます。
猫の毛玉を予防する方法
毛玉ができたり、それを取り除くことは、猫にとっても不快です。しかし、食生活を少し変え、グルーミングの習慣をつけることで、猫の毛玉は予防することができます。ここでは、専門家によるいくつかのヒントをご紹介します。
【自宅でのグルーミング】
猫はグルーミングが大好きです。週に2、3回のブラッシングしてあげてください。愛猫の被毛を良い状態に保つだけでなく、絆を深める時間にもなります。
猫の被毛が油っぽい場合は、猫に安全なシャンプーとコンディショナーで定期的に洗ってあげることをお勧めします。ただし、過度な油の分泌があるようなら、獣医の診察により根本的な原因を調べてください。
【より高度なグルーミング】
長毛種・中毛種の猫の場合は、春先と秋口の年2回、アンダーコートを適度に薄くする「ディシェディング」が有効です。細かい刃をもつシェディングブラシなどで死毛(不要な毛)や浮毛などを梳いて取り除きます。
まずは、愛猫の理想的な体重と摂取カロリーについて把握しましょう。健康診断を受けたり、「BCS(ボディコンディションスコア)」で判断してもらうとよいでしょう。
皮膚や毛の健康を増進する簡単な方法は、オメガ3脂肪酸のサプリメントを通常の食事に追加することです。また、オメガ3脂肪酸を豊富に含むキャットフードを選のもよいでしょう。
猫の毛玉を取り除く方法
猫の毛玉を取り除くとき、安易に使ってはいけないものがあります。それはハサミです。猫の皮膚は非常に薄く柔らかいので、よく伸びます。毛玉を切ったつもりが、皮膚も一緒に切ってしまったという事故をよく聞きます。猫の皮膚を傷つけたことに気づかないこともあります。
▸道具を揃える
毛玉が小さければ手で簡単にほぐせます。しかし、より大きくて油で固まった毛玉の場合は、ブラシなど適切なツールが必要です。スリッカーブラシ、シェッディングブラシ、アンダーコートレーキ(デマットレーキ)など、金属歯の製品がよいでしょう。
▸毛玉を取り除く
大切なのは、愛猫がリラックスしているときに行うことです。被毛から毛玉のできた部分を手で分け、次に猫の皮膚が引っ張られないように、片手をそっと猫に添えます。もう片方の手で、毛玉の下にツールの歯を差し入れて、徐々にほぐしていきます。
あまりに酷い毛玉の場合は切り取るしかありません。まず、毛玉の下に櫛(コーム)を入れます。櫛の歯から出た部分の毛玉をハサミでカットします。そうすることで、皮膚を切る心配はありません。
耳の後ろ、脇の下、陰部、などは敏感なので毛玉を取り除くことが難しいかもしれません。気長に少しずつ進めることです。どうしても難しい場合は、プロのグルーマーに任せるのもよいでしょう。
まとめ
長毛種の猫の場合は、普段のブラッシングが大切です。ブラッシングが嫌いな猫もいますが、グルーミングを楽しい経験にすることが大切です。猫をなでながらブラッシングをし、その間は優しく話しかけたり、おやつをあげたりしましょう。
また、慣れるまでは、ブラッシングの時間を短くして、毎日のように頻繁に行うとよいでしょう。それが習慣と認識されれば、嫌がることもすくなる可能性があります。
コメントを送信